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映像作品感想

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映画中心の感想集です
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2023年4月の記事一覧

映画感想「グッバイ、ドン・グリーズ!」(Filmarksより)

予告で気になって、鑑賞。 ロウマ、トト、ドロップという三人の男子高校生のひと夏の冒険物語。 田舎町に住むロウマ、トトはドン・グリーズというグループで秘密基地を作っている幼馴染。 二人だけの花火大会を毎年やっていたが、この夏はもう一人新しい仲間がいて…。 未開の山奥を進んでいく物語。 そのキッカケはいかにも現代的で、勢いで行動する15才らしさがよく表れている。 風景描写がとても美しく、自然の中で訪れる危機は一本道だった旅を脱線させていく。 とても爽やかな青春物語で、序盤に示

映画感想「ガールズ&パンツァー 劇場版」(Filmarksより)

昨年映画館で観たものの予備知識なしだったため、この度TV版鑑賞後に二度目の鑑賞を敢行。 再度廃校の危機が訪れ、回避の為に大学選抜チームとの試合に臨む大洗女子学園。 ルール的に数の面で絶対不利な状況を、かつての対戦相手たちが救う。この王道スポ根ものな展開にTV版と同じ小気味好い会話劇の楽しさが加わる。 さらに映画的な大胆な戦術に、決戦は途端に台詞の無い「音」で彩る演出。 一級のエンターテイメント作品である事がよく解った。TVアニメの後日談映画化の模範といって良い作品である。

映画感想「生きる LIVING」(Filmarksより)

観ると決めていたが、ようやく鑑賞。 黒澤明監督の名作がイギリスでリメイクされ、一年遅れで日本公開になったもの。 リメイク、というと現代風アレンジが付きものだが、この作品はあくまでも1950年代のオリジナルに忠実に時代物として制作されている。そこがまず好印象だった。 70年前のイギリスの風景もさることながら、映画の構成も当時のもの、クラシック作品を踏襲しておりモノクロで観たいと思わせてくれた。 物語の筋もほぼ原典のまま、やはり課長の奮起から葬儀に飛び、関係者の記憶によってそ

「推しの子」2話まで鑑賞…これが現代の夢追い物語

少し出遅れましたが、今話題の「推しの子」を観ました。 1,2話の一気見でゆうに二時間、立派な映画鑑賞の感覚でしたが、グイグイ惹き込まれましたね。 結局映画館では観ませんでしたが 先月1話の先行上映と謳って映画館でやっていて、なんだか話題になってるらしい、程度の認知度で関心はあったのですが、例の二大映画が忙しくて(笑)、観に行く時間は取れませんでした。この時点ではテレビアニメの事、それの1話な事、内容から何も知りませんでした。昨年の五等分の花嫁などもそうでしたが、周囲のざわ

映画感想「劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル」(Filmarksより)

毎年恒例、春のウルトラマン映画。 TV版の後日談として、湊兄弟のその後、特にカツミの「夢」をテーマにしたルーブらしい人間ドラマだった。 新たな敵、ウルトラマントレギアは他人を羨む人の心につけ込み怪獣を生み出していく。 ウルトラマン映画の中でも特にテーマ性が強く、単純に強敵が現れるだけだった従来のウルトラ映画とは一線を画するものになっている。 特撮面も複合的な市街地戦、トレギアとの空中戦、新戦士、新フォームにジードもウルティメイトファイナルになるなど劇場版らしい見所がたくさ

映画感想「劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL」(Filmarksより)

TV版を完走したので鑑賞。 放送中に公開されたアナザーエンド。 印象としてはTV版より、王道でスッキリした結末になってはいるが真司含めて人物達の幸福には届いていないのが龍騎という作品の持ち味か。 優衣の、誕生日ケーキを前にしたシーンはTV版のそれより胸にくるものがあった。 対して、劇場版の新キャラ霧島美穂・仮面ライダーファムは正直不要キャラに感じてしまった。 劇場版ゆえに華を考えての事だったのだろうか。 本来と違う順序で観てしまったがゆえか、やや蛇足感を覚えてしまった。

映画感想「劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本」(Filmarksより)

現行作品セイバーの劇場版。 だがゼロワンの前座的扱いで、尺は例年の戦隊ものより短い20分。 不死身の剣士バハトが現れ、破滅の本を開いた。 飛羽真たち剣士達が立ち向かう。 見せ場はセイバーのエモーショナルドラゴンと、仮面ライダー史上最悪の父親だった鷹山じ…ではなくバハトの変身するファルシオンとの戦い。 現時点でTV版セイバーにはイマイチ物語の熱量を感じないが、存在感のある悪役がいることでこの劇場短編は引き締まったものになっている。 願わくば、不死身を活かしこのバハトにはTV

映画感想「仮面ライダー 令和ザ・ファースト・ジェネレーション」(Filmarksより)

恒例のライダー合作映画。 今回はゼロワンの世界がタイムジャッカーによって改変されてしまったところから始まる。 ヒューマギアに支配された世界、これはタイムトラベル物の定番である地獄化した現実で、ジオウで繰り返し見た展開。 しかし流石に映画なだけあり虐げられた人類の描写がしっかりしており引き込まれた。 アクションシーンも力が入っており、ライダー勢はそれぞれ変身前でも派手に暴れてくれる。 今回影の主役と言えるのは或人の父、其雄。 山本耕史氏の演技力と相まって特殊な事情のある難し

映画感想「怪獣娘【黒】-ウルトラ怪獣擬人化計画-(Filmarksより)

TVシリーズから好きだったので鑑賞。 一時間のドタバタコメディ。 特撮あるあるネタから、ギャグアニメ定番のおバカ悪役のワチャワチャ感、そこに主人公ペガッサちゃんの成長物語が加わった構成。 「レッツ侵略だ!」でやってる事は全く侵略になっていないBLACK STARSの愛くるしさだけで60分突っ走れるゆる〜い映画である。 ほんのりお色気(ブラック指令の胸、尻)もあり、作劇のツボもしっかり押さえてある、良作である。 次は本格的にGIRLSと戦うところも見たいが、仲良くなって欲

映画感想「映画トロピカル〜ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!」(Filmarksより)

トロプリ劇場版。 ハートキャッチプリキュアとの客演があるので、春のヒープリ映画と同じ括りに入る作品ではあるが、ゲストとの絡め方が雲泥の差だった。 唐突にシャンティア王国という国に招かれ、王女シャロンの戴冠式に出る事になったトロピカる部の面々。そこで同じく招待されたつぼみ達4人組と出会い意気投合するものの、戴冠式の中で王女の様子が急変する…。 トロプリ自体の作風でもあるが、明確に敵と呼べる悪玉が存在しない。シャロン王女と対峙するプリキュア達だが、終始歩み寄りの物語だった。

映画感想「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」(Filmarksより)

スタプリ単独の秋映画。 TV版履修後に鑑賞。 沖縄を舞台に、突如現れた未知の生物、ユーマとの交流が描かれる。 これぞ劇場版、ではなかろうか。 スタートゥインクルプリキュアは宇宙・星座をテーマに異なる種族との交流を描き、心を通わせる事の尊さを訴えている作品。 この映画はそのテーマを「わかり合う為にはどうするべきか」という具体的な部分にまで掘り下げ、既にそれを成したひかるとララの二人を中心に据える事で答えにたどり着いている。 ユーマは驚くべき秘密を持っており、それが最大の障害と

ドラマ感想「仮面ライダーアギトスペシャル 新たなる変身」(Filmarksより)

TV本編放送中に挿入された、外伝的エピソード。 それでありながら北條に翔一の正体がバレるなど、かなり重要なシーンがあるのは以降の展開に差し支えなかったのだろうか。 ゲストの京本政樹氏はライダーBlackを思い出させるが、この人本当に歳を取らないな、と感服する。 3人ライダーの共闘、シャイニングフォームなど特撮の見どころもしっかりあり、大ざっぱに言って良い作品である。

映画感想「映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」(Filmarksより)

予備知識ゼロながら、周囲の高評価に興味を持ち鑑賞。 これでもかとヒーロー物のエッセンスを詰め込んだフルサービスムービーで涙腺が緩んでしまった。 まず初代の二人が先輩ながらまだまだ女の子、決して尊大に描かれてないのがポイントで、今回訪れる大きな困難を乗り越える手本となるシーンに痛みと 力強さを伴って後輩を引っ張るところがとても印象的。 それを終盤の「観客参加」に繋げている巧さに思わず溜息が出た。 敵のミデン、スマホ時代の陰ともいうべきキャラ設定で世代的に共感してしまったしそ

映画感想「映画ヒーリングっど♡プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!」(Filmarksより)

本来秋公開であったろう単独の劇場版。 今回はそこにプリキュア5が加わり、東京を舞台に夢を巡ってエゴエゴという敵との戦い。 舞台は東京ながら、ゆめペンダントで仮想空間に変わる設定なのでさながらファンタジー模様。 今作オリジナルキャラのカグヤとその母、サレナの関係がドラマの中心であり、その実態が紐解かれるに連れ熱量が上がっていく。 のどかの母との対比も描かれ、やや重いテーマを「生きてるって感じ」に帰結させているのは素晴らしい。 戦闘シーンの作画、スピード感もさながらジャンプ漫画