ゲーム少年の相棒・変態ジョイスティック特集①
ゲーム創世記から現在まで長く使用されているデバイスの筆頭がジョイスティック。
パソコン黎明期は様々なものが発売されましたが正直使いにくいものも多かったりします。皆さんも操作が上手く行かなくて熱くなった経験ないですか?今回はあえてヘンテコな物ばかり集めてみました。
①黎明期のPCジョイスティック
パソコンのアクションゲームの操作はキーボードで行っていました。基本操作は「2」「4」「6」「8」「スペース」キー。しかし当たり前ですがキーボードはゲームには不向きの上、故障の原因にもなります。
当時よく言われたのが1984年4月に発売されたハイパーオリンピックでキーボードが破損した事例です。MSXはキーボード一体型のマシンが殆どだったので修理代もバカにならなかったでしょう。
最初期のパソコン版ジョイスティックの特徴はキーボード操作を代行するという考えから方からなのか、右側に操作部分があることです。他にもスティック部分は手を離してもセンターに戻らなかったりと、色々不都合があったりしました。
九十九電機の大ヒット商品AMP-99 1981年製。元々はApple II用でしたが様々な機種用に販売。1983年あたりまでに1万5000台以上も売れたそうです。
センタリング機構がないのでいちいち中央に戻さないといけません。剛の者のなかには輪ゴムで強引に改造した人もいたとか。外側が全金属製なのが無骨で工業製品みたいでカッコいいです。
1983年9月の九十九電機のPC8001用ジョイスティック。仕組みがよく解りませんが対応ソフトが限られていたようです。お値段9800円ナリ😱
1983年発売の九十九電機の後継機であるJOYメカ1型。広告によるとその後ATARI規格に対応して多くのパソコン用に対応。センタリング機構は搭載していますがボタンは1個だけ。ただスティックのシャフトが短くなってしまったので「ぶっさし持ち」では操作しづらそうです。この時点で1万個完売とは凄い!
人気だったのか2ボタン式のバージョンアップタイプJOYメカ2型も登場。全金属製とのことで相当重かったんじゃないでしょうか。しかしボタンが縦配列だと使いにくそう。1985年になると左手操作が一般的だったはずですが、頑なに右側で操作するタイプです。
「手作り感覚」とのコピーがいいですね。しかしコンビニエンスDOSって何なんだ🤣
パソコン用のジョイスティックで鬼門になったのがFM7。キーが離されたときが検知できないのでアクションゲームなどに不向きでした。そのため独自のジョイスティックが発売されましたが、どれも高額でユーザーは泣いていましたね。この傾向は電波新聞社がFM7用ゼビウス専用のジョイスティックを発売するまで続いていました。
これは富士音響が発売したFM7専用のジョイスティック。お値段11000円、タ、タケェ😁悪友のFM7君は「使いにくい!」とぶうぶう言っていました。でもこれしかなかったんですよ。
当時は完全なビジネス機だったPC9801用のジョイスティックコンバーターの広告も。26800円でMSXの新品が買えてしまいます。
1983年のMZ700用とX1用。二つ入っているのはお買い得だけどちょっと小さくない?
1983年のPC8801&PC8001用。センタリング機構は搭載していますがお値段9800円です。
AppleII用パドル、テンキー両用タイプ、お値段14500円。1983年当時ドル円レートは230円前後でしたからアメリカ製のAppleII製品は高額でした。
②血染めの操縦桿型ジョイスティック
現在ではフライトシュミレーター用などを除いて絶滅してしまったのが操縦桿型ジョイスティック。このタイプは安定性が悪く、太ももで固定しないとダメな上に連射が効かないという致命的な欠点を抱えていました。そのくせ何故か長い間使用され続けたのが謎ですね。
我らがパソコン少年のヒーロー「べーしっ君」が「血染めのジョイスティック」で使用していたのもこのタイプです。
米国製のジョイスティック。世界市場80%の占有実績ってホントなのかなあ。とにかく高額でした。
スピタル産業というメーカーがスイッチの位置を回転させるギミックを搭載。しかしこれがまた使いにくいんですよ。このメーカーは1985年になっても右手操作型の旧式型ジョイスティックを販売していました。
何とファミリーキングと名ずけてFC版まで発売してるんです。ファミマガの初期に掲載されていたのでご存じの方も多いのでは。「すみやかにセンターに戻り」って1986年なら当たり前だと思うんですが。
ファミコン最初期の周辺器具の上にデザインがカッコいいので騙されるガキどもが続出、被害者は多かった模様です。漫画のファミコン神拳で酷評されていたという情報も。
友達はこれでスーパーマリオをやって泣いていました😝
ゲーム用のトラックボールもかなり早くから登場していました。これは1983年のアメリカ製の商品です。日本ではHAL研究所は何故かトラックボールに異様なこだわりを見せていましたが、この辺は次回に。
③家庭用ゲーム機パッド
家庭用ゲーム機はパッドが主流でした。それぞれの機種に特徴があってどれも個性的です。パドルが多いのはブロック崩し系のゲームが多いからでしょうか。僕は近所の友達にぴゅう太ユーザーがいたのですが、このパットでゲームをやると難易度が激増しましたよ。
ゲームに特化したぴゅう太Jrや後継機ぴゅう太mk2になってもパッドの形状は変わらず。これでスクランブルとかやると激ムズです。
米国での大ヒットマシンの日本版Atari 2800はジョイスティックとパドルが一体化したタイプ。しかしこの形状は壊れやすく不評だったとか。CMは小林清志さんの担当で滅茶苦茶カッコよかったんですが😅
家庭用ゲーム機としては初めて16ビットCPUを搭載したインテレビジョンやその弟分のバンダイ・アルカディアはテンキー付属タイプ。しかしこれは子供の手に対して大きすぎて上手く操作できませんでした。デパートの展示でやりまくったので実証済みです😁
CMにはたけしさんが起用されていました。
④終わりに…まだだ、まだ終わらんよ
ゲーム自体は凄まじい勢いで進化しましたが、ジョイスティックの役割自体は殆ど変化がないように思います。それはそれだけ完成されたデバイスだということではないでしょうか。
ジョイスティックやパッドはゲーム歴が長い人ほど多数使用していると思います。ゲームマニアの部屋に遊びに行くと、パッドが山のように積まれている光景を何度も見てきました。自分の遊んだゲームを振り返って、どのパッドで遊んだか思い返すのも悪くないですよ。
今回ジョイスティックについて調べていたら、資料があまりにも莫大になってしまいました。そんなわけで本命?であるMSXの変態ジョイスティック特集は次回にお預けとなりました。もしよろしければまたお付き合いください。