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smap1104
プラネタリウム
家庭用プラネタリウムで見た星空は綺麗だった。感動ものだった。偽物の星屑でも天井に映し出した偽物の夜空でも綺麗だった。近場だと無尽蔵にネオンがギラつき夜空に散らばる本物の星屑を眺めることが出来なかった。見えなかった。
以前プラネタリウムで星屑を見たときは小学生の頃だった。あの頃は天井に映し出されると解説書を片手に「右端にある星座は・・・」「北斗七星は?おおぐま座はどこ?」「あそこにあるのが冬の大三角?」親友と二人で指でたどり探したものだ。大人には分からずとも楽しく面白かった。忘れられない。忘れたくない。忘れることが出来ない大切な宝もの。
大人になり一人でプラネタリウムを見ることになった。一人でプラネタリウムを見るのは嫌いではない。大多数の人と一つのプラネタリウムを見るよりは気が楽だ。プラネタリウムを見ると大切な宝ものを宝箱から取り出して思い出す。宝ものは未だに星屑の輝きが消えることがなく綺麗だった。