
手書き主義
僕はnoteの記事の原稿を書く時、基本的に手書きで書いている。以前はパソコンのWordを使ってキーボードを打つ形で文字を書いていたのだが、ある人の存在があって僕は手書きに改めたのだった。そのある人とは芥川賞作家の西村賢太さんの存在である。
西村さんは一昨年の2月5日に亡くなったが、約17年に及ぶ作家生活において全て原稿は手書きで書かれていたらしいのだ。本人曰く、単にパソコンが使えないからと云う事だったらしいが、僕はその事実を知ってえらく感動してしまい、影響も受けてしまったのだった。
個人的に手書きの良さは何と言っても字を書く事によって漢字などを忘れないなどと云う利点だけでなく、昭和40年代辺りまでの流行作家になったような気分に浸れる事だろう。特に僕は今、noteの記事をほぼ毎日書いて更新しているので、毎日机に向かって原稿を書いているのだが、その時の姿は着物姿で打ち込んでいるせいもあってか、正に昭和の文士と云った雰囲気を醸し出している。自らの文才を棚に上げれば、立派な小説家になったような気分に浸れるのである。
そしてまた手書きの良さは万が一自分が今後作家デビュー出来た暁には、その手書きで書いた原稿などは重要な資料としてプレミア的な価値が付いてくる可能性もある事である。そうなると余計に手書きで書く事が楽しくもなってくるのだ。西村さんが田中英光や藤澤清造の肉筆原稿を血眼になって探していたように、将来僕が書いた手書きの原稿を欲しがってくれるファンがいてくれたらなんて思いながら毎日僕はnoteの原稿を文字通り書くのである。
