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【続いてる写経 1765日め】嵯峨御流”いけばな”を体験してきた
現在東京国立博物館で開催中の特別展『大覚寺』。
関連イベントに嵯峨御流のいけばな体験に申し込み、行って参りました。
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このイベント、開催と同時に公式HPで告知されていたのですが、3日で満席だったようです。ありがたき機会をいただきました。
トーハクの講堂裏の小会議室、ずらりと机の上に用具やお花が並べられておりました。
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最初は嵯峨御流のいけばなの発祥や、考え方についてのレクチャーから。
嵯峨御流の発祥は、もちろん嵯峨天皇から。
平安の初め、嵯峨天皇が大覚寺の大沢池で、菊ガ島に咲く可憐な菊を手折り殿上の花瓶に挿されました。
その姿が「天、地、人」三才の美しさを備えていたことに感動され、「後世花を生くるものは宜しく之を以って範とすべし」とおっしゃいました。これがいけばな嵯峨御流の始まりであると伝えられています。嵯峨天皇の自然や草木に対する慈しみの心が、嵯峨御流の礎になっています。
ちなみに「天、地、人」とは、中国古来からの思想、この世は「天・地・人」の3つの関係で成り立っているとする、三つが揃うことによって、良い働きがあると考えられているのだそうです。
嵯峨御流のお花の生け方には、大きく分けると2つ。
・「伝承花(でんしょうか)」:嵯峨御流が誕生して以来、口伝や秘伝で伝えられてきた約束事を重んじた花、4種類ある
・「心粧華(しんしょうか)」:伝承花を発展させた、新しい感覚のいけばな、3種類ある
今回教えていただいたのは、伝承花のうち、主に水盤に行ける「盛花」。
お話、いろいろと興味深い。
けれども初めていけばなで、不器用な自分がうまくできるかがまずもって心配。
ちょいと頭にはいらない。
いよいよ、実技開始。
まずはハサミの持ち方。
親指人差し指で上の持ち手をつかみ、下を残り3本で支えるもの。
よく切れそう…。ちょっと怖いわ。うまく使えるか、緊張が走りました。
そしてお花の入った袋を開封。
本日は桜、アイリス、菜の花、立日陰という草。ww
まずメインになる桜の木を持ち、どの角度がいちばんよく見えるのか、お花にとっての”キメ顔”の位置を探します。
その時、位置が自分の肩の右にくるのか、左にくるのかで、花留(七宝というお花を固定する道具)の向きを決めます。
向きを決めたら、メインのお花から、定位置に差し込んでいきます。
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面白いのは、その位置を示す言葉が仏教用語の「体(たい)・相(そう)・用(ゆう)」と呼ばれていることです。
「体・相・用」とは、
仏教用語。体とは,本体のこと。相とは,本来の性質あるいは性能の意。用とは,性質のもつ働きをさす。一般に仏教では,衆生の心の本体そのものとその性質,さらに作用とは広大無辺であるところから,体,相,用の三大という言葉が広く用いられている。
今回は「体」の位置にメインの桜が入り、「相」にはつぎのメインアイリス、「用」に菜の花がはいりました。
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このあたりで用語に惑わされて何やっているかわからなくなりかけた…。
ですが、親切設計の体験教室だったので、サポートの先生がそばについてくれ疑問点を尋ねると、細かく指導してもらえたので何とか最後までたどりつきました。
うむ、まあまあ形にはなったかな?
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一応サポートの先生も褒めてくれたし。よしよし。
でもでも、レクチャーやってくださった先生のお手本みたら、おこがましかった。
先生の作品は、ビシッと芯が定まって決まっている。
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バランスと空間の取り方、配置の妙が違いました。
プロっぽいっというか、やっぱり修練を積んだ方の生けたものは違う!!
その違いに感激しました。
”いけばな”の奥深さ、思い知らされました。
けれども”いけばな”、思ったよりもとっつきやすかったです。
というのも、生け方のルールはあれど、”動作の作法”はうるさくないから。
和のお稽古ごとの中では、自由度高いかも。
型はあっても、ルールの中で自分なりの表現ができるし、個性もでる。
周りのみなさんの作品も、それぞれに美しく面白かったです。
また嵯峨御流で気に入ったのは、背景に密教的な世界観があることでしょうか。
七宝花留のデザインといい、曼荼羅のよう。
もう少しやってみたいなあと思いました。
得難い経験、企画・準備してくださったかた、ご指導してくださった先生方に感謝いたします。
このあとの展覧会の感想はまた別途。
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