ウソをついたら、泥棒になるのか。
「過剰すぎる心配」は、しばしば論理が飛躍する。
『10代の導き方』という視点で少し考えることがあります。子どもを大切に想う気持ちからくる、論理が飛躍している考え方があります。いつもは10代宛に書く気分ですが、今日は10代を導く側に書く気分です。
例えば、子どもが宿題を提出しなかったり、嘘をついたり、ダラダラしているのを見ると…
といった最もらしい思考が働き、「よし!!!ちゃんと教育してあげるべき!」という正義感で子どもを戒めるという展開にほぼ確実になります。
これを、子どもの前で直接言う場合もあります。教育者同士、保護者同士の会話でそんな雰囲気のミーティングが繰り広げられる場合もあります。私はその側で実際に見てきました。
10代の心境(深層心理)を代弁します。
くららの基本スタンスは、立場が弱くなりやすい「10代の味方」なので、10代の声を代弁したいと思います。(教育者や保護者も大好きです。)
もし、「ウソをついたら泥棒のはじまり!」的なお説教をされた場合、子どもがどう思うかというと、
というような心境になります。
決して、「ウソ」を肯定したいわけではないですが、「ウソ」をついたら、「泥棒」にはなる。と言うのは、論理が飛躍し過ぎです。
極端な発言は、極端な反応になります。良かれと思ってした教育は、むしろ逆方向に導いてしまいます。
教育する側としては、以下のような脳内のイメージをすぐに実現したくなります。しかし、実現するためには、「成長後」ではなく彼らがみている「イマ」の世界を一緒に眺めることができるくらいの対話が必要です。
心配は災いのもと。
「ウソついたら泥棒のはじまり!」みたいなことをガミガミと説教される10代の立場になってリアルに想像してみたのですが、正直気分は最悪でした。というか、「もう人生諦めよう。」と思いました。笑
心配して放つ言葉の全てが、10代にとって逆効果だと思います。
しかも、教育者や親のことを、10代は思っている以上に、
かなりかなりかなり、信頼しています。
超超超超超超、自分にとって大切な存在だと思っています。
(10代本人は、気づいていなかったりしますが。)
もし、大切な存在に、「あなたは、お先真っ暗になります。」みたいな予言をされたら傷ついて死にそうになります。それに気づかずに、お先真っ暗教育(脅迫教育)をし続けたら、心配が現実になって、本当にお先真っ暗になってしまいます。なのに、教育者や親は、割と気づいていないのです。むしろ、「よし!いい教育したぞ!ちゃんと伝わったはず!これで大丈夫!」と満足しているケースが散見されます。
信じよう!!!
んじゃあ、ウソもついてて期限も守らなくてダラダラしていても、ほっとくのが正解なの!?!?
わたしは、
「ウソをついていること」
「ダラダラしていること」
「期限を守っていないこと」
この状況をキャッチしていること自体が大きいと思っています。
問題なのは、ウソをついているかどうかも知らず、ダラダラしているかどうかも知らず、期限を守っていないかどうかも知らないで子どもを放置していることです。
教育する側の人間が、子どもの状態を持続的にはっきり認識しているなら、もうそれで十分すぎると思います。それだけ見守ることができているのが、すごいことです!愛情100点満点です。
あとは、お説教ではなく、「信じること」に尽きると私は、思っています。
信じて見守っていたら、自分で気づける日が来るのはそう遠くないことが多いです。そして相手が自分を信じてくれているかどうかは、10代に必ず伝わります。さらに信じてくれている人を裏切らないようにしたいという心理も働きます。また、失敗しながらでも、気づく時は必ずきます。教育者も親もいない場所、例えば友人関係の中で気づくこともあります。
それで、気づいたんだな、ということが分かった時にすかさず、
「とても大事なことに気づいたんだね!」
と認めてあげたら、大成功。
(しかし、すぐに言及しないとよくないくらい、悪いことをしてしまったケースもあると思います。そういう時は、話すタイミング、話す方法、話す人、どういう言葉を使って話すか、などありとあらゆることを考慮に入れながら、よく考えてチーム戦で、長い期間かけてアプローチしてこそ、ようやく、うまくいく可能性が浮上します。というか、それほど悪いことをしてしまったというのは、見守られていなかった期間が長かったことになります。)
10代は人生で最も重要な年代だと思っています。特に思春期は自分でもわからないくらい、なんか知らないけど、当たり前のことでも上手くできないことがあります。涙を流して訴えても、伝わらない。信頼している存在に、疑いの視線や、呆れた視線で眺められる眼差しに、死にたくなるほど苦痛を受けます。
10代にとって、どんな自分だとしても受けとめてくれる存在の1人でありたいなと、くららは思うのです。そしたら、10代はものすごい才能を開花して、うちに秘めたパワーを爆発させてくれます。