【1分小説】25# 緊張と緩和 :恋愛
「明日、告白をしよう」
拳を握りしめ、そう呟く男子中学生。
次の日……
ガチャッ
「なんだろうこれ、手紙?」
登校した女子中学生は自分の下駄箱を開ける。
ササーペラッ
「えーと…“今日の放課後、屋上へ来て下さい”」
「え⁉これって、もしかして…」
手紙の文字を見て察する。
…
夕日に照らされる校舎。
放課後、皆が下校する中。
屋上では……
「そろそろ来るかな…」
1人で待つ男子。
ガチャッ
扉が開く。
「あ、あのー」
「この手紙をくれたのは、あなたですか?」
女子の手には手紙が。
「はい!」
「あなたを一目見た時から好きでした!」
「僕と付き合って下さい!」
「っ…‼」
「は、初めて告白された」
女子は驚き、呟いた。
お互い夕日のせいか、頬が赤い。
「お、おねがいブハッ‼」
カランッコロンッ
勢いよく返事をしようとした女子の口から飛び出た物。
それは、笑いではなく入れ歯だった。
「ひ、ひがうの、ほ、ほれは…」
「平気だよ、僕も同じ全入れ歯なんだ」
男子は優しく微笑んだ。
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