
好きな本の話でもしますか
今まで読んできた中で好きだった本の話。します。
『新興宗教オモイデ教』大槻ケンヂ
これは学生の頃テロリストがいきなり教室に入ってきてそれを不思議なパワーでやっつける、俺、みたいな妄想したことある人にはばちばちに刺さるはず。
冴えない高校生男子が悪の軍団と戦うみたいなお話です。
多感な時期に読むのはあまりオススメできないかもしれない。人格形成に悪影響を及ぼしそう。(実際わたしは大槻ケンヂきっかけで厨二病にかかった)
『女王様と私』歌野晶午
ゴリッゴリのキモヲタが主人公なのでめちゃくちゃ感情移入して読めた記憶があります。
ストーリーそのものも面白いのだがどんでん返しの連続なのであまりお話に言及できない。読んで欲しい。
『パノラマ島奇談』江戸川乱歩
乱歩の本ばっかり読んでた時期があったのだが、パノラマ島奇譚はストーリーらしいストーリーがないところが好き。
一応最後に名探偵が出てきて大団円、みたいになるけど、それよりもパノラマ島という架空の島についての状況描写が圧倒的な物量すぎて、江戸川乱歩という人の変態性が一番現れてる気がして大好きです。でも『孤島の鬼』もめちゃくちゃ好きなんだよな。
『アリス殺し』小林泰三
メルヘンなのになんか変で、不思議なのにグロテスクで、かなり独特な世界観でめちゃくちゃ好きです。最後!!おーってなる。語彙力がない。読んで欲しい。これも。
『ロリータ』ウラジミール・ナボコフ
主人公が本当に最悪。最悪だしバカ。言い回しが独特すぎて何言ってんのか全然わかんないとこばっかりなんですけど、でも雰囲気はロードムービーみたいな青春っぽい感じもあって好きなんです。
ロリータが可哀想なのは言うまでもないけど主人公にもちょっと同情してしまう部分もある。誰も幸せにならない感じが好きです。
『猫の地球儀』秋山瑞人
ライトノベルなんですけど、人間がただの1人も出てこない。出てくるキャラクターはみんな猫、もしくはロボットです。
イラストはめちゃくちゃ可愛いんですけどストーリーは結構シビア。世界観がしっかりしていて、独自の用語も色々出てくるので、読んだ当時(小5ぐらいの時)何度も何度も読み返してやっと理解出来た思い出があります。
でもやっぱり面白いしたまらなくワクワクした。ラストシーンの美しさは筆舌に尽くし難いものがあります。
『魔女の子供はやってこない』矢部嵩
私は矢部嵩という作家が世界で一番好きです。
この人の書く文章は独特でちょっと読みづらいと思う人もいるかもしれない、でも、人が普段倫理だとか道徳だとかで無意識に蓋をしているような心の奥の最悪な部分とかを抉り取るみたいな話を書くので大好きです。
グロテスクで、気持ち悪くて、みんな不幸で、見てられないのに見てしまう、それでいてそんな最悪の世界の中なのに声出して笑っちゃうような文章が急に差し込まれる。
この小説の中でいうと子供たちが葬式をぶっ壊してめちゃくちゃにする話があるんですけどそれが不謹慎すぎて最悪で最高です。
あと、人を好きになって告白する、っていう時に「見てると吐き気がする」という表現を使うんですよ。こんなすごいことを書ける作家を他に誰も知らない。
『保健室登校』『紗央里ちゃんの家』『〔少女庭国〕』もめちゃくちゃ好き…。
書き出してみて思ったけど、わたしは救いのない話が結構好きなのかもしれない。
物語はハッピーエンドであってこそだ!っていう人にはあまり合わないかもしれないですが、もし興味持ってくれた方がいたら読んでみてください。感想教えてください。