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遅ればせながらのイカ祭り 加えてのジェノベーゼ祭り
序章
土曜日のことでございました。
いつものように、明日何が食べたい?のお答えが”ジェノベーゼ”
タイミング悪すぎ〜。なんせ、ご本家シチリアのKaorina091さんと、世界の料理に精通されているケイチェルおじさんお二人ともジェノベーゼ作られてて。
え〜、このレベルの高いお二人の後に〜と思いつつも、noteでお祭りも楽しいし、頼まれたら断らないのが調理人の性(???)でございますので。
と、もう一つ。毎月十日のイカの日に合わせてのイカ祭り、noteのご近所さんたちがされてて、参加した〜い、と思いつつも、なかなかタイミングが合わなくて。
会長のチョコチップクッキーさんのイカしたイカ飯
府中支部ケイチェルおじさんの豪華イカ墨イカ飯
パリ支部ユイじょりさんの美技、イカをパスタに見立てたイカルボナーラ
加えて、ずっと修行(?)してたトロフィエ、ぼちぼちちゃんと作れるようになりたいな〜、と。
で、この三つの欲望のままに、三欲合体三位一体でお料理することに、の日曜日のお話。ここのところ忙しくて、note更新もできてないのも気になってて、時間がないのは言い訳にすぎない、そんなんでいいわけ、で、てっちゃんしてでも、と、いつもの暴走でございますが、ご笑覧いただければ嬉しいです。
三たびのトロフィエ
三度目の正直になるか、二度あることは三度あるのか、のトロフィエ。また〜?ですが、不器用はこうやって繰り返して腕を磨くカメですので、ご辛抱のほどを。時々後退したりもしてますが(泣)。
トロフィエは、イタリア北西部、東リグーリア州ジェノヴァに近いソーリという町で生まれた伝統的な手打ちのショートパスタ、ということなので、ジェノベーゼと合わせるのがもともと。加えて、イカと合わせているレシピも多いので、これでいこうかと。
粉はルスティカで加水率50%、塩ひとつまみとオリーブオイルたら〜っと。
均一に水がわたるように水回しして
15分くらいこねこね。あかちゃんのほっぺくらいのぷにゅ〜っとした感触が心地いい生地。むぎゅっと指で押して戻ってくるくらい弾力が出るまで。
ラップしてしばしおやすみいただいて。
ぶちっと小指の先くらいちぎって、手のひらでころころ〜と伸ばして
イタリアのグランマ、手でこするようにして螺旋状の形を一発で作ってて、これ真似しようとしてもなかなかコントロールが難しくて。生地を小さくちぎって、まず台の上で手のひらを前に出しながらこすって紡錘状にして、次に斜めに擦り下げるようにして螺旋を作ってるのですが、手のひらのどの部分でどのくらい擦るかがなかなか難しく。で、時間がなかったので、これは宿題にして、スケッパーでむにゅ〜っと擦りながら引いて、ひねりをつけることに。
トロフィエの語源、木屑を意味するtruciolo説と、こすりつける、と言う意味のストロフィナーレ説があって、どっちやねん、と、どうでもいいこと考えながら、ひたすらコロコロ〜、むにゅにゅにゅ〜の繰り返し。
イタリアのグランマのような大きな螺旋にはならなかったけど、前回よりはちょっと進化。まだ不揃いなので、これはまた修行ということで(笑)。
ジェノベーゼ
これは定番なので、みなさま作り方はご存知と思いますが、一応。と、のたのたと隙間時間に書いてたら、ユイじょりさんもMizunaを使ったジェノベーゼ。あら〜、ジェノベーゼ祭りに!。もう、ねじり鉢巻、襷掛けで踊っちゃうもんね〜、な勢いで。
松の実、生だったので、煎って。ちょろっと焦げ目つけてアクセントに。。。のつもりが、まだらのまんまだけど、見なかったことにして次に。
バジル、ニンニク、松の実、摺り下ろしたパルミジャーノとペコリーノ、オリーブオイル。これはイタリアのグランマのレシピのまんま。ただ、オリーブオイルどへっと入れると、油だけ分離して好みではないので、1/3ぐらいに減らして。
ブレンダーでギュイ〜ン、と滑らかに。
トロフィエ、海水くらいの湯で茹でて、湯切りしてソースと和えて。様子みながら茹で汁でとろみは調整。
パスタにお乗せするイカさま
やっとご近所さんに顔向けできそうで、ちょっと嬉しい。
イカさまって書くとなんかあやし〜い感じ、は置いておいて、諸般の事情で今回は極安のヤリイカ2杯。人生お初のヤリイカ捌き。ちょっとどきどきしながら。
内臓と足外して、皮ひいて。みなさん言ってたみたいに立派な軟甲。古代のアンモナイトの血をひく貝殻の名残、祖先は巨大だったのかな〜、槍のような貝殻持ってたりして。そう言えば蛸船って、貝殻もってる蛸さんいたような。と、大昔に読んだ魚介の図鑑の記憶。と、どうでもいいこと考えながら。
パスタと和えた時に味の絡みがいいように隠し包丁はすかいに細かく入れて。世に言う松笠切りでございます。
両脇に鉄串打って、こんろの直火で炙り。ちょろっと焦げ目がついて、中は生のままくらい。。。きれいな松笠になっていない。まだまだ修行が足りない、っていつものことですが(泣)。
短冊に切って、塩ぱらっとぐらいと胡椒、オリーブオイルちょろっとでマリネ。
リゾットのオーブン焼き
あれ〜、ゲソとワタは〜、とお思いのあなた。食料廃棄問題を鑑みるに、なんてえらそ〜なお話ではなくて、食欲エンジンで食べられるものは全部たべちゃうぞー、の方で。
ただ、我が家、イカワタお出入り禁止で、下手につかうと命の危険があるので(笑)、証拠隠滅して完全犯罪を目論んだのでございます。ちょっとスリル。
証拠隠滅その1
定番のニンニクと鷹の爪+ローズマリーで匂い消す作戦。オリーブオイルでくちゅくちゅ。ここにイカわた、いか墨、切ったゲソとヒレを入れて、くちゅくちゅ。
すみません。ここ写真撮り忘れ。
証拠隠滅その2
毒を以て毒を制する。アンチョビ入れて、匂いを覆い隠す作戦。すみません、ここも写真撮り忘れ。
証拠隠滅その3
玉ねぎみじん切り加えて、匂い消し。
水分出なくなったところで米投入。透き通るくらいにかるく油馴染ませて。
証拠隠滅その4
ここに白ワインどぼどぼっと入れて、強火で一気に飛ばしてアルコールと一緒に匂い飛ばす作戦。
あとは、煮詰まりそうになったら水加えて、を繰り返して、アルデンテのちょっと手前くらいまで煮詰めて塩胡椒で味付け。ワタの匂いはしなくなったので、証拠隠滅成功?!
味見たら、少しコクがたりないかな〜、ワタが少なかったのと、墨も少なかったし。と、パスタとリゾット両方あたたかいまま出すのは腕4本必要なので、チーズちょろっとすりすりしてオーブンで焼くことに。180℃で15分くらい。
ローストビーフ
コース料理でパスタってスープの位置付けだからメインがいる、とkaorinaさんからお教えいただいて。普段は経済事情で(笑)パスタだけですが、最近外食もしにくいし、ちょっと豪華に、との企画の稟議(?)が通ったので(笑)。
風味漬けはローズマリーとニンニク
お肉に軽く塩胡椒。ぶすぶす穴開けて、ニンニク刺して。ローズマリーぺたぺた貼って、オリーブオイルまぶしてラップ。2時間くらい室温でおやすみいただいて。
あ、凧糸は初めから縛ってありました。
フライパン熱して、表面焼き締めて。
いい感じで焦げ目がついたら、耐熱袋に入れて、空気抜いて、65℃のお湯にドボン。あとは人間低温調理器で2時間くらい。温度計時々確かめて温度さがったら火をつける、の繰り返し。今回、時間がなかったので、焼いて休ませて、を繰り返す余裕はなく。
お肉焼いたフライパンに、白ワイン入れて、煮詰めてから醤油入れてひと煮立ち。
からしとバターちょろっと入れてソースに。。。ここも写真撮り忘れ(笑)。
前菜
これまた鯛のサクがお安くなってて。またまた飲食店大変なんだろうなぁ、と。漁師さんも煽り受けていそうで。買って差し上げるぐらいしかできることありませんが。そぎ切りにして、軽く塩して馴染ませてからオリーブオイルぺたぺた塗って30分くらい冷蔵庫でおやすみ。レッドペッパー、軽く潰してぱらっと。プランターのラディッシュ、一個だけ食べられるようになってたので、薄切りにして添えて。
全役者揃い踏み
前菜 鯛のカルパッチョ
パスタ&リゾット
トロフィエのジェノベーゼ 炙りイカ添え
イカのリゾットのオーブン焼き
ローストビーフ 醤油と芥子のソース
デザート
買ってきたケーキ。かなり早めのクリスマスの感じ。
証拠隠滅はイカに?
今日のお料理、星いくついただけますでしょうか?
”星二つ半ね。イカのワタ使ったでしょ”
証拠隠滅失敗。匂いはしなかったんだけどな〜。嗅覚のレベルが違うのかしらん?それとも見られてたかな〜。で、執行猶予付き観察処分。またしばらくサク以外のイカ買えないかも(泣)。
イカ、軽く直火であぶるの、いけてます。甘味が増して、硬くもならず。
ジェノベーゼとの相性も良い感じ。そのままでも、混ぜて食べても。
ローストビーフは、少し火入れすぎかな〜、のぎりぎりでしたが、旨みがでてたので、よしということで。
リゾットのオーブン焼きは、ちょっとイカが足りなかった感じ。ヤリイカのゲソ、小さかったし。山のものと海のものを合わせてはいけない、というイタリアマンマの教えに従わなかったのも×。チーズ加えて、味としては美味しくなったものの、調和を崩した感じ。イカを大きいのにするか、アンチョビ増やすか、別の魚介入れるとかした方が良いような。
イカ祭りもジェノベーゼ祭りも、楽しいです。それぞれに美味しそうで、揃える材料や好みとかが反映されてての違いもあって。もし、まだの方は全員の見てまわられるのも良いかと。
今日も最後までおつきあいいただきありがとうございました。
明日の一日も素敵でありますように。