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R5年_自殺統計を読む
前回(3/30)自殺統計をもとに概要を書きました。今回は自殺に関する年次推移についてデータをもとに読みといてみます。
|自殺の年次推移
前回も記載しているので再掲載になるが、全体を見るために掲載する。
自殺者数の推移を見てみると
・令和5年の自殺者数は21,837人で、前年と比べ44人(0.2%)減少している。
・男女別にみると、男性は2年連続で増加したが、女性は4年ぶりに減少した。
また、男性の自殺者数は、女性の約2.1倍となっている。
などの状況にある。
やはり男性が多いのだ。
昭和53年以降の推移は下表のとおりであり、平成9年ころから一旦増加し平成21年ころより減少してきた。
その後令和になりやや増加傾向を呈している(下表参照)。
![](https://assets.st-note.com/img/1720355489897-OJpgL3yvcK.png?width=1200)
|月別自殺者数の推移
月別の自殺者数の推移をみると
・令和5年の1月(1,871人)、3月(2,031人)及び4月(1,965人)の自殺者数は、直近5年間で最多となった。
・令和5年の月別の自殺者数は、3月(2,031人)が最も多く、12月(1,561人)が最も少なかった。
![](https://assets.st-note.com/img/1720355669566-55ZCbRnaEG.png?width=1200)
|年齢階級別自殺者数の年次推移
令和5年は前年と比べ、9歳以下、40歳代、70歳代及び80歳以上が減少し、その他の年齢階級は増加した。
とはいえ、令和5年中は50歳代、次いで40歳代の順で多い。
※この統計では「年齢階級」という表現をしているが、他の統計の「年齢層」と同意義である。
最も減少した年齢階級は80歳以上(120人減)であり、最も増加した年齢階級は50歳代(101人増)であった。
平成26年以降の推移は下表のとおりである。
![](https://assets.st-note.com/img/1720355769539-truelltmuu.png?width=1200)
|年齢階級別自殺死亡率の年次推移
人口10万人当たりの自殺者数の推移を比較してみると、令和5年は前年と比べ、9歳以下及び50歳代は横ばい、その他の年齢階級では死亡率は上昇していた。
最も自殺死亡率が低下したのは、80歳以上(-1.4ポイント)であり、最も上昇したのは30歳代(+0.7ポイント)であった。
年次推移は下表のとおりである。
![](https://assets.st-note.com/img/1720356109145-EbpFmzOPAD.png?width=1200)
|職業別自殺者数の年次推移
職業別でみると、令和5年は無職者が52.5%、有職者が40.6%を占めているが、年次推移をみると有職者は2年連続の増加となり、学生・生徒等及び無職者は前年から減少している。
なお、令和5年中では無職者では70歳代及び80歳代以上が多く、有職者では40歳代、50歳代が多い。
推移は下のグラフを参照されたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1720356328271-tWA9E71l4J.png?width=1200)
|自殺の原因・動機の年次推移
統計の取り方は一部変更になっているものの、令和5年は前年と比べ、経済・生活問題、交際問題及びその他の問題が増加し、家庭問題、健康問題、勤務問題及び学校問題が減少している。
なお、令和5年では70歳代の「健康問題」が最多であり、次いで50歳代の「健康問題」となっていた。
※ 自殺の原因・動機について、令和3年までは、遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・動機を自殺者一人につき3つまで計上可能としていたが、令和4年からは、家族等の証言から考えうる場合も含め、自殺者一人につき4つまで計上可能としている。
![](https://assets.st-note.com/img/1720356286277-mu7T0ZrQJt.png?width=1200)
なお「職業別原因別・動機」では無職者の「健康問題」を理由とする自殺が多い状況にあった。
また、原因・動機のうち最も減少した健康問題の内訳を前年と比較して
みると、病気の悩み・影響(うつ病)(221件減)及び病気の悩み(その他の身体疾患)(189件減)が特に減少した。
|おわりに
自殺の年次推移等については、上記記載のような状況であるが、自殺者数は年間2万人を超えている。
出生率が低下し、人口が減少している今日では病気等やも得ない場合を除き生命の炎を自ら消すということは大きな社会的損失である。
自殺防止のために、悩みや不安を抱えて困っているときには、電話やSNSで相談する方法などがある。
また、「こころの健康相談統一ダイヤル」など複数の窓口があり、厚生労働省のホームページにも連絡先が掲示されているので活用して欲しい。
<参考>
【電話相談】
「こころの健康相談統一ダイヤル」0570ー064ー556
「#いのちSOS」0120ー061ー338
「よりそいホットライン」0120ー279ー338
「チャイルドライン」※18歳までの子どものための電話 0120・99・7777
【SNS相談】
〈NPO法人ライフリンク「生きづらびっと」〉
LINE @yorisoi-chat
チャット https://yorisoi-chat.jp/
〈NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア「こころのほっとチャット」〉
LINE/Facebook @kokorohotchat
チャット https://www.npo-tms.or.jp/public/kokoro_hotchat/
〈NPO法人あなたのいばしょ〉
チャット https://talkme.jp/
〈NPO法人BONDプロジェクト〉
※10代、20代の女性のための相談を実施。
LINE @bondproject
メール hear@bondproject.jp
<まもろうよこころ>
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/