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令和5年の労働災害発生状況
労働災害、いわゆる労災事故はコロナが明けた昨年は過去最低となっているようですね.
令和5年の労働災害発生状況の概要について記載します。
|労働災害の発生状況
先般厚生労働省が公表した「令和5年中の労働災害発生状況」について記載します。
記載のデーターは、特に指定のない場合には厚生労働省が公表したデータを用いています。
|概要
令和5年1月から12月までの新型コロナウイルス感染症のり患によるものを除いた労働災害による死亡者数は755人(前年比19人減)と過去最少となりました。
一方で、休業4日以上の死傷者数は135,371人(前年比3,016人増)と3年連続で増加しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1724930372581-CakvnOGxbT.png?width=1200)
また、新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害による死亡者数は4人(前年比13人減)、死傷者数は33,637人(前年比122,352人減)でした。
※ 新型コロナウイルス感染症のり患によるものを含めた労働災害による死亡者数は759人(前年比32人減)、休業4日以上の死傷者数は169,008人 (前年比119,336人減)。
以上のような状況だが、新型コロナウィルス感染症の影響によるリモ-ト勤務や様々な働き方改革等により労働形態が変わってきたこともあり、大きな災害による死傷者数(休業4日以上)は3年連続しているものの、全死者数は過去最低となっています。
すなわち、上記の表のように死者数は減少しているものの、休業4日以上の死傷者数は増加しているという傾向であり、負傷者数の増加が読み取れます。
|業種別事故労働災害発生状況(確定値)
労働災害について業種別事故の内容別に労災発生状況をみてみると、陸上貨物運送事業(22.2%増)、第三次産業(5.6%増)の増加が認められた。
また、休業が4日以上の死傷者数では、社会福祉施設(9.9増)などが顕著である。
業種別では、件数の多い順に、製造業27,194人(対前年比500人・1.9%増)、商業21,673人(同29人・0.1%減)、保健衛生業18,786人 (同1,549人・9.0%増)、陸上貨物運送事業が16,215人(同365人・2.2%減)となった。
![](https://assets.st-note.com/img/1724925358621-gGCqe9XwJF.png?width=1200)
|事故の型別
事故の型別では、件数の多い順に、「墜落・転落」が204人(前年比30人・12.8%減)、「交通事故(道路)」が148人(同19人・14.7%増)、「はさまれ・巻き込まれ」108人(同7人・6.1%減)となった。
一方休業4日以上の死傷者数は135,371人となり、3年連続で増加となった。
事故の型別では、件数の多い順に「転倒」が36,058人(前年比763人・2.2%増)、腰痛等の「動作の反動・無理な動作」が22,053人(同1,174人・5.6%増)、「墜落・転落」が20,758人(同138人・0.7%増)となった。
転倒災害の死傷年千人率は、0.628(対前年比0.009ポイント・1.5%増)となった。
転倒による平均休業見込日数は、48.5日(同1.0日・2.1%増)となった。
60歳代以上の死傷年千人率は、4.022(同0.061ポイント・1.5%増)となった。
![](https://assets.st-note.com/img/1724970375639-GRhyyCArEH.png?width=1200)
|第14次労働災害防止計画のアウトカム指標に関する状況
転倒災害の死傷年千人率は、0.628(対前年比0.009ポイント・1.5%増)となった。
転倒による平均休業見込日数は、48.5日(同1.0日・2.1%増)となった。
60歳代以上の死傷年千人率は、4.022(同0.061ポイント・1.5%増)となった。
外国人労働者の死傷年千人率は、2.77(同0.13ポイント・4.9%増)となった。
陸上貨物運送事業における死傷者数は、16,215人(同365人・2.2%減)となった。(再掲)
建設業における死亡者数は、223人(同58人・20.6%減)となった。
製造業における機械による「はさまれ・巻き込まれ」の死傷者数は、4,908人(同23人・0.5%増)となった。
林業における死亡者数は、29人(同1人・3.6%増)となった。
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001099504.pdf
|中期計画である「第14次労働災害防止計画」
労働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第14次労働災害防止計画」(以下「14次防」という。)(令和5年度~令和9年度)では、
令和9年までに令和4年比で「建設業及び林業においてそれぞれ死亡災害を15%以上」、「製造業における機械によるはさまれ・巻き込まれの死傷者数を5%以上、陸上貨物運送事業の死傷者数を5%以上」
減少させること等を目標にしている。
なお、計画の第二年度となる令和6年度は、目標の達成に向け、労働者の作業行動に起因する労働災害対策、高年齢労働者、多様な働き方への対応や外国人労働者等の労働災害防止対策、陸上貨物運送業、建設業、製造業や林業への対策、労働者の健康確保対策、化学物質等による健康障害防止対策などに取り組んでいくことにしているという。
|おわり
このページでは労働災害の概要について記載しましたが、昨年はコロナウィルスの影響もあり、死亡者数は755人(前年比19人減)と過去最少となり、一方、休業4日以上の死傷者数は135,371人(前年比3,016人増)と3年連続で増加するということになりました。
労働災害は一件でも一人でも被害を減少させることが望ましいことはいうまでもありません。
それぞれの企業において、労災事故発生要因をしっかり分析把握して、事故の起こらない環境を作ることを祈念したい。