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のだめカンタービレ

2006年にドラマ化されて大ヒットした。
二ノ宮知子著、講談社「kiss」に、
2001年から2010年まで連載された。

僕はほとんど日本の民放ドラマを、
観なくなっていたが、これはクラシック音楽、
しかも音大を舞台に、男性主人公は指揮者。

僕は子どもの頃、指揮者に憧れていた。

ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」や、
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」のスコアを、
買ってもらって聴いていたことは先に書いた。

ドラマは大胆な演出や演技で注目されたが、
交響曲第7番が主題歌で、話題になった。

僕は浪人中、この第7番と、
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」を、
毎日のように聴いていた。

「熱情」はすでに人気あったが、
7番は5番「運命」や6番「田園」に隠れて、
あまり人気がなかったように思う。

このドラマで人気が出たとも言われているが、
その前から大好きだった僕にしてみれば、
それだけは残念だった。

オケが楽しそうに演奏するのも、
音大学生らしくて好感が持てた。

コンクールとか留学とか、
どうしても殺気立つというか、
音楽の楽しさをつい忘れそうになる。

音楽好きの友だちがライバルになる。
これは見ていて楽しいものではない。

音楽のシビアな世界、僕が敬遠した世界だった。

クラシック音楽を主題にした小説や漫画は、
どうしても知る人ぞ知るになってしまう。

映像化に向いた作品だろう。

そしてまた今日も、僕はベートーヴェンを聴く。

フルトヴェングラーか、いやいや、
やはり7番は、アバドだろうか。

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