運転免許証について
|運転免許は許可
車という危険な乗り物を運転するという行為は、「運転免許」という「許可」を受けてする行為です。運転免許は名称は「免許」といいつつも「許可」の一種なんです。
つまり、一般的には運転という危険な行為は禁止されていますが、一定の要件を満たした人、例えば年齢や運転操作技術、ルールを知りこれに従うことができる人などの要件に該当した人だけが「運転免許を持つ」ことができるのであり、運転という行為をすることが許可されるのです(許可制)。
これって、すごいことですよね。
「運転免許」という「許可」を持っている人だけが車を公道で走らせることができるという仕組み。
一方で運転免許を持った人は車を細心の注意を払って運転する責任を有するのです。
|運転免許証は公文書
運転免許証は、都道府県公安委員会から貸与される公文書なのです。
ええっ~~!貸与!
貸与って、貸し出しということですよね。
そうです。
個人の所有物ではないため、有効期限が過ぎた運転免許証は、速やかに都道府県公安委員会に返納しなければならないのです。
ちなみに風俗営業許可や、古物営業許可、飲食店営業許可などの許可証も営業の廃止などの際には返納しなければなりません。
更新手数料などを払っているので、自分の物と思っている方もいるかもしれませんね。
でも、行政法上は、行政機関が発行する公文書であり貸与になるんです。
更新の際の手数料などは更新事務の手数料などや、更新者講習などを受講するための経費などです。
「運転免許証」は、自動車の運転をすることができることを証明する許可証であり、「免許証」を買っているわけではないのです。
|運転免許証を故意に偽造・毀損すると
運転免許証が公文書であることから、これを偽造・変造・不実記載は文書偽造罪、道路交通法違反になるのはもとより、顔写真に冗談で悪戯書きをしたり、裏面の各種記載欄にメモ書き・落書きしたりするだけでも、同罪や文書等毀棄罪に問われることになります。
なお、裏面に設けられた欄に国家公安委員会の定める書面(例:臓器移植に関する意思表示シール)を任意で貼り付けることはできます。もちろん何も書かなくてもOK。
|更新手続きを受ける義務
免許証は「許可」ですが、期限の定めがあります。そのため更新の手続きがあり更新時講習などを受講しなければ「許可」が失効することになります。
また、許可という制度なので交通違反など一定の危険な行為があると、許可の停止(運転免許の効力の停止)や取り消し(運転免許の取消し)などの行政処分が行われることになります。
|「危険責任」が生じる
危険な物、この場合だと車を運転し利用する者は,その利用に伴って生じた損害の責任を負うべきだという理論があります。
これを「危険責任論」といいます。
許可を与えられた者は、社会的に有用(必要)な車という装置を使ってもいいが、万が一人に迷惑をかけたら危ないものを使っていたあなたが悪いから責任も取ってください。ということになります。
交通事故などの場合には、この危険責任論の考えが背景にもあり、「車対人や自転車」などによる交通事故の場合に、一般的に禁止されている運転行為を許可された者であり、かつ車という危険なものの責任の方が大きいといわれていますよね。
具体的は責任度合いは、いわゆる「過失割合」の話になりますので後日書きますが、過失割合は、事故の形態にそれぞれの当事者の関与の状態、過失などによって「過失割合」として比率が決まりますが、一般的には車側が高く設定されています。
続きは改めて・・