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ネットの危険からこどもを守ろう_保護者の皆さんへ

こどもたちも自分のスマートフォンを持ったり、学校などでもタブレットを配布し活用したりということで、年齢層に関わらず、ネット社会に参加しています。
一方、不適切なサイトなどへのサクセスした結果、犯罪やトラブルに巻き込まれる事案も発生しています。
子供達を被害に遭わせないために保護者として何をすれば良いのか、ちょっとひもといてみます。


|インターネット利用に関する調査結果

進学・進級などをきっかけに、スマートフォン等が欲しいとこどもせがまれている、親としても連絡用にスマホを持たせたいと思っている家庭は多いかもしれませんね。
近年、自分のスマートフォンを持つこどもの割合は増加しています。

こども家庭庁が実施した「令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、
 自分専用のスマートフォンを使っている割合は、
  小学生で70.4%、中学生で93.0%、高校生では99.3%
に達しています。

小学生の70.4%にはちょっと驚きですね。
学齢別が見当たらなかったのですが、気になるところです。

このように自分専用のスマートフォンをこどもが持つようになると、保護者としては、自分のこどものスマートフォン等の利用状況が気になるところですが、保護者の方はきちんと把握しているのでしょうか?

➤ スマホ等の利用目的
先ほどの調査結果によると、青少年のインターネットの利用内容は、
○ 高校生:「動画を見る」(95.8%)、「音楽を聴く」(93.2%)、「検索する」(91.0%)
○ 中学生:「動画を見る」(94.1%)、「ゲームをする」(87.5%)、「検索する」(85.5%)
○ 小学生:「動画を見る」(90.5%)、「ゲームをする」(87.5%)、「検索する」(72.8%)
がそれぞれ上位を占めています。

➤ インターネット平均利用時間
一日のインターネット平均利用時間
○ 高校生:374.2分
○ 中学生:282.1分
○ 小学生:226.3分
であり、1日3時間以上インターネットを利用する青少年の割合は、
 高校生:81.4%、中学生:71.8%、小学生:57.3%
となっています。

➤ 目が届きにくい?
上記のようにかなり長い時間インターネットを利用している実態に鑑みると、スマートフォンでのインターネット利用は、家庭以外の場所でも行われていますよね。

つまり保護者の目が届きにくい場所で利用されているのが実情ではないでしょうか?
そのため、こどもがインターネット上でトラブルや問題行動があっても、保護者が気がつかないことがあります。

|インターネット利用に潜む危険とは?

インターネット上には、役立つ情報がたくさんあるが、一方で、暴力的な表現やアダルト画像などの悪影響を及ぼす不適切な情報も数多くあります。

また、メールやインターネット掲示板、SNSなどのコミュニティサイトも、その利用方法を誤ると、自分が気付かないうちに見知らぬ人に個人情報を知られてしまったり、犯罪に加担してしまうなど、様々なトラブル等が生じる危険があります。

 <こどものスマートフォン利用に関するトラブル等の例>

➤ 書き込みやメールでの誹謗中傷やいじめ
SNSなどで人の悪口を書き込むなど、インターネット上での人権侵害やいじめが発生し、被害に遭ったこどもが不登校となるなどの事例も発生しています。

➤ SNSなどに載せた個人情報の流出
SNSなどに安易に個人情報を記載したために、写真や名前、メールアドレスが知らないところで勝手に使われ、嫌がらせを受ける被害が発生しています。

➤ SNSを通じて知り合った人からの誘い出しによる性的被害
最近は、出会い系サイトではなく、SNSやゲームサイトなどで知り合った人からの誘い出しを受けて、こどもが性的被害を受けるケースが増えています。
令和5年(2023年)にSNSに起因する犯罪被害にあったこどもの数は1,663人となっています。
資料:警察庁「令和5年の犯罪情勢」

➤ 注意が必要な無料ゲームサイトでの意図しない有料サービスの利用
「無料」とうたっているオンラインゲームで遊んでいる間に、アイテムが有料であることに気付かず購入してしまったため、高額の料金を請求されてしまうトラブルが、こどもたちの間で多く発生しています。

➤ 「闇バイト」等情報によりアルバイト感覚で犯罪に加担
「高額バイト」、「即日即金」などの文言を用い、SNSで強盗・特殊詐欺等の犯罪の実行犯を募集する手口があり、こどもが重大な犯罪に加担する危険があります。

こどものインターネットトラブルの事例について詳しくは
こちらへ ⇒ 総務省「インターネットトラブル事例集」

|ネットの危険からこどもを守るために保護者が知っておくこと

こどもたちが安全に安心してインターネットを利用するために、保護者が知っておきたいことなど、総務省のHPより転載します。

(1)ペアレンタルコントロールを活用する
ペアレンタルコントロールとは、こどものスマートフォン等の使用状況を保護者が把握したり、安全管理を行ったりする仕組みで、OS事業者、アプリ開発事業者からサービスが提供されています。例えば、こどもがスマートフォン等でゲームをプレイする場合、保護者のスマートフォンでこどもの日々のプレイ状況を確認したり、プレイする時間や時間帯の調整、課金の制限等を行ったりすることができます。こどもの使用状況に応じて上手く活用しましょう。

(2)フィルタリングを利用する
不適切な情報や危険な出会い等を防ぐために、フィルタリングを賢く利用しましょう
こどもがスマートフォン等を利用する際には、不適切な情報へのアクセスを制限する「フィルタリング」を活用しましょう。うっかり、あるいは故意に危険なサイトにアクセスしないようにコントロールしてくれる便利な機能です。それによって、出会い系サイトやアダルトサイト、暴力的な表現のあるサイトなどを、こどもが閲覧できないようにします。
なお、携帯電話会社では、18歳未満のこどもがスマートフォン等を利用する場合には、フィルタリングサービスについての説明や設定を行っています。こどもの年齢や使い方によりレベル設定ができ、利用したいサイト、SNS等の個別設定もできますので、上手に使ってこどもの安全を守りましょう。

(3)ルール作り
家庭のルールをこどもと一緒に作り、成長とともに少しずつ見直していきましょう。
実社会でやってはいけないことは、インターネット上でもやってはいけません。こどもがスマートフォン等で上手にインターネットを活用できるようにするために、家庭のルールを作りましょう。
ルールづくりは保護者の一方的に押し付けではなく、こどもと一緒になって、利用目的や利用場所・時間帯を話し合ってルールを決めることが大事です。また、そのルールは、成長とともに少しずつ見直していくことが必要です。
それから、インターネットやSNSなどを利用する際のルールやマナーを守る習慣を身に付けさせましょう。
スマートフォン等の利用状況については、こどもと折に触れて話し合い、問題がないか確認してください。万が一、トラブルが生じたときには、こどもが一人で抱え込まず、すぐに保護者に相談するよう、普段からこどもと話しておきましょう。

ルール作り
・名前や顔写真、学校名などは書き込まない。
・友達にメールやメッセージのやり取りを強要しない。
・利用する場所や時間を決める。
・パスワードは親が管理する。
・トラブルの時はすぐに保護者に相談する。

|おわりに 

以上、政府広報オンライン「ネットの危険からこどもを守るために保護者が知っておきたいこと」から抜粋しながらちょっとひもといてみました。
それにしてもスマートフォン等を小学生から高校生までの所持率が余りに高いこと、またインターネットへの接続時間数など驚く調査結果でした。

このように利用率が高いと、トラブルや犯罪などの問題行動に発展するおそれのある利用も少なくないのではないかと心配してしまうのは私だけではないと思います。

保護者の皆さんには、ペアレンタルコントロールやフィルタリングを利用するなど保護者として必要な安全管理を行う責務が生じてきます。
しっかり対応してこどもの安全を守りましょう。

<参考>
こども家庭庁「青少年の安全で安心な社会環境の整備」
警察庁「ネットには危険もいっぱい」[PDF:2.51MB]
総務省「インターネットトラブル事例集」 
総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」