木枯らし
散歩の帰り道。ニュース番組で「東京と関西で木枯らし一号が吹き荒れる」「一一月八日は立冬です」をスマホの画面越しでテレビの画面越しで聞いた。見た。考えた。心の中でストンと納得する。なるほど。路傍を歩いているだけでも寒い。寒過ぎる。震える。凍える。ホッカイロを買うべきだったと今更の後悔。まだ大丈夫だと思ってたなんて今更の弁明。寒くなれば買うからなんて今更の詭弁。
凍える両手を急いで上着のポケットに突っ込む。ほんの少しだけ両手の体温が上昇気味。このまま体温がもっと上昇してほしい。ホッカイロを持ってる人を羨ましく眺める。身体は冷えてるけれど心は冷えてないから。心は此処最近ずっと温かく体温上昇中だから。平気だもの。寒くない。凍えてない。震えてない。大丈夫だよ。何度も何度も言い聞かせる。
足早に自宅に到着した途端直ぐに暖房器具のスイッチを入れる。何度も何度も言い聞かせるのは無理だった。やせ我慢は無理だった。辛かった。矢っ張り寒い。寒過ぎる。
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