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ひらいて、ひらいて。

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2024.07.11 〜
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記事一覧

小春日和

決して手は届かないと
わかってる
あの光は
もう遥か遠くに輝くよ
あゝ 抱きしめたい
あなたのかなしみも
さびしさも しあわせも

風がやさしい薫りを運んで
桜が咲いた音がした
待っていたんだ
こんな春を
待っていたんだ
あなたとめぐり逢う
こんな日を 
小春日和の
こんな日を

真夜中

真夜中に
突然にあの気持ちが
此の胸の奥に
おとずれて
わたしは戸惑いを隠せなかった

どこまでも深く
どこまでも暗い
いやはや
シーラカンスも
泳いでいるのかもしれない
そんなほどの
此の場所

声が出なくて
なんにも云えなくて
悔しくてくるしくて
なんでだろう
わたしって
いっつもこうだって
そうなってしまって
だから だから
まだ
わたし
眠ることできないの。

きょうのわたし

かなしいことがあった日や
侘しい気持ちが溢れ出す夜には
こんな歌やあのひとの話す声に
耳を澄まして目を瞑ろう
おそろしいことは
朝になれば
そこまでは  
おそろしいくはないかも
しれないし
傷つきやすく打たれ弱い
こんな私の歌でも
涙したり想ったりして
聴いてくれるひとが
きっとそんなひとがいると
わたしは信じているから

この想い
いつか死ぬ前までに
きみに届けばいいな
そんなことを考えていた
ながれる雲を
見つめていた

懐う、頃

心地よい風が吹く
川沿いの路を
歩いていた
きみやあいつと
そんな
あの頃を懐う
何処までもつづく道を
ゆくときのような
希望と似ている
きみのわらうこえ
いまでも
昨日の聴いたように
おもいだせるのさ

あの頃は
まだなんにも知らなかったし
あの頃にしか
わからないことも
たくさんあったな
時の流れはまっすぐで
けっして
その流れに
逆らうことはできないと
そんなあたりまえのことに
気づいたのは

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涙はうたう

バカヤロー、バカヤロー
コノヤロー、バカヤロー
そりゃおれは
とっても不器用で
それに加えて
超がつくほどに繊細で
傷つきやすく打たれ弱い
でもさ でもさ
そんな言い方とか
態度されると
何度も 何度も
おもいだして
くるしくなっちゃうんだ

あゝ 
もう!
バカヤロー、バカヤロー
コノヤロー、バカヤロー
胸がいまにも
張り裂けそう
張り裂けそうだよ
バカヤロー、バカヤロー
コノヤロー、バカヤロー

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#1 海をみつめて

いま、明日の風が吹いた
風もあせる気持ちになるときが
あるのだろうか
そんなことを
ちょんと考えながら
海のその向こうのほうを
見つめていた 眺めていた

きみは きみは
なにをしているかな
どんなことを考えているのかな
ぼくは
きみのことを
きみとどこへ行きたいかを
ひとり、ひとりでに
考えているよ

海鳴りはあのまちまでは
きっと きっと
ひびかんだろうな
やさしい夢を
やさしい言葉で
いま、

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希望とブルーズ

ワンハンドレットの
コーヒーマシンで淹れた
ほろ苦くそして甘い珈琲の
水面に浮かんだ
ちっぽけな憂いとかなしみ
寝不足の日々は
怒りや苛立ちと
仲が良すぎて
ぼくはとっても
まいってしまったよ

ひとりでいたくないと
まるで幼い子どもみたいに
思ってしまう
がんばらなきゃ
なんとかしなきゃ
きっとどうにかなるさと
つぶやいたり言い聞かせたり
もうつかれたよ
くたびれたのさ

ほら!
いま!
心が

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よみがえる

今年も夏が来たから
おもいだすの
おもいだしてしまうの
ほんとうのこと
ほんとうのきもちは
誰にも話したくないの
でも
ひとり抱えていると
ときどき
くるしくなって
涙は止まらなくなるの

入道雲は
何処までも 何処までも
この想いは
何時までも 何時までも
私とあなたは
おなじときを
おなじ時代を
生きていた
そして そして
心と心が手を繋いで
やさしくてせつなくて
それでいてたくましい
そんな

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きのうとおとつい

きのうかおとついか
忘れちゃったけれど
とっても とっても
すてきなこと
あったのさ

きのうかおとついか
憶えてはいないけど
とっても とっても
やさしいこと
あったのさ

きみが好きだって
話していた花が
やさしい夏の風に
揺れたのだ

きのうかおとついか
どっちかわかんないけれど
かなしいこと
くるしいこと
あったのさ

きのうかおとついか
ぼくは確かに生きていた
これからも あしたあさって

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気づく

昔からちいさなことや
細かなことばかりに
気づくんです
でもなるべく
できるだけ
近い頃は
わたしに関係しないことに
気づこうと思ったんです
そうでないと
わたしは
わたしのことばかり
考えたり悩んだりしてしまう
そんな生きものであることに
わたしが気づいたからです

季節の花のかおりや
きみの表情や仕草
なにかに触れたときの
その感触やときめき
真夏の夜のやさしい
夜風の心地よさに
気づくんです

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