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自転車もヘルメットを着用しよう!

自転車用ヘルメットは“適合マーク”付き製品を選んでと、国民生活センターが呼び掛けている。

自転車が被害者となる交通事故では、身体の損傷部位としては「頭部損傷」が最も多い。
命を守るという視点で考えると、交通事故を起こさないことが一番。
とはいえ、事故はいつ起こるかわからない。万が一の交通事故の際に被害を軽減するために最善の手段を講じておく必要があるが、その手段というのがヘルメットなのだ。


|ヘルメット着用有無別の致死率

警察庁交通局が発表した「令和5年における交通事故の発生状況について」よれば、2023年の自転車乗用中の死者数は346人。そのうち約半数の50.3%にあたる174人が頭部を損傷していた。
その頭部損傷死者のうち 「91.4%」 にあたる159人がヘルメット非着用だっとのである。

一方、ヘルメットを着用していた死者は8.0%の14人にとどまっており、その差は歴然だ。この数字は24時間以内死者数だが、実は30日以内死者数統計をあわせてみると、自転車は24時間経過後に死亡する人の割合がほかの区分よりも高く、やはりその主たる損傷部位としては「頭部損傷」である。

また、この統計では、2019年から2023年までの間で、ヘルメット非着用時の致死率は0.57%であるのに対し、着用時は0.31%と約1.9倍の開きがあるのだ。

警察庁資料

|自転車のヘルメット着用義務

2023年に施行された改正道路交通法により、自転車に乗車時はヘルメット着用が努力義務化された。

自転車を利用する者がヘルメットを着用していないと命にかかわるということから法改正が行われたが、現在のルールでは、自転車乗員がヘルメットを着用しなくとも罰則やペナルティはない。

|着用義務化が必要?

東京都が2023年に実施した都政モニターアンケート調査では、自転車利用者のヘルメット着用率向上に向けて「法令上、着用が努力義務ではなく着用義務にする」ことを求める声が 「61.2%」 に上った。

「購入しやすい価格のヘルメットの普及」(60.4%)、「折り畳み式などの持ち運びが便利なヘルメットの普及」(49.1%)など、ヘルメット自体の利便性向上への要望も多いものの、義務化を望む声は多数を占めているのだ。

|警察庁によると自転車のヘルメット着用率は?

警察庁は7月、自転車乗車時のヘルメット着用率の全国一斉調査を実施した。
結果は全国で13・5%で、2~3月に13都府県で行った調査の4・0%と比べて大きく上昇したのだが、ヘルメット着用が努力義務化された4月以降、着用する人が増えたというものの、着用率は都道府県で大きな開きがあることが分かったという。

警察庁公表データを基に作成(筆者)

|どんなヘルメットを選べばよいのか?

最近の自転車用ヘルメットは多種多様だ。
スポーティなものから、外見上おしゃれな帽子のようにみえるものなどもある。

そして数多いヘルメットだが、自転車用ヘルメットを購入する際には「SGマーク」などが貼付している製品を選ぶことが必須。

「SGマーク」は製品安全協会が定めた認定基準に適合した製品を示すもので、製品の欠陥による人身事故には最高1億円までの賠償措置が講じられている。
また、自転車用ヘルメットのJIS規格(JIST8134)に適合していることを示す「JISマーク」の貼付してある商品を選ぶとよい。

ネットショッピングなどでも多種多様なヘルメットが販売されているが、この基準に適合していない商品も目立つのだ。
基準に適合していない商品は、転倒した際にヘルメットが割れる、衝撃が減少(吸収)しないなどの例も報告されているという。

「国民生活センター」は、自転車運転者等の安全と円滑な交通流を促すため、自転車や特定小型原付に乗る際は、「JISマーク」「SGマーク」などの“適合マーク”付きのヘルメットを使用するよう注意を呼び掛けている。

|おわりに

自転車乗車時の乗車用ヘルメットの着用については、やっと努力義務になったが、命を守るためには、今後も必要性や効用、商品選択の方法などについて、引き続き消費者への周知・啓発を行うことが必要だ。
下のリンクにあるJAFの動画のように転倒した際の頭部損傷に被害軽減に大いに役立つことがわかる。

車を運転中に、万が一自転車と接触した際にも、自転車乗員がヘルメットを着用していると頭部損傷による被害の軽減が期待でき、結果として車の運転者としても助かるのだ。

罰則はないが、積極的に使用して欲しいものだ。

おしゃれヘルメットの例

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