第72詩 涙雪
自分を責めるような
ギラギラした陽射しは
いつしか柔らかくなり
代わりに 街路樹から
優しく 落ち葉が
降る季節になった
時間が経って
君はもう 赦してくれているだろうか
君のこと もう
好きじゃないと言ったこと
黙ったままでいいから
ずっと傍にいて欲しいと
言った君の手を
振りほどいた あの日のこと
好きじゃない と 言ったのは
君が他の奴に魅かれ始めてると
気がついたから
何も言わずに
傍にいて欲しかったのは 僕の方だ
そのうち
雪の降る季節がくる
君にも 君のあたらしい彼にとっても
祝福の 雪だ
いつまでもしがみつくような関係はよくない
本当の自分のこころ 気づかないふりは哀しいよ
君が 幸せでありますように
僕のあたまに
降る雪は
きっと 僕の 涙雪だ
(挿絵はフリー素材です)
好きな人の幸せを願うことができるようになったことは、成長したということだと思います。決して気持ちが離れて行った訳ではなく。