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春と秋の共演。山菜茸おこわと焼き栃尾揚げ。
由緒貧しいご幼少のみぎり(?)、山菜、自然薯、茸、あけび、山栗とか食べてた記憶が。当時は山菜とか苦いだけでなんでこんなもんばっかり食べさせられるのか、って思ってましたが。冬のお八つは干し柿と干し芋でしたし。ほんに都会の子が羨ましかった、って今思えば贅沢かも。自然薯、1mくらい掘らないといけないからすっごい大変だけど、摺り下ろすと箸でつまんで全部持ち上がるくらい粘りが強くて、味わい深いもの。茸も天然は風味も味も濃くてさっと湯がくか網焼きして醤油たらっとするだけで、もうご飯なんぼでもいけまっせ〜、なくらい美味しかった記憶が。山栗とかはちっちゃくて、当然剥くとこんにちは、してくる輩が出てくることも多く、麻袋いっぱい剥いても、こんだけ?ぐらいになりますが、栽培栗より風味が強くて、これで栗鹿子とか作ったら絶品だったり。
で、今は昔、竹取の翁、ちゃう、のかぐや姫もかくや、な、丁寧なお料理もされると思いきや、もののけ姫を探して床下匍匐前進までされるワカナさんが初夏の頃に山の幸たくさん料理されてて、指加えてみてるしかなかったわたし。ほんにお蕎麦、ちゃう、お側に移住したくなったりしてwww。なんせ、ご近所だと、え〜、こんだけ〜でこの値段!だったので。
で、です。ででで〜ん、と出会ってしまったのでございます、な、お安めの蕨の水煮。それも水煮あるあるな、ふにゃってなくて、雪国で鍛えられただけあって風味も残っていそうな。秋田のおばこはんが作られた、かどうかは知りまへんが、お会いできたことと作り手に感謝しつつ、な今日のお料理。ま、生でないし、量もこれだけで、いつものなんてことないものですが、ご用途お急ぎでない方はお付き合いいただけるとうれしゅうございます。
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おこわの具材たち
蕨この量で、流石に筍とかこごみとかないので、山菜だけと言うわけにも行かず、騅逝かず、具や具や汝をいかんせん、って、四面楚歌ちゃうってねwww。そもそも虞美人さんに失礼やし。お迎えした蕨さまの風味の強さもわからなかったんで、ちょっと日和っての取り舵いっぱい、安全な方向へ、で、鶏と茸を加えることに。春の蕨と秋の茸の競演による饗宴。出会ったのは夏。これから始まるラブストーリー、ってなことはありまへんね。ま、相性は悪くない、ってタロット占いででてたり、したら怖いですねwww。
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牛蒡の雑味が加わると、ちょっと田舎風の鄙びた深みがでるんで好きです。
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味付けも風味の強い濃口醤油で田舎風。。。このへん、育ちがもろ出ますね〜。なんかこういうの作るとお里が知れる気がwww。ま、猟師風ということで。
山菜の風味活かしたいので、醤油の量は最低限にして。お上品に仕上げるならお肉や牛蒡はなしで、昆布出汁薄口醤油がいいのでしょうね。
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蒸して打ち水だけで仕上げるなら一晩くらい浸さないといけないんですが、なんせ、食べたい時が作りどき、が御作法のうちなので、時短の湯炊きからの蒸し上げで。
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もち米を煮汁でさっと湯炊きして、三分くらい火が通るくらい。打ち水で味馴染ませるより、均一に味が入るのと蒸し上がりが早いのはいいところ。ただ、少し柔らかく仕上がりやすいんで、水分量はちょっと注意が必要。
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もう蒸している時の香りからご馳走な感じ。ちょっと面倒でもこれがあるから蒸し物はやめられまへん。
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焼き栃尾揚げ
蕨さまが秋田のご出身なので、お隣の新潟からお供をお連れすることに。
栃尾揚げの表面をカリっとするくらいに焼いて、鰹節と醤油、味変で、葱入りの焼き味噌。
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ほんまは、お杓文字に塗って、直火で炙りたかったんですが、根性と時間がなかったんで。強火の遠火でじんわり焼かないと表面が焦げるだけになってしまいますからね〜。
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厚切りにして、鰹節ぱらっとさせて。あとはお好みでお醤油かけたり葱味噌塗って食べたりで。
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後書き
蕨、水煮なのにしっかり風味が残っていて美味しゅうございました。ワカナさんが使われていたほどたっぷりではなかったので、山菜だけで作れなかったのは少し心残りではありますが、来春まで待たずとも味わえたことに感謝です。
焼き栃尾揚げ、外がかりっ、中はふわっとしてて豆腐の風味も感じられておいしゅうございました。葱味噌でも醤油でもいい感じ。お菜に困った時なんかは便利かも。
相変わらずのまっ茶色。ほんに茶(色)道料理師範代見習いの丁稚の面目躍如な感じで。なんかもう、遺伝子に組み込まれているというか、もう体に染み付いているんでしょうね。”はっはっはっ、逃げられるとでも思っているのかね。”ってねwww。
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
明日も素敵でありますように。
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