何故こんなにも「ジャンル」設定が疎かなのか……真剣に定義してほしい!
別冊少年マガジン2018年8月号で「君が死ぬ夏に」が完結した。そして今月9日に、最終巻が発売される。
「君が死ぬ夏に」はラブコメ×ミステリーという斬新なジャンルで、とても面白くて人に勧めているのだが、調べてもらうとジャンルがピンとこないと言われる。
確かに、調べてみると、サイトによってバラバラだ。
◆Wikipedia
「青春ミステリー」となっている。
「ラブコメ」が、ない。お互に好きだけどそれに気づけない。その歯がゆいすれ違いで高まっていく恋心は、王道のラブコメではないだろうか。好きな彼女が殺された、好きだからこそ危険なことにも立ち向かっていく、ラブコメ×ミステリーとして面白い。
「青春ミステリー」だと、「金田一少年の事件簿」を思い浮かべてしまう。ヒロイン谷川の可愛さ、ラブコメ要素も「君が死ぬ夏に」の大きな魅力だから、それをジャンルに取り入れないと、これは本当に勿体ないと思う。
◆コミックシーモア
「ミステリー・サスペンス」となっている。
これでは適切な読者を選べない。西村京太郎みたいな硬派なミステリーも同じジャンルになってしまって、検索した時に、目当てではない「ノイズ」が情報として得られてしまう。
◆BookLive!
「推理・ミステリー・サスペンス、学園、ラブストーリー」となっている。
今回調べた中では、一番的を得ていると思った。そう、「学園」が舞台であることはとても重要で、これによって学生たちの物語だと理解できる。
ただ、「ラブストーリー」なのか「ラブコメ」なのかは、意見が分かれると思う。個人的には、谷川が幽霊で、ぬいぐるみに憑依したり、そいうったコミカルなシーンの散りばめ方からすると、やはりラブコメにミステリー要素を取り入れたと思ってしまう。
◆マンガBANG!
「サスペンス・ミステリー」となっている。
◆Yahoo!ブックストア
「ミステリー、サスペンス」となっている。
◆読書のお時間です
「ミステリー」となっている。
今回、軽く調べてみて、「BookLive!」以外はジャンル設定を真剣に考えていないと思えてしまった。
先日、以下を書いたのだが、
お金を湯水のように持っているわけではない。読みたい漫画、作品を探すのは大変で、興味のあるジャンルから、なるべく外れのない漫画をやっぱり買いたい。
でもこうやって、書店のジャンルは疎かになっていて、「ミステリー」だけで「君が死ぬ夏に」を定義されても、その面白さはほとんどの場合、表現できていないと思う。
ひとつひとつの作品を、じっくり調べてから買うのもしんどくて、そんな時間もなかなか取れないし、ジャンルである程度は、興味のある作品を絞り込みたいのに、前述の通りの有様だ。
業界にとっても、ジャンルを整備することは、「買いやすさ」に繋がると思うのだが、どうだろうか。ジャンルを示すこと、それである程度の作品の面白さ、魅力を表現できると思うのだが。
こうやって、書店毎にジャンル設定を考えられて、それが的を得ていないと、出版社としても適切な読者に訴求できないので、それは困らないのだろうか。
なので、自分でジャンルを定義して、それを共有することで普及しようと思って、私の「スキ」を分析する(MFTB)というアプリを作った。
このアプリで、「君が死ぬ夏に」を以下のように定義した。
「幽霊」!
ヒロインが幽霊であるということが、この漫画の重要な要素でもあるので、これは外せないと考えた。
「幽霊漫画」
というジャンルが果たしてあるのかと、それは疑問が残るし適切か分からないが、めいびいの「黄昏乙女×アムネジア」も同じくラブコメ×幽霊だと思っているので、「幽霊漫画」というジャンルは成立してもいいのではないかと思っている。
「君が死ぬ夏に」は、
・ミステリー
・サスペンス
・ラブコメ
・学園
・幽霊
とジャンル設定されていたら、ある程度、興味が沸かないだろうか?
読んでみたいと思えないだろうか?
学園が舞台で、ラブコメ展開になっていて、幽霊が出てくるミステリーかな?幽霊を暴く探偵ごっこラブコメか?
と、「ラブコメ」が好きな人も、あまり見ない組み合わせの設定っぽくて、興味あるな、と思えないだろうか。
ジャンルをどこまで細分化するのか、というのも課題だが、適当なジャンル設定になっているよりは、ずっと良いと思う。
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