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大雪が予想されるときの「予防的通行止め」
あまり聞き慣れない「予防的通行止め」。
今シーズンは何回かあるかもしれないですね。あらかじめ国土交通省と気象庁の発表に注意しましょう。
ということで今回は「予防的通行止め」についてちょっとひもときます。
|予防的通行止め」とは
昨今、大雪による立ち往生などが、高速道路や国道等において発生して、道路利用する運転者の生命に関わる事案が何件か発生しています。
そこで、大雪が予想される気象状況のときで、大雪の影響により立ち往生などの発生が予想される道路の区間を、予防的にあらかじめ通行止めにすることにしたものです。
そして、通行止めをしている間に集中的に除雪作業を行い、立ち往生の発生を防ぐことにしているのです。
|具体的な区間は
対象区間などは、国道や高速道路会社などによって、個別に検討され、気象状況や過去の渋滞、立ち往生の発生状況などを勘案して決めることにしているようです。
国が管理する道路においては、大雪時に急な上り坂で大型車等が立ち往生しやすい場所等を選定し、集中的・効率的に優先して除雪を行う区間を選定しているようです。
例えば、令和6年度は、全国で244区間(約3,600km)をあらかじめ選定しており、気象状況に応じて予防的通行止めを行うことにしています。
|過去の課題を踏まえた予防的通行止め規制
一例ですが、首都圏の場合だと、2024年2月5日の大雪では、関東甲信越の高速道路や国道などで予防的通行止めが行われ、クルマの大規模な立ち往生が防げたということがありました。しかし一方では、周囲の道路に渋滞が発生するなどの課題も残ったことは記憶に新しいところですね。
そこで、道路管理者や自治体などで構成する「首都圏における冬季道路関係者会議」を設置して大雪になどへの対策を検討してきたという。
この冬の大雪時の基本的な考え方して、高速道路会社と周辺の道路管理者が連携をして予防的通行止めを行うことにしたため、高速道路会社は、躊躇(ちゅうちょ)なく、あらかじめ予防的通行止めを実施することができるようになったようです。
そのため結果的に降雪がなかったり、少なかったりする場合でも、予防的通行止めを行う場合があるといいます。
また過去においても人命に関わるような大渋滞、立ち往生が発生した例があります。
〇 2020年、関越道の月夜野IC(群馬県)から小出IC(現:魚沼IC・新潟県)にかけて(約70kmの区間)、2000台以上が立ち往生して、通行再開までに48時間以上を要した事案。
〇 2022年1月、大雪警報が発令されるなか、首都高横浜北線の新横浜出入口で大規模な立ち往生が発生。これも横浜青葉方面からの上り坂でスタック車(積雪が多く雪にタイヤがはまり、前にも後ろにも進まなくなった車)が続出したことが原因であった事案。
また、同日、都内の首都高各地で同時多発的に立ち往生が発生。台場線のレインボーブリッジや中央環状線でも、やはり坂を登れない車で数十台以上が立ち往生し、中央環状線では解消まで14時間を要した事案
などです。
|大雪のおそれの緊急発表
大雪のおそれがあるとして、気象庁と国土交通省が「不要不急の外出を控えて!」と緊急発表などで呼びかけている場合には、災害や大規模な立往生が起きるおそれがある時で要注意です。
単に天気予報の大雪情報ではなく、気象庁と国土交通省の「合同」呼びかけの場合には特に注意を要するときです。
まさに立ち往生等が予想されるほどの大雪が予想されるところであり、予防的通行止めを行う可能性があるときといえます。
|通行止め規制が行われる可能性あるとき
大雪が予測される際には、国土交通省・気象庁の「大雪に対する国土交通省緊急発表」が行われます。
また、高速道路の降雪予測が除雪能力を超える場合や高速道路に並行する国道などと同時に通行止めをする場合は、高速道路の「予防的通行止め」を行うこととしており、「予防的通行止め」をしたのち、集中的な除雪により早期の交通確保を目指しているそうです。
例えば、NEXCOの例では、「予防的通行止め」の可能性がある場合は、降雪の3日前から「通行止めの可能性」などの情報を当社Webサイト、i-Highway(リアルタイム交通情報)やSNS(当社公式Twitter)のほか、テレビ、ラジオなどを通じて情報発信しているので、こまめに確認するとよいでしょう。
|命を守る
大雪予測時には、人命を守るため、不要不急のお出かけを控えるとともに、気象予測や最新の道路交通情報のご確認をはじめ、広域迂回のご検討や運行計画の見直しなどが必要です。
参考資料