外国人を受け入れたい企業様へ
外国人技能実習制度と特定技能制度について ~日本の現状とその課題~
■ 外国人労働者は私たちの身近に
外国人労働者と聞くと、自分には関係ないと思う方もいるかもしれません。しかし実際には、農業や工場、建設業など、全国どの地域にも技能実習生や特定技能外国人が住み、働いています。
たとえば、農業や食品工場などの地方産業、都市部の建設や製造業など、多くの分野で外国人労働者が欠かせない存在です。日本のどの町にも、外国人労働者が地域の産業を支えている現実があります。
■ 生産年齢人口の減少と日本の未来
今、日本の企業が直面している最大の課題は「生産年齢人口の減少」です。日本では、15~64歳の働ける世代が減少し続けており、これにより多くの企業が人手不足に悩まされています。
この状況で、企業の成長や未来を支えるためには、外国人労働者の力を活用することが不可欠です。もはやこれは特定の業界だけの話ではなく、社会全体に関わる重要な課題であり、多くの人が理解しているべき現実です。外国人労働者の受け入れは、日本経済を維持するための鍵と言えるでしょう。
■ どこの国から来ているの?
日本で働く外国人労働者の国籍は、近年大きく変わっています。以前は中国からの労働者が多かったのですが、現在では以下のような割合です:
ベトナム:全体の約40%
中国:約20%(最近は微増傾向)
インドネシア:約20%(増加中)
カンボジア・ミャンマー:それぞれ約10%
その他:フィリピン、ネパール、スリランカなど
最近はベトナムが減少し、インドネシアからの労働者が増加する傾向にあります。これらの国の多くの人々は、日本での収入を家族のために役立てようと来日しています。
■ どんな仕事をしているの?
技能実習生や特定技能外国人が働ける職種は限られていますが、私たちの日常に欠かせない仕事を担っています。たとえば:
食品工場:スーパーのお惣菜やコンビニのお弁当を作る
建設業:道路や建物の工事を行う
農業:野菜や果物の収穫、管理
縫製業:服や布製品を作る
自動車関連工場:部品の組み立てや加工
これらの仕事がなければ、私たちの生活は成り立ちません。彼らの働きが、私たちの日常を支えています。
■ 給料と労働環境
ニュースで「低賃金」や「不当な扱い」が報じられることもありますが、基本的には日本の最低賃金以上が守られています。日本人と同じ仕事であれば同等の給料を支払うルールがあり、不正があれば企業は罰せられます。
たとえば、母国で月収が数万円の労働者にとって、日本の最低時給で月25万円程度稼ぐのは非常に大きな収入です。ただし、最近の円安や物価高で、外国人労働者にとっても生活が厳しくなりつつあります。このままでは日本の魅力が薄れ、労働力確保がさらに難しくなる可能性があります。
■ 外国人労働者を受け入れる仕組み
技能実習生や特定技能外国人を受け入れるには、企業や団体が「組合」を通じて手続きを進めることが一般的です。現地では「送り出し機関」が希望者を集め、日本の組合が面接や書類作成、入国手続きを行います。このプロセスには通常半年程度が必要です。
企業単独でも受け入れは可能ですが、手続きが煩雑なため、多くの企業が組合を利用しています。
■ 失踪の問題
外国人労働者の失踪は、日本での待遇や給料が理由で起こることが多いです。「働いているのに稼げない」と感じた場合、もっと高い給料を求めて別の仕事に移るケースがあります。
企業や組合が不正をしないこと、適切な環境を整えることで、失踪を防ぐことができます。彼らにとっても、日本で働くことが魅力的であるような仕組みを作ることが重要です。
■ 最後に
外国人労働者は、私たちの日常生活を支える重要な存在です。食品、建設、農業など、多くの分野で彼らの働きが日本の産業を動かしています。
生産年齢人口の減少という現実に直面している日本では、外国人労働者の存在は今後ますます重要になります。企業の未来をつくるために、彼らと共に社会を支え、より良い未来を目指していきましょう。