【1分小説】20# 味 :科学
様々な調味料が料理を支えている。
家系ラーメンのお供。
焼肉、ステーキのお供。
多種多様な調味料は人々の問いに答えてくれる。
だが、人はまだ欲していた。
新たな味を……
そこで……
涙の味は感情によって変わるという研究から
人の感情を調味料化する実験が行われ、成功した。
その調味料の見た目は液体、個体、粒状と様々。
感情をその容器に反映する事が可能になった。
さらに“感情の器”という商品は市販で売っている。
実験が成功したのは、科学の力はもちろんの事だが
人間の身体の変化があったからだ。
それは人の感受性が深くなった事。
感情のコントロールが上手くなり
相手を思いやる人が人口の9割を占めたという。
街のサラリーマンの言葉を盗み聞きしてみよう。
「よし、仕事はこのくらいで終わりっと…」
「しかし昨日の妻の料理は愛情が濃かったな」
「今日も早く帰ってあげよう!」
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