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いよいよ冬~!さて冬の道路にマッチしたタイヤは?

いよいよ冬到来。車を運転する皆さんは冬の道路に適したタイヤを使用していますか?


|冬の道


冬の道路は、それ以外のシーズンと異なり、路面の凍結、降雪など特徴的な道路環境にある。
その特徴を理解して運転しないとスリップ事故などの発生を誘発することになるから要注意。

|放射冷却現象

放射冷却(ほうしゃれいきゃく)現象とは、物体が外に熱を出して冷える現象で、夜間に気温が下がる原因としてよく知られており、とくに冬の季節に起きる路面現象でもある。

放射冷却現象の仕組みは次のとおり。
地球は太陽光を受けて熱を得ているが、赤外線という目に見えない光として熱を宇宙空間に放出している。
太陽光線と地球から放出される赤外線とのバランスが保たれているため、地球が熱くなりすぎない。

一方で、晴天で風が弱い夜間は、地面の熱が雲に邪魔されることなく上空へどんどん逃げていくため「冷え込み」という状態が生じるのだ。
そしてその結果、路面の表面の水蒸気が冷やされ路面のアスファルトなどの表面の凹凸に着氷する現象ことにがある。

路面について凍結するといわゆる「ブラックアイスバーン」となり、見た目は凍結している様子ではなく、路面が黒っぽく、また太陽光などが反射して光って見えたりするのだ。
しかし車がその上を走行すると、タイヤと路面との摩擦係数が下がり、いわば氷上を走行しているような状態、つまりスリップ状態になるのだ。

|路面状況に合わせたタイヤの選択を

冬道における運転には、路面状況に応じたタイヤの選択が必須。
冬の道路は、乾燥路面だけではなく、凍結、積雪などがあり、降雪時でも雪の降り始め、圧雪、凍結など様々な状態が路面上に生じている。

そのため、本来なら、それぞれの状態に応じたタイヤの選択をすることが望ましいとされている。
とはいえ路面の状態を勘案して何本もタイヤを交換しながら使用することは困難である。
そのため冬の道路にはタットレスタイヤを使用するのが一般的とされてきた。

|スパイクタイヤからスタットレスタイ ヤへ

過去においては冬は「スパイクタイヤ」が主力商品であった。
しかし粉塵や公害防止の観点から、法的な規制が行われるようになり、スタッドレスタイヤに変わってきたのだ。

スタットレスタイヤは、凍結道路、圧雪道路、降雪時など様々な状態に対応している。
雪の降る冬の道路はもちろん、雪は降らなくても路面の表面が放射冷却現象によって凍結するような道路においてその効果を発揮する製品である。

|オールシーズンタイヤ

そのような中最近使用されているのがオールシーズンタイヤだ。
その名のとおり「春・夏・秋・冬のオールシーズン対応」のタイヤともいえるもので、このタイヤ一本で通せるということで最近では結構普及しているという。

オールシーズンタイヤは、圧雪・凍結の路面には弱く効果があまりみられないということだ。
雪の降り始めや湿潤状態などにおいては、オールシーズンタイヤでも効果があるものの、凍結したり圧雪状態においては、ノーマルタイヤなどに近い状態で滑りやすいといわれている。

ではオールシーズンタイヤはどういう場所、路面状況に対応するのかというと、たまに雪が降るがあまり雪の量は降らないような地域、年に1・2回程度しか雪が降らないような地域で使用することができる。

例えば、雪が降り始めたがとりあえず職場から自宅まで帰宅するとか、余り好ましくはないが降雪中にちょっと買い物などの所用を済ませるというような短時間のニーズの場合には使用可能といえる。

つまりノーマルタイヤよりは効果があるがスタットレスタイヤほどは雪道や凍結道路などでは効果が無いということだ。

ただ降雪量の少ない地域においては、ノーマル(夏用)タイヤとスタットレスの二種類を所有して時期に応じてタイヤを交換するという手間をかけなくても済むというメリットもあるのだ。

|交通規制とタイヤ

「スパイクタイヤ」「スタッドレスタイヤ」「オールシーズンタイヤ」などは「スノータイヤ」といわれている。

スノータイヤは、ノーマルタイヤとは性能・交換時期などが異なっており、またスノータイヤという分類のタイヤでも、その使用目的・性能などが異なる。

使い方を誤ると大きな事故に発展することもあるので、季節や道路環境に応じて選択し使用することが大切だ。

高速道路や有料道路はもちろん、一部の道路では、降雪状態、凍結状態などにより冬用タイヤ規制やチェ-ン規制などの交通規制がかかることがある。

冬用タイヤ規制の場合には、スノータイヤは通行可能。
ただしチェーン規制の場合には、全すべてのタイヤについてチェーンの装着のない車両は通行が不可ということになるので、スノータイヤやスタットレスタイヤもチェーンの装着が必要になる。

出典:スバルHP https://www.subaru.jp/afterparts/tire/elementary/basic/07.html

なお、スノータイヤといわれるためには、タイヤの側面(サイドウオール)写真のようなスノーマークが記載されており、このマークのあるタイヤは冬用タイヤ規制のある場合にも走行することがOKである。
オールシーズンタイヤを購入する場合には念のためこのマークが付いているかを確認し、スノーマークが表示されている製品を使用するとよい。

スノーマーク(M+Sマーク)

|おわりに

タイヤにはそれぞれ特性があり、また道路面の状態との相性もある。
使用する地域や道路・環境・天候などに配意して適切なタイヤを選定することが重要である。

冬道走行は、自分の車の特性、特に自分の車に使用しているタイヤの性能などを確認し認識しながら運転することが安全運転につながることになるのだ。

なお、オールシーズンタイヤは、スタッドレスタイヤではないので、過酷な積雪や凍結路がある環境で走行の場合には、スタッドレスタイヤを使用することが望ましい。

参考資料