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映画の感想 SHE SAID/シー・セッド その名を暴け

世界的な#MeToo活動のきっかけとなったアメリカの映画産業でのセクハラ問題を取り上げたNew York Timesの記事の裏側を描いた映画を見てきました。

苦しい内容ですが、勇気ある人たちの姿が描かれていて、登場人物たちに惹かれる映画でした。

この映画を見て、自分が知らなかったと自覚したことは、2つ。

1つは、古い事件を取り扱う意味を知らなかったということ。
もう1つは、人に言えない苦しさを抱えるというのは、人生をめちゃくちゃにされてしまうということ。

記者たちは、10年以上昔の事件の被害者や関係者に証言してもらい、記事に載せるのですが、この映画を見るまで「古い事件が、なぜ今明るみになるのだろう?」と思っていました。
この映画では、証言者は、思い出したくもないし、話したくもないし、さらに名前をさらしての証言なんてなおさら無理すぎるという人ばかり。しかし彼・彼女らは、「古い話」でも怒りや悲しみを心の底に抱え続けています。記者から証言を持ちかけられて「今も苦しんでいる人がいる」ことを伝えられることで、勇気を持って、「今も苦しむ人を救う」ことができるかもしれない(その記事が注目されなければ終わりだが)事にかけています。社会を変えるのは、その事件の新旧とは関係がないことがわかりました。

2つ目の「人に言えない苦しさ」について。
今回の被害の性質から人に言えないのかと思っていたのですが、そうではない弁護士の動きが映画で描かれていて、それも見ていて苦しくなります。示談金などがあるけれども、それでは幸せにはなれないのです。

自分とは関係ない世界の話だと思いながら見た映画でしたが、こういう人たちのおかげで、今の私たちの世界もいろいろ変化していることを知ることができてよかったです。

公式サイトでは、実際のサバイバーがどう勇気を持って発言に至ったのかなど、動画で見れます。よかったら、ぜひ。

このタイミングで刑法改正がありました。

(写真は日本橋。日本橋で見てきたのですが、道に迷いました…)

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