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kaoru
2022年3月22日 01:22
妻の実家の家系図に、時の流れの音を聴いた。昭和の終わりに義理の曾祖父が書き記したもので、黄ばんだ細長い紙の一番上には「七右エ門 寛政七年(一七九五年)没」と残されていた。二百年以上も前の時代を生きた人物が今確かにここに繋がっているのを感じ、思わず息を呑んだ。妻は、福島県会津地方の緑ゆたかな農村に生まれた。曾祖父よりずっと前から代々守られてきた風光明媚な土地とともに、その家系図はあった。寛政