真冬のおやつに、パンデピス。
2023年はじめの朝から、あっという間にもう半月が経ちました。
寒さ厳しいところと、そうでもないところの差がかなり激しい年明けになっています。
我が家の正月は、少々波乱含みでした。
元旦早々、家族が階段を踏み外したり、
初詣で頂いてきたお札をしまっているフレームのガラスを、私の不注意で割ってしまったりして…
幸いにも怪我は大事なく、自身の粗忽も相変わらずともいえますが、
なんとも言えぬ不安な思いを抱いていたときに
ふともらえる優しさや思いやりは、
より深く強い有り難さで心に沁みるのだ、と気づきました。
仕事でも、それ以外でも
年明けから優しいひとやものごとに次々出会え、
心温まる日々が続いています。
新年早々ですし、
不安なことより幸先のいい話を。
今年初のひとりランチは、
先週初めの浅草橋でした。
時間がなく、通りすがりで飛び込んだのは、
アルザス料理の小さな店。
もう1時半を回っていたのに、
嫌な顔もせず、
ニコニコとひざ掛けを渡してくれました。
アルザス民謡でしょうか、
店内には、
うきうきするような明るい曲が流れています。
時分を過ぎていたので、客は私一人になり
あれこれ気のつくお店の方が奥に引っ込むと…
浅草橋なのに、
大きな黒板のメニューも日本語なのに、
なんだかドイツやフランスの片田舎にある
ちいさな店にいるようで。
料理も、どれもドイツに近いアルザスの素朴な温かさがあり、
極薄の生地にフレッシュなチーズ、玉ねぎ、ベーコンをのせて焼いたピザのような、タルト・フランベをいただきました。
玉ねぎがシャキシャキなのに甘く、
ベーコンとチーズの風味もくせになって
こんなに大きいのを、1人でペロリ♪
さらにデザートも…
せっかくならアルザスのもので、と悩んでいたら
「今日は暇ですから、両方半分のサイズでどうですか?」と察してくださって。
お言葉に甘え、
クグロフと、パンデピスを*\(^o^)/*
(これが、ハーフサイズだなんて…!)
この1時間足らずの間、
さまざまな思いやりがうれしく
いい仕事始めになりました。
外まで見送ってくれたお店の方にお礼を言いながら振り返り
看板を見たら、
「gentil」
もしかして、とドイツ語の辞書で調べたら、
やっぱり、
英語の「gentle」。
小さいお店だけれど、
心に残る優しさでした。
そしてこの日頂いたパン・デピスも、
素朴なのに忘れられず。
直訳はスパイスのパン。
クリスマスでなくても、
スパイシーな風味が、真冬によく合います。
座っていた席の傍らにアルザス料理の本が立てかけてありました。
その中で見つけたパンデピスのレシピを先生に、
好きなものをいっぱい入れて、焼いてみました。
はちみつたっぷり、混ぜて焼くだけ、
失敗なしのシンプルなレシピです。
*パン・デピス レシピ
材料ー10㎝×20㎝パウンド型1本分
フランスパン用強力粉120g、ライ麦粉または全粒粉120g、ベーキングパウダー12g、シナモン小さじ1/2、ジンジャー小さじ1/4、クローブ・ナツメグ各小さじ1/8、牛乳1/2カップ、はちみつ180g、卵L玉2個、ブラウンシュガー60g、好みのナッツやドライフルーツ(クルミ、アーモンド、イチジク、オレンジピール、プルーンなど)適量、杏ジャム、飾り用スパイス少々
作り方
1、粉類はふるっておき、オーブンは170℃に温めます。
2、牛乳とはちみつを鍋に入れて温め、はちみつが溶けたら、粉類を3回に分けて入れ
泡立て器でざっと混ぜ、木べらにかえます。卵とブラウンシュガーを混ぜたものも2回に分けて加え、全体を練らないように混ぜ合わせたら、刻んだナッツとドライフルーツも混ぜ合わせ、紙を敷いた型に入れて平らにならし、中央に指で切れ目を1本入れて20分焼き、150℃に下げて25分焼きます。
3、杏ジャムを少量のお湯で緩めたものを表面に塗り、ナッツやスパイス、ドライフルーツを飾って。
※フランスパン用の粉で作ると、外側がカリッとします。
※本のレシピは牛乳の代わりに溶かしバター60gを使っていました。
バターだとよりパンらしくなり、牛乳入りはよりしっとりと、お菓子な感じです。
※お店のはナッツやフルーツなしでした。わたしはくるみといちじくをたっぷり。
お好みでスパイス強めも良いですね。
好みのジャムやクリームを添えても。
レバーペーストやテリーヌなどの料理にもうまく寄り添ってくれます。
年末からつづいた忙しさも、
やっとひと段落した今
少しずつゆっくり食べられる焼き菓子で、
のんびりお茶でもすすりたいです。
新年早々起こったことは、
深く考えず、気をつけなさいとの戒めと考えて、
まずは足元に注意。
そして何事も丁寧に扱うように。