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値上げの4月

4月1日は「エイプリルフール」の「嘘」について書きましたが、今回は“値上げ“についてです。


|4月も値上げが続く

4月1日からの新年度を迎え、食品や雑貨、その他サービスなどの値上げが相次ぎます。
物価上昇は家計に直結するだけに頭が痛いですね。
昨年(2023年4月)と10月、そして今回と半年に一度のスパンでそれぞれ2,000品目を超える商品が値上げされているのです。

|なぜ値上げ?

値上げの背景には、政府主導による「賃上げ」、「物流・輸送コスト」、「円安による輸入コスト」などが大きく影響しているという。

企業が、国の賃上げ施策に対応して賃金を上げようとすると、自ずと商品等の値上げをしないと企業活動を維持できないことになるのだ。
ザックリいうと、企業が生き残るため「利益」を生むためには
 「売上げ」-「管理費」=「利益」
という構図の中でバランスをとることが必要なのです。

|管理費の膨張への対応は販売単価引き上げ?

賃上げや輸送コストなどは「管理費」に大きな影響を与えますし、原材料などの値上げ(これも原材料を製造販売する企業の管理費の高騰の影響かも)と相まって一層管理費が膨らむことになります。

もちろんその他の要因もいろいろあるのでしょうが、結果として「管理費」が膨むと「売上げ」を上げないと「利益」が減少することにつながるので、どうしても販売価格(単価)に転換することになるのですね。

|賃上げと値上げのバランス

賃上げと物の値上げとの好循環が生まれれば、日本の経済にはプラスに働くことになるが、一方で必ずしも所得が上がるかというと多くの中小企業等ではなかなか賃上げもままならない。
またトラック運転手や建設業者従事者、医師などこれまで働き方改革のなかで残業規制が緩和措置で適用時期が延長されてきたが、この4月から規制が強化され、これまでのように残業ができなくなり、結果として労働時間の短縮による実質賃金の減額になる可能性があります。

企業にとっては運転手等の交代要員の配置や作業員不足などにより手配などの負担が増大するかもしれません。

|予定されている値上げ

この時期の値上げについては、2,800品目余り、平均の値上げ率はおよそ23%だという(引用:帝国データバンクの資料)。
去年4月の約5,400品目に比べると大幅に減少したものの、今後は円安に伴う輸入コストの増加や賃金の引き上げによる人件費の増加を販売価格に転嫁するそうです。

4月以降に値上げを予定しているのは、食品メーカー195社が価格を引き上げる商品は2806品目に達するという(帝国データバンクのデータ)。

代表的なものは以下の通り
○ 電気料金・・再生エネルギー賦課金が2年ぶりに引き上げ。一般家庭で月額500円程度
○ 加工食品・・日本ハムなど食肉大手4社がハムやソーセージを値上げ。日本ハムは最大27.6%、伊藤ハムは最大25%を予定
○ 家庭紙・・・トイレット紙やティッシュ類を大王製紙、王子ネピアは10%以上、日本製紙クレシアは5~10%
○ ウィスキー・・国産をサントリーは最大2.3倍、アサヒビールは最大62%
○ 宅配料金・・・ヤマト運輸(2~15%)、佐川急便(平均7%)が。
○ 調味料・・キッコーマンはトマト調味料7~15%、デルモンテトマト調味料5~23%
○ めんつゆ等・・にんべんでは約5%、かつお節等は約10%
その他、
○ ハウス食品・・・一味唐辛子など20~30%程度
○ 味の素AGF・・インスタント珈琲20~30%       
○ 不二家・・・・菓子製品5~12%

となる模様です。
昨年の4月以降の一年間で見ても合計すると約1万件の食品等が値上げをした(一部未実施)ことになるから家計は大変なことになります。

|高齢者へ影響

高齢者への影響も大きいですね。
高齢者のみの家族の場合、年金で生計を維持している状況にあるが、実質的には年金は値上げになりません。むしろ年金制度改革で減額されて、一方で介護保険や国民健康保険税などが引き上げられているのです。

つまり、一層年金暮らし家庭にとっては、生活に余裕がなくなるという構図なのです。

定年の延長などで働いているうちは良いが、特に70歳過ぎの高齢者は再就職、アルバイトなどで働く場所もなく、年齢とともに時給などもどんどん下がっています。
それでも働く場所があればまだ良いのですが・・・・。
働くこともままならない中で、ものの値段が上がると、まさに実入りがなく負担が増大することになります。

|おわりに

以上のようにいろいろな事情はあるでしょうが、この一年で約1万品目の商品等が値上げされる(た)ことになります。
この2年程度、便乗とまではいいたくはないが、値上げが日常的に行われてきた感があります。値上げが常態化になることは避けたいですね。
大変厳しい中ですが、一日も早く安定した経済リズムが回復することを期待します。

(筆者撮影)






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