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道路標識・道路標示は・・

道路交通の場には多くの道路標識や路面標示が設置されている。これらの標識等の設置目的や誰が設置しているのかなどその概要を読み解くことにする。


|道路標識・標示とは

道路標識、区画線及び道路標示に関する命令により定められた道路標識や道路標示などのこと。
道路標識は、道路の傍ら若しくは上空に設置され、道路利用者に必要な情報を提供する標示板であり、道路標示は、路上面に白や黄色などの塗料を用いたライン等で情報を提供するのだ。
交通規制の内容や危険箇所への警戒喚起、通行方法等の指示、案内などを行うことで、交通事故の未然防止や交通の円滑化などを図るために設置される。

|「道路標識」の始まりは?

道路標識は、大正11年に内務省令「道路警戒標及ビ道路方向標ニ関スル件」が制定されたことから、全国統一的な形で設置されるようになった。
それ以前は官公署が設ける「制礼」という立札が使われ、様式や意味等もまちまちだったのだ。 

「制礼」のイメージ(筆者作成)

|道路標識の種類は?

道路標識の種類は、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」(いわゆる「標識令」)で定められており、
 案内標識
 警戒標識
 規制標識
 指示標識

の四種類に分類されている。

|道路標示の種類

道路標示の種類なども標識令によって決まっており、
 規制標示
 指示標示

の二種類に分類されている。

規制標示は禁止制限を示すものなので「黄色」を、指示標示は「白色」を用いることになっている。

|任意の標示もある

道路標示はすべて標識令で定められているかというと、実は前記の二種類の法定標示だけではなく、法定外の標示もある

法定外の標示としては
・スピード抑止のための減速標示
・交差点内における直進と右折車両との事故防止のための誘導標示
・裏通り事故防止のためのクロスマーク
・路面のカラー標示化
・交差道路の注意喚起標示
・自転車通行指導マーク(矢羽根、自転車のピクトグラム等)
など、交通事故防止等のために施されている路面標示がある。

法定外標示例(警察庁通達より抜粋)  

※参考
法定外標示に関する警察庁通達
https://www.npa.go.jp/laws/notification/koutuu/kisei/kisei20230317_3.pdf

|道路標識や道路標示の設置者

標識令に基づく標識や標示については、道路管理者や都道府県公安委員会(警察)が設置することになっている。

道路管理者(国、県、市町村)は主に「案内標識」「警戒標識」を、都道府県公安委員会(警察)は「規制標識」「指示標識」を、それぞれ設置し管理することになるのだ。

また、道路標示は主に「規制標示」は都道府県公安委員会が、指示標示は道路管理者が設置し管理している。

都道府県公安委員会の事務は警察に委任されているので、実際は都道府県警察が設置の手続きや標識の点検、管理を行っている。

|壊れた標識等の補修はだれがやる

道路標識が折れたり、曲がったり、破損している場合、道路標示が消えているような場合の補修はそれぞれの管理者が行うことになる。

つまり、道路管理者(国土交通省、都道府県、市区町村等)や都道府県公安委員会(警察署)が補修の必要性等を確認し判断して実施することになる。
道路標識が樹木に隠れて見えないなどの場合も同様である。

|道路標識等に関する要望はどこに

道路標識や道路標示に関する苦情や標識を付けて欲しいなどの要望は、これを管理する
 道路管理者(国土交通省、都道府県、市区町村等)
 都道府県公安委員会(警察本部又は地元の警察署)
に行うと良い。

|おわりに

道路標識や道路標示は、車を運転したり道路を利用する際には必ず目にするものであり、交通ルール等を示しているものなので、よく理解し標示内容を順守することが大切だ。

一方、道路標識等が、適正に管理されていないとその効果も薄れ、場合によっては事故を誘発することににもなりかねない。

私たちの安全を守るために重要な道路標識等なので、利用者としての目線で、補修や設置を要望することも必要だ。

参考;道路標識、区画線及び道路標示に関する命令

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