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【映画レビュー】リアル•ペイン~心の旅~

久々に洋画を鑑賞しました。

昨年春に約3週間ポーランド複数都市を訪れたため、当時を思い出したく観に行きました。
この映画、想像以上によかったです。

あらすじ

子供の頃は兄弟のように育ったユダヤ系アメリカ人従兄弟デヴィットとベンジーが久々に再会し、亡き祖母の母国であるポーランドを旅するロードムービー。

現地でツアーに参加をしますが、他の参加者は彼らよりかなり年上で、3名のユダヤ系アメリカ人、ルワンダにルーツを持つカナダ人。ガイドは、ユダヤ系ではない学者のイギリス人。

この主人公2人が正反対な性格で、それぞれの感情の描写が細かく表現されていました。

2人の想い

ベンジーは独身で現在無職。明るく誰にも話しかけて感受性が高いタイプです。見た目は、小柄で愛くるしいと言う言葉がぴったりです。

マイペースで公共の場で空気を読めない態度を取るベンジーにデヴィッドは、ハラハラしていますが、人懐っこいベンジーにツアー参加者は魅了されていきます。そんなベンジーにデヴィットは複雑な気持ちを抱きます。

私自身、特に集団の中でテンション高くワイワイすることが苦手。若い頃から一歩引いてその集団を観察するタイプなので、デヴィットの気持ちがとてもわかります。

デヴィットは広告業界勤務で妻子持ち。感情を出すことが苦手で冷静。背が高く、第一印象は神経質なタイプだなと感じます。軽度の強迫性障害を抱えています。

一方、デヴィットに対して、ベンジーも複雑や思いを抱きます。彼は家族も仕事も持っていないことが大きいのでしょう。こちらもまたまた気持ちがわかってしまう私。

私は50代で結婚も出産経験がない、更に昨年は無職の時期もありました。特に子供がいてフルタイムで働く女性を目の前にすると恥ずかしく、切なくなりました。

社会に貢献するとは?

ベンジーは仕事も家族もなく、メンタルも不安定(ツアー中、参加者と口論にも)です。更イギリス人ガイドに対してはっきりとツアーに対する考え方を変えた方がいいと意見しました。(パッと見はクレーマーに感じてしまいます。)

でも、この彼の言葉や彼の包み隠さない素直でまっすぐな態度は参加者達に大きな影響を与えていました。ガイドも彼のような指摘をされたことがなかったとのことでした。

「無職の自分が社会に貢献していると言えるのか?」— これは私自身も数ヶ月前に感じたことですが、映画を観ながら、“貢献” とは仕事や家族の有無だけでは測れないものだと気づきました。

例えば、専業主婦の方々も「社会に貢献していない」と感じることがあるかもしれません。でも、少子化が進む今、子供を育てること自体が大きな貢献ですよね。

ベンジーのように、どんな立場でも「自分らしく生きること」「周りにポジティブな影響を与えること」が社会貢献につながるのかもしれません。

最後に

この映画を鑑賞中、まるで一緒にツアーに参加をしている気持ちになりました。

映画の舞台は昨年訪れた場所ではありませんでしたが、美しいポーランドの街並み、風景にBGMは数々のショパンの曲。

とても美しい映画で何度も観てみたいお気に入りの作品となりました。

デヴィット役のジェシー・アイゼンバーグは、監督、主演、製作を務めています。
映画『ソーシャル・ネットワーク』でお馴染みの俳優です。

数々の映画賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞で、ベンジー役のキーラン•カルキンが助演男優賞を受賞した名作です。あの「ホームアローン」の主演のマコール•カルキンの実の弟だそうです。

かなり話が脱線しますが、この主演のおふたりは、以前の会社のトルコ人Big boss、現職の面接官のイギリスとスペインに似ている(風貌や性格)ので、別の意味で印象に残る作品となりました。

オスカーにもノミネートされているため、楽しみです。

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