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愛おしい独りの時間〜やわやわ茶碗蒸しと、トマトのコンフィー
今日は金曜の夜。1人で過ごしています。
秋の深まりとともに、朝晩の冷えも厳しさを増してきました。
こんな日は身体に優しいごはんで、
のんびりな夜を。
今夜は、やわやわ茶碗蒸しを作りました。
うちのは
卵一個にだし180ccの割合が定番。
150ccのレシピが一般的なので、
かなりやわらかめです。
どうってことないけれど、口どけの良さが気に入っています。
はじめのひとさじ入れる時の嬉しさには、
飽きることがありません。
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写真では大きさがわかりにくいですが、中華セイロに入るギリギリの大きさの鉢にいれて蒸しています。
もちろん一人ずつの茶碗でも。
この割合で卵と牛乳を合わせるプリンも、
型から抜けない程のやわやわ加減で良い舌触り。
大きめに作ったので、卵は3個、出汁は540ccで。
頂きもののおいしい昆布に、削り節で濃いめにだしを取り
(面倒ならば水と一緒に入れてレンジでも取れます)
漉したら塩小さじ1弱と薄口しょうゆ小さじ1、みりん小さじ1で
溶いた卵とよく混ぜ合わせ再び漉します。
器に流し
蒸気の上がった蒸し器にいれたら、
弱火にして蒸しあがるまでのんびり待つだけ。
器の大きさや深さによって固まる時間は違うので,たまに覗いてフルフルと固まっていれば出来上がり。
15〜25分が目安です。
蒸し料理は、火加減さえすれば焦げたり行き過ぎたりもしないので、
のんびり構えていられるのが、ありがたいところ。
具は色々入れて、食べてのお楽しみも良いけれど
具なしで蒸しあげて
たっぷりの具をあんかけにして上からとろりと、もなかなか良いです。
あんかけの具はなんでも、あるもので作れます。
今日は昆布だしに、包丁でつぶしたえびとまいたけ、油揚げとせりを入れました。
(海老は切らずに包丁の腹でつぶすとプリッと感が出ます。)
具をだしでさっと煮てあくをとり、みりんと醤油、しょうが汁少々で味を調え、
水溶き片栗粉でとろみを薄くつけます。
あればゆずの皮も散らすと良かったかも。
蒸しあがった茶碗蒸しの上に
あんをそっとかけて供します。
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あんがかかると冷めにくく、乾いていがいがしがちなこれからの喉にもつるりと入ります。
蒸しあがりを待つ間にもうひとつ、のんびり料理を。
低温のオーブンで保存食作りをしました。
トマトのコンフィー。
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湯むきした小ぶりのトマトにオリーブ油と塩胡椒、オレガノやパセリ、タイムなど好みのハーブをかけて、
低温150℃のオーブンで1時間じっくり火を通します。
同じ低温焼きでも、皮つきで乾燥させるドライトマトとは違っていて、
瞬時に他の素材となじみます。
サラダに刻んで入れたり、ソースにさっと加えてコクを出したり、
忙しい時に、時間をかけたような深みがすぐに加わる、嬉しい味方。
一度作れば2週間も持ちますし、
トマトがたくさんあるときに、不意にやりたくなります。
かきのソテーにさっとまぜてみたり。
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サーモン刺身とパプリカと和えたり。
色が同じ食材は、味もよく合うものです。
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もちろんパスタやピザにも、スープにも。
ちょっと濃いトマト。
トマトピュレや水煮缶の代わりにどうでしょう🥫
時間に追われる日々の狭間に訪れる、
独りのこんなのんびりな時間。
たまらなく嬉しく有り難いものです。
次第に歳をとり、独りやのんびりのこんな時間がどんどんと増えていくのでしょう。
下重暁子さんが著された「極上の孤独」にあったのが、
自分自身と対峙する覚悟と引き換えに得られるのが、孤独という名の自由だ、という捉え方。
なるほど言い得て妙だと感じました。
独りの夜。
覚悟のほどは我ながら未だわからないものの、
なかなかに愛おしい時間でもあります。
大鉢の茶碗蒸しを、気づけば半分平らげてしまいました。