【ごはん日記】参鶏湯
約1年振りに参鶏湯を作った。参鶏湯は寒い冬に食べたくなるけれど、実は夏のスタミナ料理らしい。それを聞いてから我が家では、残暑厳しい8月末から9月に作ることにしている。なんて書くと毎年作っているみたいだけど、作るのは2回目。ここから我が家の伝統になっていくのだ、たぶん。
丸鶏を初めて触ったのは何年か前のクリスマスだったけれど、どうにもこうにもゾクゾクしてしまって、結局横から口を出しながら夫に処理をしてもらった。命をいただいていると口で言うのと実際に目で見て感じるのは全然違うのだということが身に沁みた。と言いながら、調理されて仕舞えば美味しくいただくのだからつくづく自分が情けなくなる。そんな私もいつの間にか丸鶏を扱えるようになり、時々購入している。いただく命への感謝は忘れていないつもり。
さて、参鶏湯。脂をとり、もち米、栗、棗、朝鮮人参、ニンニクを詰め、しょうがや長ネギと一緒にことこと煮込む。私はこの「ことこと」という表現がとても好き。温かい暖炉に大きなお鍋、それを囲む家族、暖まった部屋。実際は暖炉がある家に住んだことはもちろんないし、暖炉で鍋を温められるのかも知らない。でもなんとなく、暖かくしあわせなイメージの音。
完成したら取り分け、各々ねぎやお塩を足しつつ、いただきます。柚子胡椒も忘れない。手に入る丸鶏はとても大きいので、しばらく参鶏湯が夕食に登場する日は続く・・・