『すごい左利き』
前回の投稿に書いた「1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き(加藤俊徳 )」をさっそく読んだ。忘れないうちに感想を書きたいと思う。ぴったりの絵があったのでお借りした!
全体的には左利きの特徴(右利きは左脳を使い、左利きは右脳を使う)だったり、左利きの人が抱えがちな悩み(言葉が出るのが遅い、周囲に敏感)とかタイトル通りのことが書いてある。悩みの部分に関しては右利きの人でも抱えているであろう内容なので、それに対して「左利きの医師」という角度からアドバイスするような形になっていた。
右利き=左脳、左利き=右脳
前提として「右利きは左脳を使い、左利きは右脳を使う」というのはよく聞く話だが、僕は「ほんとにそうなの?」と以前から思っていた。著者の加藤さんも基本的にそれをもとに話を進めていて、脳の専門の医師がいうのだから、やはりそうなのだろう。
本の中の言葉を使うと、言語系情報を扱う左脳は「きれいに整理された情報の倉庫」であり、非言語系情報の右脳は「並列情報の倉庫」で色んな物事がぷかぷか浮いているようなイメージ。左利きが言葉が出るのが遅いワンクッション思考で悩むのは、一度並列情報の倉庫に入って、そこから整理された倉庫に入るからだそう。一方、右利きの人は言語処理を行う左脳に直接アクセスできるので、言葉がでるのが速くなる。僕がいつも目の敵にしている「よく喋る人」って「THE右利き」で左脳へのアクセスがめちゃくちゃ速いのだろう。
左利きは天才?
一般的に、そういう論理的に言語化することが上手い人が優秀とされて、左脳を上手く使える右利きが有利に働く世の中だ。にもかかわらず左利きが「天才」って言われるのはなぜなのか。それについても書かれていた。
先ほども書いたように左利きは右利きと脳の使い方が違うので、右利きとは違う視点で物事を捉えることができる。そして一見使いづらそうな右脳だが、並列情報というのは全体像の中から直感的に本質を掴むのに優れているそうだ。だから「違う視点」+「直感的に本質を掴む」ことで左利きの人は「天才」といわれるのだという。でもやっぱり言語化することも重要なので、左利きがコンプレックスを解消していくには、右手をよく使うことだと書かれていた。
右手への矯正、外国語の勉強は10歳から
あと面白いと思ったのは、左利きの子が右手を積極的に使い始めるタイミングはいつがいいかという話。論理的思考を育てるんだったら、小さい時から右手に矯正したらいいじゃんとなるのだが、著者によると10歳くらいがいいそうだ。
子供は右脳と左脳のバランスが取れてくるのが10歳くらいでそれまでに矯正しようとすると脳が混乱する恐れがあって、著者は4歳で習字を習い始めたので吃音が出たりしたという。同じように、母国語の基礎ができてからがいいという理由で、外国語を勉強するタイミングも10歳くらいがいいのだとか。幼稚園くらいから英才教育がいいんだと思ってたな。
フラットなマイノリティ「左利き」
左利きは10人に1人の割合というマイノリティだ。でも左利きに向けられる視線はとてもフラットで個性として認知される。
「違っていることが前提にあれば、引け目を感じたり、反対に見下したりすることなく、差異を知ろうとすることでしょう。そうした気持ちがあれば、世の中に起きる人間関係の多くは解消するのではないでしょうか」
と最後に著者は語っていた。
マイノリティである左利きでよかったなと思えた本だった。左利き仲間は読んでみてー!
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