見出し画像

47才のキャンパスライフ 〜慶應一年生ミュージシャンの日々〜 44「春学期で学習したことまとめ、後編」

 慶應大学も夏休みに入りました。それでも図書館は開いていて(そして空いていて)ありがたい。というわけで、前回に続いて一年生春学期に僕が学習したことをまとめていきます!

•異文化コミュニケーション

 異なる文化間のコミュニケーションのあり方について、学術的なアプローチで学びます。「他者を理解するには、まず先に自分を理解する必要がある」というのが最初の授業で紹介された前提なんだけど、いやぁ身につまされます。自分の眼鏡の色を知らないと世界の色はわからないと言うことですね。期末レポートは「戦後ストーリー漫画の発展の過程を神経文化相互作用理論の各段階に適用する試み」というのを書かせてもらって、大好きなトキワ荘関係の本もたくさん読めて楽しかったです。ちなみに漫画を日本に紹介したのも福沢諭吉先生らしい。知らなかった。

•近代思想史

 春学期はギリシアローマ時代の思想から始まって、キリスト教の興り、ルネサンス期のマキャヴェリから宗教改革、ホッブズ、ロックあたりまで。この授業は出席が評価に関係なく期末試験の一発勝負なので、これをミスると落第してしまいます。なかなか緊張感がありました笑。最後の数回の授業で先生が「これが出るって言ってないよ!言ってないけどこんな問題が出ます」と仰ってた例題が毎回同じだったので、勝手に「これは出席している我々への贈り物に違いない!」と思ってその問題だけは確実に書けるようにしていったけど、出ませんでした。正直な先生です。

・政治学

 黒船来航前夜から大正に入るあたりまでの日本の政治史を学びました。過去の政策もどの観点に立脚するかで評価が変わるのが興味深かったです。手塚治虫先生の幕末を扱った漫画「陽だまりの樹」を思い出したりしつつ、激動の時代に思いを馳せつつ学びました。日本が日清日露の戦争に勝利したころ、国民の間に戦勝の狂熱みたいなものが蔓延したらしく、それを懸念している政治家さんがいたり。この授業も評価は期末レポートのみで、頑張って書いたけど果たしてどうなるか…?

・イスラム世界の歴史

 世界史を勉強して、最も興味が湧いたのがイスラム世界だったので春学期にこの授業が受けられて良かったです。先生はバリバリ現地で活動されている方で、休憩時間に写真など見せてもらえるのが楽しかったです。期末レポートは西地中海地域のイスラム国家の成立について。北アフリカに親近感が沸きました。モロッコとか行ってみたい。

・イギリス放送文化史

 イギリスの放送文化をBBCの創設から現在まで学びました。かなり情報密度が濃い授業だったと思います。BBCの多様性への取り組み(ノーマライゼーション、障がいを持つ人も障がいに関して特に説明される事なく普通に登場する)には強く共感する所がありました。テストにはA4の紙(両面利用可)に覚書などを持ち込む事が許可されているので、昔の洋楽の歌詞カードくらい小さな文字でびっしりと片面に歴史、もう片面に番組の表を作って臨みました。まだ老眼になってなくて助かった笑!

・音楽

 鍵盤楽器の歴史を学びました。ピアノの誕生まではいわゆるチェンバロ(ハープシコード)とか色々な鍵盤楽器が活躍していたんですが、その中でクラヴィコードというのが面白くて、発音原理がいわゆるギターのタッピング(弦を弾くんじゃなく、指板にタップする事によって演奏する、80-90年代のHR/HM界隈のテクニカルなギターソロで多様された)と同じで、鍵盤を弾く事で楽器の中の弦をタップするわけです。なので音の強弱も付けられるし、鍵盤をグリグリしてアフタータッチ的表現(ビブラートとか)も出来て、当時の作曲家に愛用されていたそう。僕も欲しいと思ったけど今日本で買おうとするとなかなかのお値段です。頑張っていつか購入するぞ! 試験は不必要なことまで書いてしまって、減点されている気がします…。

・自然地理学

 第四紀というらしいのですが、258万年前くらいからの自然地理学の基礎を学習しました。いわゆる放射性炭素同位体とかで年代を計る方法があるというのは存じていましたが、その原理が学べたのも良かったです。貿易風や偏西風などの原理とかも実生活に繋がってて興味深かった。結構な範囲を頭に詰め込んでいったのですが、試験に出た範囲は割と限られていて、物足りない気はしましたがいらないことを書くと音楽の時の二の舞になる気がしたので、ぐっと堪えて必要なことだけを書きました。なんか、覚えた事を発揮しないと損をした気分になる…笑。受け売りの蘊蓄を言いたがる人みたいでよくないね。気をつけよう。

 と言うわけで、おかげさまで有意義な春学期を過ごさせて頂きました。夏休み中はライブもたくさん! 益々有意義に行きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?