『出会い』#サイコの鶏唐【毎週ショートショートnote】
一軒間口の店、向かいはグランドもある公園
週末、祝日には、少年サッカーや野球チームの対抗戦も行われる。
店のメニューは一つだけ。
「鶏唐ちょうだい」と子どもも大人もやってくる。
彩湖は、食べやすいように鶏の唐揚げを串にさして売る。
ある夕、
お爺さんが、公園の入り口の垣根に座ってこちらを見ている。
『ずっと座っている、疲れたのかなぁ』と
彩湖もお爺さんを見ていた。
翌日、午後3時、店に来ると、もうお爺さんが向かいに来てる。
『昨日と同じお爺さんだ』と景色の様に眺める。
そして翌々日、彩湖はいつもの様に店を開ける。
お爺さんは向かいに来ていた。いや、来ているんじゃない、
お爺さんはずっと一昨日からそこに居るんだ。
外は昨夜からの雨。
一昨日と同じ服、傘も刺さずに座り込んでいる。
「お爺さん、ここじゃなんだから、店先においでよ。
彩湖の鶏唐美味しいよ」
どこかで尋ね人は出てないのだろうか。
ここは人通りも少なくない通りなのに。
たらはかに様の企画に参加させて頂いております。
皆様の作品に触れる機会をいただき、とても勉強になります。
たらはかに様、
ありがとうございます。
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