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水瀬いのり「Inori Minase LIVE TOUR 2024 heart bookmark」千葉DAY2公演 ライブレポ

 11月3日(日)LaLa arena TOKYO-BAY.
 声優だけでなく音楽アーティストとしても活動する、水瀬いのり。今年8月21日にリリースした1st ハーフアルバム『heart bookmark』を携えて開催した、過去最大規模のツアーのファイナル公演に行ってきました。ライブ参戦は昨年10月のツアー”SCRAP ART”のファイナル公演ぶり。

 ハーフアルバムは、新録も5曲と多かったのでライブで聴けるのが楽しみでした。アーティスト活動10周年を来年に控えた今、アルバムに込められた、ページにしおりを挟むように「この先も物語が続いていく」という想いを、改めてライブではどう伝えてくれるのかも気になるポイントでした。

 早速、リスアニ!さんからライブレポが上がっていたので、お衣装やステージの写真、MC等はこちらを参照して頂いて、私の方でも簡易的なレポと感想を書いていければと思います。


 まず会場のLaLa arenaは今年完成したばかりで、勿論来るのも初めてでした。キャパも形的にも昨年ライブしたぴあアリーナとかなり似通った会場でしたね。自分はアリーナ席でしたが、スタンド席も4階にいくほど傾斜が急になっている様に見えたので、比較的どこからでもステージが見やすい会場なのかなと。

 そんな事を考えながら開演を待っていると、定刻通り暗転し、OP映像を経てライブは「We Are The Music」でスタート。どちらかと言えば終盤が似合う曲ではあるんですが、開幕曲としても全く違和感なく寧ろ新鮮さが良くて。サビでは手を横に振り、彼女達のライブと再会できた喜びが湧いてきました。続けて「Sweet Melody」も披露し、この曲も「ありがとう!」が直接歌詞に含まれている位には終盤曲なんですが、それだけ彼女の想いが先行しているのが伝わってきて序盤なのに既にエモーショナル…。歌い終わると「今日という日を一緒にブックマークしていきましょう!」と改めてライブ開幕を告げる掛け声をくれました。

 MCでは、挨拶をしてクラシカルな衣装を披露をした後、開演前から存在感があったステージセットにも触れてくれました。「(ハーフアルバムのロケ地になった)パリで見てきた景色をイメージした様なセットで、私のために特別にセットを組んで頂いた。頭の片隅にあった、"こうしたいな"って想いも形にして頂いたので、演出含めて注目して欲しい」的な事を言っていましたね。実際、色んなギミック演出は勿論、楽曲毎にライトアップで街並みの雰囲気が変わる仕上がりがとても良かったです。

 コーレスもして温まったところでライブは「Ring of Smile」で再開。聴くの久々すぎてオタクスマイル止まらんかったですね(まとめによるとBLUE COMPASSぶりだった)。続けて、ハーフアルバムから「ほしとね、」をセットのカフェテラスの様なスペースで椅子に腰掛けながら、何とも言えない表情で歌唱してくれました。また場所を移動して、今度は橙色の街頭に照らされたベンチに座りながら「ソライロ」も披露。まさに夕暮れ時を思わせる様で、温かい歌声に視覚的効果も相まって哀愁すら漂わせた時間でした…。

 「Catch the Rainbow!」のイントロメロディに合わせて、バンドメンバー紹介がされたんですが、1曲目からずっと驚きしかなかったのは、ヴァイオリンとパーカッションの加入。今年のアコースティックライブから引き続き加入が決まったみたいですが、自分は都合が合わず行けていなかったので、今回が初体験。これでいのりバンドは7名(+マニピュレーター)の計8名体制になったんですが、これが本当に良かった。厚みやアレンジが増えるし、ベルやチャイム、ストリングスの音色が添えられると華やかになるなと。

 いのりちゃんは今度は真っ赤なドレス衣装で、なんとセットの建物のバルコニー的場所から登場し「フラーグム」を披露。ステージ上部・下部で分けられる事は多々あるけど、このパターンを見るのは初めてかもしれない。柵があるので高さだけでなく、奥行きも感じられて良かったです。ライブで聴くとサビ前のグルーヴがダイレクトに伝わってきて、良かったですね。身体が自然と揺れた。下に降りてくると、「Kitty Cat Adventure」も続けて披露し、武道館ぶりにキュートなキャットダンスを魅せてくれました。今もなお恥ずかしさが消え切っていないのが本当に良かったですね。カワヨ。

 MCでは、ファイナル公演という事もあり、メンバー1人1人から挨拶や掛け声を貰って益々活気づきました。そのまま男の子!女の子!のコーレスもやったんですが、1stライブの時はポツポツしかいなかった女の子の声が四方八方から聞こえる事に喜んでいたの良かったですね。その後「女の子が逃げないように優しくしてあげて環境を守っていこうね、SDGs。SDGs」は面白すぎましたw いのりちゃんの変な言葉選びにはいつも笑かされます。

 再びハーフアルバムから「グラデーション」を披露。アコースティックギターも登場し、そよ風が吹く様な穏やかな空気感の中で癒される時間を過ごす事ができました。続いては「夏夢」これも久々~!!やはりDメロが堪らなく好き。ヴァイオリンの美しい音色も加わり、原曲以上に哀愁が漂い、涙腺を刺激する感情のこもった歌声が響き渡りましたね。この2曲はどちらも独特の温度感を持っているので、ライブ向きだなぁと改めて。

 ライブも折り返しに来ると、幕間映像として、フランス・パリでのロケの様子を収めたドキュメンタリー映像も流されました。当時を振り返る本人のコメントもありつつ、終盤には恐らく前日かこの時点までの?ライブ映像も付いててビビりましたね。後半戦は、「スクラップアート」⇒「アイオライト」と続くカッコイイパートでスタート。昨年のツアーで初披露し、今年のキンスパでもセットで披露された2曲。すっかり板についた流れとなり、華麗なパフォーマンスに見惚れてしまうので、自分も気に入っています。この日3着目となる衣装もこの2曲に似合う装いで、頭の髪飾りから首元のチョーカー、足先のブーツまで光沢がキラキラと輝いてて存在感抜群でした。

 どうやらパリでは友達ができたみたいで、「脱コミュ症です。御先に!」とファンを華麗に煽っていくMCが微笑ましい限りで。友達とだけでなく、「気を遣わないでいられる、自分らしくいられる時間や空間が愛だなって感じる」とそんな事も言葉にしていました。あとは「海外でイベントには参加した事あるけど、ソロライブはした事ないので実現したら来てくれる?」みたいな話もしてましたね(彼女に限らず海外遠征は今後要検討中…)。

 そして「想い出やあの日を思い浮かべながら聴いて欲しい曲です」と、「八月のスーベニア」⇒「三月と群青」を続けて披露。まさか藤永龍太郎さんが手掛けた名曲が続くとは思わず、天を仰ぎ涙腺崩壊…。「三月と群青」は想い入れも強いし、一番好きな曲なので久々に聴けて嬉しかった。それに歌う度に進化しているなと…。仕草も、表情も、発声も、歌い方も。その結果"今の"「三月と群青」が好き、を更新してくれるので感謝しかないです。

 お次は代表曲「Starry Wish」。ライブではお馴染みの1曲ですが、この日は特に力強さが際立っていた気がしますね。歌声も自信に満ち溢れていると云うか、バンドの支えもあって。アウトロでは豪華なロングアレンジもなされ、毎度どこかの1曲でバンド最大の魅せ場を作り上げる"いのりバンド"には頭が上がりません。ガチでカッコよすぎて、今回も思わずメロイックサインを掲げてしまいました。気付けばヴァイオリンがバルコニーに移動してソロも披露してくれて、その後、ステージ上手側の建物に付いていたランタンがぽっと灯り、ハーフアルバムのメイン曲(だと思ってる)「燈籠光柱」が披露されました。音源時点でライブ映え必至の名曲だと確信していたんですが、想像以上の光景が拡がってましたね。ステージ上とフロアのペンラによって、19世紀に街灯で街路を照らし始め「光の都」として知られるパリの輝きを思わせる情景が目の前に広がり、華やかで壮大な生バンドの音、伸びやかな歌声、そしてファンの皆のクラップやシンガロングが一体となり、圧倒的な空間が生まれていました。初めてライブに参加した時に味わった「ライブって本当に最高だな…」っていう凄くピュアな感情まで蘇って、視界がぼやける位には涙が溢れてた。あの多幸感と感動は一生忘れないです(燈籠光柱はライブ映像かMVを作って公開して欲しいと心から思います)。

 MCでも、「燈籠光柱」については、「切なさや風情があったレコーディングの時とは違って、これからも未来へ一緒に進んでいく気持ちが色濃く出て良かった」と嬉しそうに笑顔を浮かべていました。そんな未来についても話してくれて、「夢はもう日々叶っているから。未来を考えるのは得意じゃないけど、今が未来へ続いていったらいいな」と、これまでと変わらない彼女らしい言葉も聞けて安心しました。

 ライブも遂に終盤、「My Graffiti」では"素直に あるがままに"と、これからの意思を示す様に歌い上げ、続く「glow」では"未来に筋書きなんて何もいらない"と、これまでの想いを掬い上げつつ明るい未来を想像させてくれました。メッセージ性の強いこの2曲が続いた後、本編ラストに披露されたのはやはり、ハーフアルバムのタイトル曲であり、ツアータイトルにもなっている「heart bookmark」。会場全体に響き渡る"We are all right!"のシンガロングに包まれ、いのりちゃんも自撮り棒を取り出して客席やバンドメンバーを撮影していて、笑顔にならざるを得なかったですね。開幕の宣言通りに想い出を共にブックマークし、ライブは一旦幕を閉じました。

 今回もファンの熱烈な"いのりん!いのりん!"コールに応えて、アンコールでは、パリジェンヌ仕様のくらりちゃんが付いたトロッコに乗りながら「Step Up!」を披露。コールが楽しい超ライブアンセムで大好き!会場も大盛り上がり!いのりちゃんも歌いながら、笑顔を絶やさず沢山のファンサを届けており、残り半周のところで続けて「笑顔が似合う日」へ。多分2021年の町民集会ぶり。生バンドで聴けるのレアすぎて嬉しかったですね。昨年のライブに引き続き、距離5m圏内の処まで来てくれて至高のひと時でした。あと、腰にチーバくんのストラップ付けてて嬉しかった…(千葉県民より)。

 MCでは、いくつか嬉しいお知らせが続いた後、来年迎えるアーティスト活動10周年についても少し触れてくれました。どんな企画が待っているのか本当に楽しみです。そして、いよいよアンコールラストに披露されたのは、「MELODY FLAG」。今一度ここに旗を立て、この旗のもとに待ち合わせできる様にと想いを一つにしていきました。タンバリンを片手に楽しそうに歌う姿も印象的だったし、ラスサビ直前で銀テも舞う中で揃って跳べたのも最高でした。曲の終わりには、ツアー7公演目と因んで、会場全員で7回ジャンプをして盛大にライブを締め括りました。

 これで終わらず、千秋楽恒例のWアンコールも実現し、いのりちゃんとバンドメンバーがステージに戻ってきてくれました。改めて、今日まで続けてきて良かったと感謝を伝えつつ、「皆さん"まだまだ"声出せそうですし、"まだまだ"腕も振れそうですね」と言葉にしていて、遂に"夢のつぼみか⁈"と期待したんですが、「ライブの始まり、1stライブのタイトルにもなったこの曲!」と告げられ、それはもう「Ready Steady Go!」でした。どのみち嬉しい!ライブ定番曲ですが、Wアンでは初。これで本当にラストだと、最高潮を作り上げていく会場の熱気が凄まじかった。無線制御のリングライトが配布されていたので、タオルを回しても光が絶えることなく圧巻の景色も広って、最高に楽しいフィナーレを迎える事ができました。


 今回も約3時間に渡る壮大なライブでした。2018年からライブに参加していますが、ガチで今迄のライブで一番良かった。細かな演出から派手なシーンまでパワーアップして、特にいのりバンドとセトリの流れですね。前者は先述した通り、楽曲の魅力を更に引き出してくれて今後も楽しみで仕方がないです。後者はMCでも「心の中にある気持ち、普段は言葉にできないモノローグを伝えてくてセトリを考えた」とも語っていた様に、彼女の今の想いが楽曲を通して真っ直ぐに伝わってきました。最後の挨拶での「自分が自分であることが幸せになるツアーになった」という言葉も印象に残っていますね。幸せを共有できる空間が確かに出来上がっていたし、見た事ない景色を見せてくれて、体験させてくれて、感謝の気持ちで一杯です。

 アーティスト活動10周年を控えた今、舞台造りへのこだわりや、伝えたい想いがさらに明確になり、彼女はもう単なる歌手ではなく、正真正銘のアーティストになったなと感じます。ステージ上でも堂々たる佇まいで、貫禄も増しつつ、本当に笑顔が多くなった。そんな彼女は勿論、それを支えたスタッフやバンドメンバー、全力で盛り上げたファンの皆んなも凄い。このライブ現場が大好きなだなと改めて実感できました。
 あとは跳びポ増えたな~、声出しデカくなったな~と、嬉しくなる瞬間も多かった。昨年から声出しが解禁され、ここまでの成長を感じられるとは。ツアー全通しているファンがそれなりにいるとは言え、凄い事だなと思います。この一体感を大切に、次回以降にも繋げていきたいですね。また必ず遊びに行きます。改めて、素晴らしいライブをありがとうございました!

【セットリスト】
1.We Are The Music
2.Sweet Melody
3.Ring of Smile
4.ほしとね、
5.ソライロ
6.フラーグム
7.Kitty Cat Adventure
8.グラデーション
9.夏夢
10.スクラップアート
11.アイオライト
12.八月のスーベニア
13.三月と群青
14.Starry Wish
15.燈籠光柱
16.My Graffiti
17.glow
18.heart bookmark
(encore)
19.Step Up!
20.笑顔が似合う日
21.MELODY FLAG
(W encore)
22.Ready Steady Go!

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