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思いがけないところで泣いた、4度目の映画『東京リベンジャーズ』

映画『東京リベンジャーズ』が9月30日で上映終了と聞いて、最後にもう1回観ようか悩んでいた(延長する劇場も結構あるそうです)。

元々『新宿スワン』からの流れで、和久井健さんの原作が好きでずっと読んでいて、アニメも観ている。

7月9日に公開されてから、合計3回観て、ネタバレなしのレビューを書いた。もう散々語り尽くしている(本記事もネタバレなしです)。

それなのに、まだ観ようとしていた私。さすがに別の作品にしようかと考えた。

しかし、記事を公開したのが7月15日。最後に観たのは2ヶ月半も前のことだ。もうスクリーンでは一生観られないかもしれないんだぞ!(観る理由をください)

その間も『東京リベンジャーズ』はずっと上映し続け、近くの映画館を通る度にポスターを見かけては、心の中で一礼していた。

レビュー書かせていただきましたみたいな、意味不明の感情とともに。

そして私がよく行く映画館では、最終週だけ一番ハイテクな音響、かつドデカスクリーンで上映するとのこと。

最後の方はずっと小さなスクリーンで生き延びている感じだったので、何かグッときてしまって、今日無事に観に行った(理由ができた)。

4度目のリベンジャーズ

映画館で2回くらい観ることはけっこうあるが、4回も観に行ったのはいつ以来だろうか。5回ほど観た『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』ぶりかもしれない。

たくさんのキャストがわーっと出てわーっとなるカオスな作品で、それぞれのキャラクターを追っていくのが私は好きなようだ。

4回目ともなると余裕が出てきて、「高層マンション建設反対!」ののぼりに目が行ったり、「ここでこんな音楽流れてたかー」と気付いたり、後ろの方にいるキャストもしっかり見えてくる。

黒目の動きだけで微細な表情を作れる役者はたぶんこの世で北村匠海さんだけだし、磯村勇斗さんや吉沢亮さんの何も語らずして積年の重みを感じさせるお芝居は何度観ても素晴らしく、4回目がもっとも良いと思わせるのはさすがとしか言いようがない。

記事では文字数の関係で主要キャストのことしか書けなかったが、パーちん役の堀家一希さんや長内役の湊祥希さんなど、相変わらずキャスト全員の好演が素晴らしい。

キャストのことは放っておくと一生語り続けそうなのでこれくらいにしておくとして、本編で何度もうるうるしていた私は、結局エンドロールで一番泣いてしまったのだった。

エンドロール

▼レビュー記事では主題歌のSUPER BEAVER 「名前を呼ぶよ」を取り上げて、こんなことを書いた。

スクリーンのエンドロールで聴く歌には、サブスクでもCDでもライブでもなく、また動画で観た時でも味わえない世界が詰まっている。あと5分で日常に戻ろうかという、魔法が解ける直前みたいな時間だ。
音楽だって命を削ってできている。だから本当は、エンドロールが終わる瞬間まで一人でも多くの方が座っていてくれたらいいなと、密かに思っている。

3回目まではエンドロールの途中で帰ってしまう方々を見かけたのでこう綴ったのだが、4回目は1人も席を立たずに、しかもちゃんと集中して観ている感じだった(後方の席だったので全体を見渡すことができた)。

いよいよ上映も終了とあって、リピーターが集まっていたのかもしれない。だから主題歌もこの映画の一部だという認識が浸透していたのかもしれない。

明らかに「エンドロール後に何かあるのでは?」とかで残っている雰囲気ではなかった。純粋に、映画を最後まで鑑賞し尽くそうという空気が流れていたのだ。

何だか分からないが無性に感動して、その光景に泣いてしまった。何十年も映画を観てきて、初めて経験する涙だった。

自分が記事に書いたからそうなったわけでは、、ないよな。そりゃそうだよ分かってる。

でも、書いた後にその光景を見られるということが、こんなに嬉しいことなのだと知った。

リリースから3ヶ月の間で、この曲の良さも世の中に届いたということだと思う。できることならビーバーさんや皆さんに伝えたい!

公開から3週間でコストの回収を目指す映画業界。緊急事態宣言も発令される中で、邦画の実写で12週以上公開できたのはすごいことだと思う。

劇場側にも事情があるし、長ければ良いというものではない。

しかし長く上映されることで、私たち観客にも愛着が湧いてきて、同じはずのスクリーンの景色も、確かに変化していく。それが、映画の面白さなのだと知ることができた。


▼7月に書いたこの記事は、ネタバレなしの抽象的なレビューなのに、たくさん読みに来て下さってありがとうございました。

実はいわゆるGoogle砲に当たって、かなりのアクセスがありました。

Googleが良記事と判断する一つの目安のようなもので、スマホで『東京リベンジャーズ』を検索した時におすすめに出てくるやつです。

サイトのアナリティクスを眺めながら、この映画がいかに愛されていたかをずっと実感していました。明日で終わってしまうのがとても寂しい。

だからやっぱり、しつこいですが続編待ってますね! ずっと待ってますので!!

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▼こちらもよろしくお願いします!

THE FIRST TAKEの「猫」しか知らない我が友へ贈るDISH//の曲たち

※画像はみんなのフォトギャラリーよりお借りしました。ありがとうございます!Photo by ekakinonakagawa

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