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魔除けの鬼柚子
今年もいよいよ押し詰まってきました。
大きな大きな柚子。
獅子柚子、または鬼柚子と呼ばれています。
獅子や鬼は邪悪のものを排除するため、その名の通り魔除けとして、
また、実入りが大きいということで、千客万来の縁起物として、お正月の飾りにされるそう。
食べる方では、もちろん薬味や香辛料として大活躍のほか、日本酒や焼酎などの酒造りや、干物や惣菜の香り付けなど、使い途は多岐にわたると聞きました。
初めてのものゆえ、飾るよりも作ってみたくてたまらなくなり、
一つは塩柚子に、もう一つはママレードにしました。
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小さなゆずほど強い芳香ではない代わりに、ほんのりスモーキーな佳い香りがします。
塩ゆずは実の1割の塩を用意し、
丸ごと茹でこぼしたあと、ザクザク切って種を除き、塩とともにフードプロセッサーにかけました。
ママレードの方は、皮を厚めに剥いて刻んで計量し、皮の6割の甘味(蜂蜜にしました)を用意します。
皮は三回茹でこぼし、果汁と果肉、薄皮と甘みを加えてほうろうの鍋でゆっくり煮ました。
お好みでそのあとフードプロセッサーで滑らかにすると、料理にも使いやすいです。
出来立ての塩ゆずを生の鮭に塗り付け、西京味噌の漬け床に挟んで2日ほどつけたものです。
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洗って水気を拭き、フライパンで香ばしく焼くと、香りとともに冬の味わいが存分に楽しめます。
(味噌の漬け床は、西京味噌10:酒1:みりん1を混ぜて冷蔵庫で保存しています。塩を振ってしばらくしてから汁気を拭き、ガーゼで挟んだ魚を何度も漬けられます。
味噌床自体は半年以上保ちますが、水分の多い魚を漬けると傷みやすいので、別にとって漬け込んでいます。)
また、平政やカンパチなど、脂の乗った魚の刺身に、醤油代わりに。
ママレードは豚などのブロック肉料理に合いそうなので、これから楽しみです。
来たる今年の冬至には、この大きな柚子のお風呂にしてみたくなりました。
身体に忍び寄る風邪なども魔物のようなもの。
果皮のビタミンCやクエン酸を味方に、
うまく避けて無事に歳を越したいものです。
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いつもの忙しさに加え、19歳の老犬の介護が始まり、さらに齢六十を過ぎてから身の程知らずに始めたいくつかの勉強が、思いのほか手強い存在となっています。
仕事以外で出かけることもほとんどできず、
ゆったりと日々を振り返るゆとりもないまま、追われるように時が過ぎていくばかりの今年の後半でした。
こちらへの投稿も随分久しぶりになってしまいましたが、おかげさまで体調も昨年より良くなったことも手伝い、以前ならこういう時に現れがちな焦燥感をあまり感じずに過ごせています。
人生で例えるなら、すでに秋を迎えている私。
自分の残り時間を考えれば、もっとあれもしなきゃこれもしなきゃ、と焦りそうなものですが、
長年留守番ばかりさせたペットを含め、周りの役に立ったり、今は力が足りずともいずれ役に立てるための努力をする過ごし方は、あながち間違っていないのかも、と思うようになりました。
来年からはもっと自分のペースで、食生活を通して嬉しかったことや新たな気づきを見つけるたびに、できるだけこまめに書いていけたら、と考えています。