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《冬至参拝⑤》


〜奥の院  意識とプリズムと山登り〜




キラキラ キラキラ

サンキャッチャーからこぼれ落ちる 虹色の光が 
まわりながら ゆれていイメージ。


ここはどこだろうと 視線を遠方へこらすと
山の上で 風が吹いている 

虹の光は その夢の中で
「イマココ」のマーキングをする座標軸だった。

ここだよ。っと印をつける。
他の次元からも ここがきらめいて 見つけらるように。

「ちゃんと ここにいる」

“存在”が 大事なニーズだった。

しばらく前から そんな夢を何度かみていた。


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夢から覚めて、しばらくぼんやりしながら
今のは 何だったんだろうか と思い返してみる。

夢の中の事は 手の中の砂が
ポロポロ指間から落ちるように
どんどん記憶から はずれていく。

ただ とても大事なことだったんだという感覚と
感情の小さな揺らぎだけが 波紋のように残っている。


2020年はコロナにより 様々な無意識にあったものが 
表に出てきて 反転したように感じた年だった。


“未知のウイルスの蔓延”という 
一昔前のSF小説みたいな内容が今現在の現実。

それぞれの人が、個々に核のところで
何を恐れている、潜在的な不安が透けて見えた
世界的な社会実験のようだった。

今一度 存在が揺さぶられたんだと思う。


こんな形で最後の審判がやってくるとは思わなかったなぁ。



致死率から見れば 毎年のインフルエンザの方がよっぽど高いし

危険度合いから見れば  今だ放出し続ける
福島第一原発からの放射性物質の方がよっぽど深刻だと思う。


今日も 再度 緊急事態宣言が出たと
人の動きにストップがかかっているけれども

そもそも10年前に出た
311の緊急事態宣言はいまだに解除されていないし。


何も基本的安全の保証になんか ならない。


そう。この世界に 確かなものなんて 

そもそも  

ほんとうはないのだ。


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確かなものはない 宇宙の

時計のはざまの時空間に 
たった1人丸裸で放り出れたように


あわあわと 何かをたぐりせようする人と


のびのび手足を伸ばし 自由を謳歌する人。


その“ちがい”は 「意識」。

いわば“捉え方”に他ならない。




同じ情報をキャッチしても その捉え方は個々の自由だ。



光をキャッチして 各々の角度に反射する様は
まさに プリズムそのものだと直感した。



人というクリスタルに 光が当たった時 
それをどう転写するか。



人それぞれの ルーツや 信念 経験 在り方が
屈折の魔法となり それぞれ唯一無二の
美しいプリズムになる。



そんなプリズムを 反射させ 
『私たちは 今ここにいるよ』と印をつけることが
大切な気がした。


誰のためでもなく 夢でとらえた『大事なもの』の
残した  “ゆらぎ”を 追うために。

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山の獣道を たった一人でリュックを背負い 昇る。

今年は例年になく 積雪が全くない。

山頂の奥の院には毎年 春分と冬至と 元旦には登ってきたけれど
(夏至や秋分の頃は真ダニがいるのでパスしてた。)



こんなに道が荒れた様子なのは初めてだ。

それでも 獣道がわかるのは 前日登ってくれた森家の5人のおかげ。

草がふまれた跡や、倒木を乗り越えた跡があって心強い。

前日 幕別の 菜ひよりさんで 
みすずちゃんのカレーを食べに行った時
一家で来ていた さっちゃんから、
オーダーしておいた今年の〆縄を受け取った。

そのあと食事中に、5年前の十勝白十字プロジェクトの話しになり
そのあと家族で山頂まで参拝してくれたのだ。

「行ってきたよ」の報告のラインには社が映っていた。


べったりくっついて 何かを一緒にすることは無いけれど、

それぞれがキャッチした直感にしたがって、パスがつながり 
立体の大きなものの 片鱗が見えてくる様は嬉しい。



息を切らしながら 山道を登り続ける。

熊笹の葉が繁って、滑りやすいところや
小枝や蔓に足を取られないよう注意しながら登る。

オオバユリの群生に触れると 種が風に乗る様が美しい。


だんだん 風が強くなる。

ザザッと木立を揺らす様は まるで天狗が駆け抜けるようだ。

振り返ると はるか下方にゴルフ場や養鶏場が見渡せる。
戦前には 麻工場だった場所。
時を超えて今の姿。

圧倒的に変わりゆくものが占める世界で 

神社や山 湖などは

世代を超える 場所なんだな。

変わりゆく中の 変わらない場所。 印。


そんなことを 思いつくままにくの字に曲がった山道を歩むと
ようやく山頂が見えてきました。

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(この写真は、山頂への道から見た5年前の風景です)


⑥へつづく

(読んでくれてありがとうございます)


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