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長崎市の企業交流イベントでイドバタしてきました【IDOBATA REPORT #1】

こんにちは。サイバーイドバタ・コミュニティメンバーの中村です。
2024年2月16日に、長崎市主催のイベントが開催されました。この記事では、イベントの様子を振り返りたいと思います。


実在する空間をメタバース上に再現し、そこからリアルの様子を配信するという前代未聞のイベント

今回のイベントは、参加者はオンラインのみの参加。メタバースとZoomが選択できるようにしていました。

ややこしい話になるので、詳細は割愛しますが、長崎市に実際に存在する、人や企業が交流して新たな価値を生み出すコワーキングスペース拠点「ダイアゴナルラン長崎」をメタバース上に再現。登壇者には実際に「ダイアゴナルラン長崎」に集まっていただき、その様子をメタバースに配信します。

メタバース空間を作成している様子。ipadで撮影するだけでメタバースができあがっていきます
音声がうまく出ずに悩む一同
会場はこんな感じ。手前の三脚付カメラで会場の様子を撮影します

多くの方々に参加いただき、盛り上がった交流イベント

こうした丁寧な準備の甲斐あって、当日は、メタバース参加が13名、Zoom参加が10名と合計20を超える方々に参加いただきました。

アバターの距離感によって、音声も大きくなったりと、現実のコミュニケーションと同じような感覚になります
会場の家具なども綺麗に再現されています
メタバース空間に再現されたリアルな空間から現実の人がスピーチ
不思議な空間に盛り上がる参加者

長崎市の取り組み

長崎市商工部 産業雇用政策課 課長の久保さんより、乾杯の挨拶があり、長崎市がこうしたイベントを実施する背景などについてお話がありました。

全国で人口減少が進む中、昨年長崎市は転出超過ワースト市区町村でワースト3位になってしまったそう。この厳しい状況を乗り越えるために、地方が都市部とどのようにつながり、共創をしていくかについて、さまざまな試みを実施しているそうです。

リアル会場で登壇する久保さん
メタバースからはこんな感じで見えています

同じく産業雇用政策課の山田さんは、地場企業の経済振興として、VUCAの時代において自社だけで多様なことを生み出すのは難しい。そのため、域内だけでなく域外との企業とのつながりを作ることが重要だと語っていました。

こうしたオープンイノベーションの取り組みを支援するため、広域自治体・基礎自治体・メディア・金融等が横断的に連携したチームが、地域内外の人々を繋げていく官民連携組織「NAIGAICREW」などを組成したりと、様々なプレイヤーとのマッチングや助成金などを通じて、プレイヤーと制度、仕組み、熱量が高い人々が集まる場を提供してるとのこと。

地域と地域、人と人が新たな形で交流できる場を提供することは、メタバースを通じて、私たちサイバーイドバタがまさに目指していることでもあります。

サイバーイドバタ発足の経緯や活動、目指している世界観について

次にサイバーイドバタの代表メンバーである平山さんが、サイバーイドバタ発足の経緯や活動についてを語りました。

アイスブレイクとして「このイベントに「県内」「県外」のどちらから参加しているか、会場を移動してみてください」と平山さんが声をかけると、参加者の方が一斉に移動。こうした体験が気軽にできることはメタバースの利点ですね。

左が県内、右が県外(県外が多くてびっくり)

講演がとても良かったので、以下は平山さんの言葉をそのまま引用します。

平山:
私たちの活動は「デジマ式Plus」という地域課題を持ち込み、都市部の企業が解決策を考えるアイデアソンから始まりました。私たちの目標は、「現実をサイバー空間にして、ゆるく井戸端会議しながら、いろいろな地域の人とつながる場所を作る」こと。関係人口を増やしていくことが私たちの大きな課題でしたが、「出会う」「話す」「会う」という、人々を引き寄せる「会いに行く人を作る舞台装置」の必要性を感じました。

平山さんの話を熱心に聞く参加者

平山:
ただ、「出会う」という点で、地方に直接来てもらうことは心理的、コスト的なハードルが高いと考え、地域の魅力をメタバース空間を作ることで敷居を下げたいと思いました。関係人口というと、意識が高いメンバーが多そうなイメージで、初めて地域に関わろうとする人にとってはそれがハードルになってしまうことも。メタバースであれば、それが「ゆるっと」再現できます。実際に会うことが初めての訪問だとすれば、メタバースは 0.5回目の訪問 として、地域との接点を増やすことができます。

平山:
現在は、iPhoneが一台あれば、誰でも簡単にメタバースを作れる時代になりました。メタバースのような技術は民主化されており、私たちはその利活用を支援しています。

簡単にメタバースが作れることに驚く参加者たち

平山:
メタバースの利点は、テキストよりも一歩踏み込んだ交流が可能で、Web会議よりも気楽に参加できることが挙げられます。メタバースでの交流はこれらよりも、現実空間の解像度が上がり、体験として記憶に残ります。現在の課題は「そこで何をするか」を考えていくことです。人が集まるようなテーマの設定や、魅力的な空間作り、そして「作る人」と「使う人」を増やすようなイベントをたくさんしていきたいと思っています。

平山:
今後は誰でも簡単にメタバースを作れる状況を利用して、みんなでメタバース空間を地図上に登録し「みんなで広げるメタバース」のようなものを目指したいと思っています。

例えば、北海道の最北端にある、地域の面白い人たちが集まる場所があったとしましょう。そうした空間をデジタル空間に再現し、世界のどこからでも簡単にアクセスすることができれば、たくさんの人の冒険の入り口になる環境を作り出すことができると考えています。こうした取り組みを全国に広げていきたいと思っているので、皆さん是非noteやpeatixで情報を追ってみてください。実際に活動してみたいという方も是非DMとかコメントとかしてもらえればと思います。

イベント途中で、参加者の方からフォローが。こうしたフォローが自然に出るのはメタバースでの距離感の近さが影響しているのでしょうか…

越境を体現する鍬先さんの講演「ハミダシのススメ」

平山さんの心の底に静かに眠る思いを聞いた後は、ワークデザインラボの鍬先さんが「越境のススメ」というテーマで講演をしてくださいました。

鍬先さんは、地方銀行における社会課題解決の経験を経て、現在は新しい事業開発のフィールドで活躍されています。長崎では特に「NAIGAICREW」の設立に携わり、地域内外のプレイヤーによる共創モデルの構築に奮闘されているそうです。

鍬先さんは、まず地方と都市部との間に存在する経済的な差異について触れられました。こうした差があることを認識したうえで、地域であるがゆえに、都会や流行りのものを模倣する必要はなく、「地域のコアバリューに紐づく課題」を正しく理解し、それに基づいた事業を構築することが重要だとのこと。

ただし、地域のリソースには限りがあるため、都市部から地方へのリソースの逆流が必要であり、その手段としてオープンイノベーションなどで都市圏の企業と積極的に交流しつづけることの重要性を語っていました。

またそうした動きを進めていくには人材の多様性を生むこと、多様性のあるコミュニティを構築することが大事であり、自身の経験もふまえ「CommunityからProjectが発生し、Businessを生んでいく」と語っていました。

重要なのは自分の領域を少し広げて、自分事として解釈を深め、人と人で「ハミダシた部分」で結合すること。対組織同士の結合よりも、個人同士の結合の方が強いということで、ハミダシ部分を簡単に作ることができるサイバーイドバタの可能性にも触れていただきました。

経済産業省「未来人材ビジョン」より引用
こうしたデータや自身の経験に基づいて「ハミダシ」が大事だと語る姿は

また、こうした活動を地域で行うことの利点として、ライバルが少なく、関係者との距離も近いため、「ハミダシ」に非常に向いている環境だということも挙げられていました。

「ハミダシ」ということがイベント全体のキーワードとなりました

パネルディスカッション:越境とハミダシの可能性を探る

鍬先さんの熱い講演を受けて最後はパネルディスカッション。

株式会社シーエーシーの経営企画部に所属し、長崎や関西でのオープンイノベーションやワーケーションの推進、ナレッジマネジメントや働き方の推進など多岐にわたる経験を持つ齋藤さんがなぜか鳥取からファシリテーターとして参加してくれました。東京を拠点にしながらも、長崎市の方に「長崎に住んでるんじゃなかったんだ…」と言われるくらい長崎との深い関わりを持ち、越境を実施する方です。

今日も絶賛ハミダシ中のようで、鳥取からの参加です

講演をおこなった平山さんも交え、サイバーイドバタメンバーである本多さん、酒井さんといった多彩なバックグラウンドを持つパネラーたちが登壇しました。

本多さんは長崎県長崎市出身で、建設業界向けのシステム導入支援やデータ活用コンサルティングを行う構造計画研究所に所属。長崎市と雲仙市が共同で開催したアイデアソン「デジマ式Plus」に参加したことが、サイバーイドバタ参加のきっかけ。現在は関西で生活をしていますが、地元長崎で何かをしたいという思いから、このプロジェクトに参画したといいます。

当日も直前までリモートで打ち合わせされていました

酒井さんは、長崎県雲仙市出身で、専門学校でITを学んだ後、福岡での就職を経て地元へ戻り、webシステムの開発会社bocci株式会社を設立。地域側のプレイヤーとして新しい挑戦を続けています。

背景は地元の畑だとか

パネルディスカッションでは、それぞれがサイバーイドバタに関わった経緯、越境とハミダシの可能性、そしてメタバースを通じた新しい交流の形について、活発な議論が交わされました。

あれ。いつのまにか「サイバーイドバタ」Tシャツに着替えている方が…


熱弁する平山さん。マイクないのにエアーマイク持ってますね。

それぞれ異なる背景を持つメンバーが、共通の目的のもとに集い、新たな価値を創出しようとする姿勢は、とても眩しくワクワクしますね。パネルディスカッションの詳しい様子は別の記事でもお伝えできればと思います!

イベント終了後

イベント終了後にはメタバースの参加メンバーと、登壇者など会場に集まったメンバーが記念写真をパシャリ。

メタバースで入った方々のアバターとリアルの人々が一緒に写真撮影
不思議な感覚ですが、いい写真ですね

当日は長崎ランタンフェスティバルが開催されていたたこともあって、
イベント開催後には地元の魚が美味しい居酒屋で打ち上げ交流会を実施しました。出てくる魚は新鮮でどれも絶品。魚種が日本一の長崎市は「さしみシティ」としてプロモーションに力を入れているようです。

またこの魚を食べに来るだけでもハミダす価値あるな…笑
こういうのも「ハミダシ」の大きな楽しみの一つですね。

地元の美味しいお店で絶品の魚をいただきます
日常を忘れる幻想的な空間
居酒屋で今日のイベントには参加していない方もなぜか合流
こうした距離感の近さは地域の良いところですね
しーさー

今後について

今回は、サイバーイドバタの全体感やコンセプトについて、緩く共有できたかと思います。今後は、実際に、サイバーイドバタを実践していくために、様々なイベントを実施していきたいと考えています。

直近では「ちょっとメタバース作ってみませんか」ということで、長崎の交流拠点である CO-DEJIMA を会場として、3Dスキャンからメタバース構築までの体験会を行います。今回はリアルイベントですが、こうした体験会を様々なところで行っていきたいと考えていますので是非、note や peatix のフォローを宜しくお願い致します!

https://cyber-idobata-craft1.peatix.com/


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