映画鑑賞記録③こちらあみ子
しんどい
1人称でアミコの世界を書き切った原作小説にも重さがあった。
1.5人称視点というか、常にあみ子の背後から世界を眺めさせられた重みは別の耐え難さがあった。
なんでこんなものがつくれるんだろう……。
映画版に感じた時々の"ハッピー"はかえって現実のつらさを改めて認めさせてきた。
○ときおりBGMにリンクするあみ子の挙動
あみ子の世界には常にけたたましい明るい音楽が鳴っているような。
○デウスエクス・マキナ・おにいちゃん。
あみ子の必死の訴えを確かめもしなかった大人たちに気付かされる。
○極めつけはハッピーおばけ。
「あ、こんなに楽しく世界が見えているのなら」と一瞬納得しかけるからこそ、そんな簡単なわけがない、と自分で自分の首を絞めさせられる。
それだけのズレが全てに常におおいかぶさる。
好きな子の名前すらまともに尋ねることも教わることも知ることもわかることもできない。
公立中学校にいたあいつがそうかもしれないし、自分がそうだったかもしれないし、そうかもしれない。
あちらとこちらで線引きできない波のはざまにぼくたちはいる。
あみ子の明るさでなにもかも吹き飛ばしてくれるほど、甘く無い現実が即座にこちらがわに引いては返し足元を冷たく濡らす。
読書感想文もよろしければ。
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