甘いのはお好きですか、ではなくて、の話
甘いのはお好きですか、ではなくて、の話です。
バーテンダーは、数年前にわたしなりに本気で追求して、本当に楽しませていただいた世界でした。
いわゆるサービスマンは、誰かの想いや形(お料理やお飲み物etc)をお客様に届ける人、つなぐ人、と考えると
バーテンダーは、自身で想いを形(お飲み物、カクテルetc)にして、直接お客様に届けることができる人、直接つながる人、です。
カウンターサービスの場合は、目の前のお客様を100%想って届けることができます。
それが本当に楽しいし、ありがたいことだなと思っていました。
特にその場や目の前のお客様に合わせて、オリジナルカクテルをご提案させていただくときに、
これって究極のおもてなしが体現できるんじゃないかな、というお話です。
例えば、おひとりでご来店された、ある女性のお客様にオリジナルカクテルをご提案させていただくとき。
どんなカクテルを作ったら喜んでくださるのかな、とちょっとした不安もあったり、腕が鳴ったりします。
だから、お客様に伺います、そのためのヒントが欲しいので。
「普段はバーで何を飲まれることが多いんですか?」
「今日はお食事されていらっしゃたんですか?」
「バーはよく行かれるんですか?」
「お近くからいらっしゃったんですか?」「旅行でいらっしゃたんですか?」
「ここのお店はどうやって知られたんですか?」
などなどなど、、、
尋問のように、質問形式にならないように
あくまでナチュラルに、会話をしながら引き出したいです。
良く飲まれるカクテルをベースにしたり、
ご旅行だったら、地元で使われる材料を使ってみたり、
食後だったら、食後酒をベースにしたり
旬のフルーツ使ってみたり、
女性の雰囲気や会話の感じから、少し妄想して
お客様に似合いそうなカクテルをベースに考えてみたり、
今どんなお気持ちなのかな、今日は楽しく過ごされたいのかな、
しっぽり楽しまれたいのかな、
今の心や、いらっしゃった目的によっても変わりますよね。
ここで大事にしているのが、ヒアリングの際に、
近道をしないこと、と決めつけないこと、です。
「アルコールは強めがお好きですか?」
「フルーツはお好きですか?」
「甘いのはお好きですか?」
「炭酸はお好きですか?」
みたいな近道は面白くなくて、
あとは、
この時間だから食後だろう、
お一人で来るのだから、バー慣れしてるだろう、
強いお酒でも大丈夫だろう、
と決めつけるのも良くないかな、ということです。
要は、思い込みはいけなくて、お客様にいくつかお伺いするのだけど、
それが近道しちゃうと、ちょっと違うかも、のお話です。
お客様のお好きなもの、レストランが好き、とか、お笑いが好き、とか
関西が好きで、とか、カジュアルなファッションが好きで、みたいなヒントがあると、ご提案も変わってきますよね。
*お笑い好きな方で、「カクテル名は!?」みたいはフリには何度も苦戦したものです。
決めつけるのは✖だけど、仮定して予想するのは大事で、それに当てはまるかのヒントをいただくイメージで。
そして、あとから、答え合わせをしていくイメージ。
普段〇〇を飲まれているので、〇〇と思って作ってみたのですが、いかがでした?とか。
旅行と伺ってたので、京都らしさを感じていただけるものを作ってみたのですが、いかがでした?とか。
ここで、もう一つ大事なことが出てきて、
やっぱり大事なのはお客様が主体。なので、お客様によっては、分かりやすい質問や、具体的な質問が良い方もいらっしゃいます。
もちろん、お客様みなさんが積極的にお話をされるということ、でもないです。
だからサービスマン(バーテンダー)はお客様を主体にして、そのお伺いの仕方がお客様に合っているか、常に観察したり会話から察するスタンスが大事です。
それがサービスの奥が深すぎるところ、ですよね。
*わたしが資格しているMBTIというメソッドは、その助けになります。
機会があったらまた書いてみたいと思います。
バーに限らず、相手のご要望を形にする仕事はたくさんあると思います。
バーテンダーの経験が、今もすごく誇りに思いますし
その経験があったから、今できることもあるな、と思います。
レストランでお客様がお飲み物を悩まれている時に、ご提案するとき
結婚式のおふたりのためにできることを考えるとき、
営業でお客様のために何かご提案できることを探すとき、
直接的なヒアリングがわるいとか、の話ではないです。
結局はお客様に主体を置いた、ご提案やお話ができたら良いな、になります。
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