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AMラジオ放送がなくなる?

ご存じでしたか?


|AM放送からFM放送に

総務省は有識者会議の提言を受けて、AM放送からFM放送に転換、もしくは両放送を併用可能とする制度を設けるという。

そして、現在AM放送を行うラジオ47局のうち44局が2028年めどにFM放送への検討を進めているという。

そして、放送事業者は、AM放送の終了による細かな影響について、2024年2月1日~2025年1月31日までの試験的な休止期間を利用して検証することとしているという。

そういえば、ここ数年FM補完局(いわゆる「ワイドFM」)ということで、AM放送局がFM放送局を開設してAM放送の番組を放送している。

|AM放送とFM放送の違いは?

ラジオには、AM放送とFM放送があるがその違いや特徴・概要は?
アマチュア無線などをしている人は理解しているとは思うが、簡記すると以下の通り。

○周波数帯の違い
AM放送は、中波放送といわれる「526.5~1606.5kHz」の周波数を使用、
FM放送は、超短波放送といわれ「76.1~94.9MHz」の周波数を使用するラジオ放送(ワイドFMを含む)。

変調方式の違い
音声通信(ラジオ等)において、音声信号を電波として送信するために必要な信号変換方式であるが、AMとFMでは異なり
 AMは「振幅変調」という方式を、FMは「周波数変調」という方式を
をとっている。
電波の波形も下の資料のように異なる。

総務省資料転載

○AM放送の特徴
AM放送は、音波を広い範囲(長距離範囲)に安定して飛ばすことができ、障害物などの影響を受けにくい。振幅変調方式なので鉱石ラジオといわれる比較的簡単な受信装置での受信が可能であり、電源なしイヤホンで聴くことができるため災害時等に便利な放送となっている。

一方で、混信やノイズが入りやすい、音質が悪い。
また周波数が低いので波長が長い(約500m)ことから、AM放送局のアンテナは大型で広い敷地を必要とするなどコスト面での負担が大きくなる。

○FM放送の特徴
FM放送は、雑音の影響を受けにくく高音質で臨場感のあるステレオ放送を楽しむことができるので音楽中心の番組が多い。実際にAM放送に比べても音質が良いことを理解できる。

一方で周波数が高く波長が短い(約4m)ので、アンテナが小型で建設・維持管理コストがAMに比べて低い。
また電波の到達範囲は、AM放送に比較して短距離になる。
電波の特性として回り込みにくいので山影などでは聞こえにくく、建物の内部などで聞こえやすいと言われている。

総務省資料転載

|AM放送が終了する理由は?

総務省によると、「設備更新や維持にかかるコストによるもの」とのこと。AM放送の設備更新にかかるコストを削減することなどを目的として、遅くとも2028年(令和10年)再免許時までにAM放送事業者は、段階的にAM放送からFM放送への転換やあるいは両放送の併用を進めているという。
出典:総務省「AM局の運用休止に係る特例措置」

|AMラジオ放送を休止?

 民間AMラジオ放送事業者がFM転換やAM局廃止を検討することに当たり、一定期間(2024年2月1日~2025年1月31日)内においてAMラジオ放送を休止し、その社会的影響、特に聴取者への影響を検証するために、民間AMラジオ放送事業者の経営判断により行われるもの。

|休止を予定する事業者は?

休止を予定しているのは、放送事業者は13社、AM局数は34局であるという。
一斉に休止するのではなく、特例措置が適用されるAMラジオ放送事業者が住民への周知広報や問合せ窓口の事前運用が行われ、2024年2月1日以降、順次AMラジオ放送の運用休止するという。

休止時期、期間は、休止するAMラジオ放送事業者によって異なるので、当該AMラジオ放送事業者のHP等を確認するとよいでしょう。

|個人的には・・

子どもの頃から鉱石ラジオを作ったり、AM放送に親しんできた一人としては、ちょっとさみしい。

また、ワイドFMに切り替わったとしても電波の特性から必ずしも受信感度が向上するとは限らない。
現に私の実家に行くと地元のAM放送はよく聞こえるが、ワイドFM放送は電波が弱く建物に入ったり物陰になると聞こえにくくなることもある。
放送事業者に必要な意見を提出して、受信感度が上がるよう改善を求めることも必要なのでしょうね。


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