肉球キュキュッと。「空想散文」
遠い、遠い未来の星のはなし。
われわれの星は、にゃんこ達がうめつくしていた。
にゃんこの群れはそれぞれ肉球をプニプニ地面におしつけながらくつろいでいました。俗に言う猫のフミフミ……。
母親に甘えるようなあの、ニャンコロリンをし、おのおのが何かに強烈に甘えをくりかえしていた。
にゃんこ達はある時、ニャンコテクノナノニクスという新技術、ニューテクノロジーを昼寝しながらあくびしつつ、適当に開発しました。
それには猫たちの動画配信サービスもあり、自分達、猫の気ままなユルイ日常をヒマしながらねころんで眺めていたのでした。
猫達にある時、ニューカルチャーがはやりました。
それは猫語を超えた、超音波言葉で猫達はコミュニケーションをし、猫専用のマタタビ、キャット・ニプー混入のキャフェを飲みくつろぎ愉しみ、ネコを超えたボディランゲージ、身体言葉で笑わせあうというものでした。
その時でした。ニャンコテクノなんたらに巨大な映像がドアップに!!
それは猫たちがびっしりと綺麗に整列に無数に規則的に並べられた笑いを誘う、巨大な映像なのでした。
ニャンコテクノナノニクスは犬達の住む巨大な彗星の接近を察知しました。それは敵対心のあるもので無く、ユーモアあふれる犬たちからのコミュニケーションなのでした。
ニャンコ達は地球外の惑星にも、にゃんこ議会一致で生き物がいると決定致しました。
地球にいながら、猫型ロボット、猫型モバイル・ウェアとよばれるネコちゃん遠隔操作ロボットを派遣し、にゃんこ達はテキトーに遊びながら、あくびしながら、からだをのびしながら探査した。
にゃんこ達は猫たちがよくやる、無数の猫の集会が高度に進化した議会をやり、日々の日常の報告、無駄話、腹を抱えてたがいをバカにし転げ笑い合ったり、ちょっとした事でバカ笑いしたり、たがいの敵対心の解消などをにゃんこ議会と名付け平穏な日々をすごしていたのでした。
にゃんこ人民達は肉球のプニプニした肉感から文化、文学を生み出すためにプツプツした今もあるナイロンの包材クッションのプツプツをひとつひとつ、一粒、一粒つぶしつつ、ストレスをも無くそうとしていたのでした。
なんとも言えない自らの肉球の柔らかさを気持ちよがりながら。
そのうち、プツプツにくるまる猫たちが表れて、くるまりながらすこやかに眠りいるにゃんこ達も少数ながらあらわれた。
やがて、それは広まり、サナギの様に孵化を進めるにゃんこ達も表れたのだ。
猫ちゃん達は、基本、怠け者でグータラだ。それはまごうことなき事実。だから自分たちで改革は難しかった。だが、猫は夜行性。暗闇のなか眼はキラキラと光る。その光る眼で隠されている真実を見抜く……。
やがて、ナマケモノサナギのネコちゃん達は、そのうち葬り去られていった。生き残りのための適者生存の摂理、野性そのものは強烈なのであった。
そのうちにゃんこ社会に、倦怠感、憂鬱感が漂い深刻なアニュイ感が漂い始め……にゃんこ達は自らの必殺技、ネコパンチ、猫キックを進化させたネコアーシャルワークとよばれる暇つぶしの格闘技を創り上げ、ヒマ潰しをやり続けていきました。「ニャァ!!」と鳴きながら……。
猫たちは夢想しました。夜空の向こうの満月の月面の表面に自分たちのネコの横顔の陰を。
ネコ達が、無数の猫たちが𦥑にモチを置き、杵でもちをつくさまを。あれは自分たちと同種族の猫たちがもちをつきまくっているのだということを。それはモチッチッチョネ~ゼという食べ物で、そしてモチだけを食べて生きている自分たちとは別の生き物だということを。
そして…………。
地球のにゃんこ達は眠りにつきます。猫はただひたすらに寝続けます。ただ、ひたすらに寝続けます。ただひたすらに寝続けます。きりのなく、ひたすらに寝続けます。鬼のようにねむり続けることで深い瞑想をしているのでした。巨大ネコカプセルの中に無数のにゃんこ達がびっしりと埋めつくされ眠りにつきます。
やがて、死んで生まれ変わるその日を待ちながらの瞑想を………。
終幕。