新曲で彩る一週間【1/20~1/26】
どうもです。
毎週恒例の新曲感想記事。1/20~1/26リリース分です。アルバム、EP、シングルを対象に、自信をもってオススメできる新曲をお届けします。読んでくださった方に1曲でもステキな出逢いがあります様に。ではどうぞー。
#1『ようこそ!もちなぎボールルーム!』/ 初凪おもち
記念すべき初のオリジナル楽曲。まるでパレードが始まったかの様な華やかさを前面に押し出したロックナンバー。ギターソロ搭載も激アツ。リズミカルなサビメロに自然と身体が揺れてくるし、ライブでは皆でシンガロングできそうで良いですね(アウトロも)。可愛らしい声質で、明るく弾むような歌声もステキでした。
#2『Ephemeral』/ 心世紀
3rdシングル。「一瞬の心のつながりが紡ぐ儚さと喜び」をテーマにした1曲。軽快に駆ける様なジャジーな音色が美しく、耳を心地よく包み込んでくれる一方で、サビが特にテーマを描き出しているなと。鮮やかに解き放たれる儚くも力強いメロディが胸を打ちます。3人の芯のある巧みな表現力にも脱帽で、特にラスサビの畳み掛けがアツい…。
#3『新星目録』/ 星街すいせい
3rdアルバム。自身初のストリーミング累計1億回再生を記録した大ヒットソング「ビビデバ」をはじめ、山内総一郎、Giga×TeddyLoid、川谷絵音、Deu、なとり、春野、高橋諒、など、多彩かつ強力なクリエイター陣が手掛けた全11曲を収録。
「新時代を作る」をキーワードに“革命”を掲げた意欲作。メディア露出も増加し、VTuberの存在を世界に知らしめる、歌を矜持として突き立てる、そんな強い意志を感じる1枚でした。全11曲に渡り、どれも強烈な個性を放つ錚々たる楽曲が揃った印象。Tr.1「先駆者」で狼煙を上げ、Tr.2「ビビデバ」でシーンを席巻、Tr.3「AWAKE」で剝き出しの情熱を放出、鋭利で強烈なボーカルワークも光り、無敵感すら感じる攻めの開始3曲だと思います。中盤では、更にオルタナロックからチルウェイヴの波までも取り込み、多面的な魅力を覗く事ができました。特にTr.5「Caramel Pain」では、情感をよりドラマティックに魅せる歌唱が見事。VTuberシーンを最前線を共に往く花譜とのコラボ曲Tr.7「DEADPOOL」でも、ジャズロックの雰囲気に合うどこか妖艶な空気感を纏った歌声が最高でした。終盤、下村陽子×堀江晶太と云う伝説級タッグが実現したTr.9「ザイオン」は、荘厳で力強いメロディに神秘的な歌声が調和し歌詞に重みをもたせています。続くTr.10「繭と心」も変拍子で勇ましく進む展開がライブ映え必至だなと。星街自身が作詞作曲にも初挑戦したTr.11「綺麗事」は、彼女の決意を込めつつ、誰かの挑戦を後押しする真っ直ぐな楽曲に聞こえました。来る2月1日には遂に夢の舞台、日本武道館でのワンマンライブ。現地でしかと目に焼きつけてきます。
#4『世界が美しいからだよ』/ mekakushe×長瀬有花
シンガーソングライターmekakusheと、2次元と3次元の両軸で活動する"だつりょく系アーティスト"長瀬有花の待望のコラボEP。これまでリリースしてきた、世界の終わりとイマジナリーフレンドを題材にしたオリジナルストーリー全3部作の楽曲に、新録のポエトリー楽曲を加えて完成した1枚。
名盤。「1週間後世界が終わるとしたら、私たちどうする?」と云う問い掛けで始まる本作。目を閉じて聴きたくなるほど、描かれる世界への没入感が素晴らしいのは、楽曲のパワーは勿論、すこぶる相性の良い2人の歌声の賜物だなと。軽やかにステップを踏む様な、そっと触れる様な繊細な歌声は、儚さと優しさが同居していて不思議な感覚に包まれます。Tr.2「さみしい惑星」は夢の世界やテーマパークに迷い込んだかの様なファンタジックな雰囲気に包まれる転調パレードポップナンバーで、幕開けに相応しい1曲。どこか胸に寂しさを残しつつも、それを振り払う様な力強さも感じられて特にお気に入りです。Tr.4「クリーニング・ブルー」は澄み切った色合いを感じさせるサウンドと、揺蕩い広がっていく2人のハーモニーに癒される。Tr.6「かつて地球は白かった」は爽やかなポップナンバーに切なさも香り、聴く時々の心情で感じ方が180度変わりそうな魅力がありました。2人による再現ツーマンライブは2月7日に開催されますので是非。
#5『SnekQueen』/ 凛々咲
10thシングル。2年半ぶりのリリース。1月23日の新3Dお披露目誕生日ライブにて初披露されました。ゴシック系EDMとダンサブルなジャズが見事に融合した楽曲で、活動初期からヘビの異名で知られている要素もあって、唯一無二の世界観が広がっています。沈み込むような重低音が奥深くまで響く一方で、輝かしいブラスサウンドが華やかさを添えており、サビのアタック感溢れるメロディが身体に刻まれていく感覚も良き。透き通った凛々しい歌声も相変わらず美しいです。2月に現地ライブ観れそうなので楽しみです。
#6『極彩的ミラージュ』/ 蜜乃木ジル
初のオリジナル楽曲。1月25日の誕生日ライブにて初披露されました。光と影が交錯する艶っぽい雰囲気が漂い、押し出しの強いジャジーなサウンドが心地好い1曲。うねるように乱高下するメロディラインや、絶妙なタイミングでの韻踏みフレーズが耳に残りますね。歌唱難易度高そうなのにグルーヴよく見事に歌い上げています。高音域ウィスパーボイスっぽくて好き。
#7『染脳』/ MEDA
3rdシングル。彼女のオリ曲ではお馴染み宇宙の壮大な広がりは健在ながら、どこか夢の国に誘われるメルヘンチックな雰囲気もプラスされた1曲。誰かに信号を送り続けるかの様な音作りと、耳に残るキャッチーなメロディラインが魅力的。歌声もセクション毎に表情豊かに歌い上げつつ、ここぞという時に力強く遠くまで響き渡らせる存在感を放っていますね。
#8『あっちこっちプリンセス』/ 灯里愛夏
2ndシングル。前作に引き続きコール盛り沢山、楽しくエネルギッシュに色んな角度からのカワイイを詰め込んだ1曲。古き良き王道アイドルソングのノリと、彼女のこれまでの歩みを感じさせる歌詞が良いですね。振り付けも魅力的で、特技のバレエやエルデンリング配信で伝統となったパリィ致命攻撃を取り入れています(振り付け師に直々に頼み込んだそうw)。
#9『クライヤ』/ 上水流宇宙
2ndシングル。宇宙交信や星々の煌めきをイメージさせるサウンドメイクが素晴らしく、フロア映えする骨太で弾けるビートをフィーチャーしたダンスナンバー。PSYQUIさんらしい立体感・距離感があってクッキリした空間に仕上がっていて、宇宙のダンスも音ハメが気持ちよく見惚れる。透明感はそのままに、ちょっとダウナー気味な歌い方も新鮮で好き。
#10『きみの一等星』/ レトラ
2ndシングル。名曲!前作とは打って変わり、辛かった時に音楽に救われた経験から生まれたミドルバラードナンバーとなりました。美しいピアノの旋律に、何層にも重なった温かくてキラキラしたサウンドが包み込む中、子守唄に通ずる優しいメロディが心の奥深くまで沁み込んできますね。力強く伸びやかな歌声は勿論、"答え(アンサー)ね"の、"ね"が傍でそっと声を掛けてくれてる様なニュアンスで本当に好き。3月22日に開催されるヴイアラ1stワンマンはチケット握れたので、3人のオリ曲聴けるの楽しみです。
#11『光あれ』/ 沙花叉クロヱ
1月26日に卒業ライブを迎え、最後に公開されたオリジナル楽曲。作詞作曲も彼女自身が手掛けております。溢れ出るメロディセンスが光る1曲…。胸を締め付ける様な切なさにも満ちていますが、同時に温かさも滲み出ていますね。繊細に響き渡る優しい歌声で、過去と未来を内包するメッセージ性のある歌詞も沁みました。※ピアノ伴奏担当しているのが個人勢Vsingerの88.nia(はちやにあ)ちゃんで推しなので嬉しかったですね。
#12『笑止千万』/ 吉乃
メジャー1stアルバム。アニメタイアップ作品でもあるメジャーデビューシングル「ODD NUMBER」と「なに笑ろとんねん」を始め、他新録曲では、みきとP、てにをは、Guiano、獅子志司、児玉雨子、香椎モイミ、カンザキイオリなど豪華クリエイター陣が手掛けた全10曲を収録しています。
艶っぽく薫り高い歌声と圧倒的な歌唱力を、ボカロ愛を感じるクリエイター陣によって変幻自在に引き出された1枚。音域の広さは勿論、抜け感と迫力を操るニュアンスの多彩さには驚きと心地良さが同居するはず。優雅なストリングスが際立つロックナンバーTr.1「ODD NUMBER」とTr.2「転校生」の歌い出しの"初めまして"を挨拶代わりに持ってきて、最後まで魅了されっぱなし。香椎モイミ提供のTr.3「エンドレス」ではミステリアスな雰囲気に酔いしれ、Guiano提供のTr.4「BAD MAD」ではハネ感のあるサウンドとアコギの融合に調和する歌声が爽快。獅子志司提供のTr.5「我が前へ倣え」では早口ラップも織り込み、歌い回しに舌を巻くほど。ミュージカルの景色が浮かび上がるJ-POPナンバーTr.8「サンドペーパー・ムーン」での表現力や、ギターロックナンバーTr.9「KAMASE!!」での切れ味抜群の歌唱も圧巻。そして、個人的に最も気に入ったのは、カンザキイオリが手掛けたTr.10「ババロア」。彼らしい心の不協和音を美しく5分超に閉じ込めた珠玉の1曲で、生々しい感情を見事に歌声に乗せており、思わず泣きでした…。
バンドサウンドメインでライブ映えしそうな楽曲ばかりですし、生歌も聴きたいので、現地ライブの機会があれば行きたい。
#13『Mystic Light Quest』/ ぺぺ
先日5周年を迎えたタワーディフェンススマホRPG『アークナイツ』の新限定オペレーター「ぺぺ(CV: Machico)」のキャラクターソング。コンポーザーまさかのKOTONOHOUSEでヤバすぎる!今年のベストキャラソン認定です。今回のイベントテーマでもあるアラビアンテイストをしっかり盛り込み中毒性を底上げし、カワイイ×エモーショナルに仕上げたクラブアンセム。こんなん飛び跳ねる以外ありえない最高の躍動感。Machicoさんは歌声も可愛いらしいし、ホントに歌が上手いですね。ラップパートも好き。
#14『ten pages』/ LanPage
Vsingerのsomuniaと、トラックメイカーのgaburyu、Yaca、の3人からなるユニットの1stアルバム。デビューシングルにして名曲「ack!」を始めとした、somuniaが"ずっと表現したいと思っていた"と語るタイトル通り10個のテーマに基づいて制作された全10曲を収録。
大名盤。懐かしいけど新鮮で、激しいけど優しい。そんな感覚を沢山もたらしてくれた1枚でした。どこかザラついたレトロで幾何学的な質感を感じさせ、歪み弾ける多彩なHyperpop的サウンドによる骨太グルーヴが本当に心地良い。somuniaの言葉選びを忠実に表現した歌声も特筆すべき点で、繊細で儚げな歌声から、低音寄りのソウルフルな歌声まで幅広く歌唱しており、思わず耳を傾けたくなる魅力があります。彼女の声質のお蔭もあり、どの楽曲も全体的にキャッチーでポップな仕上がりになっているなと。異空間へと放り出されたかの様なオープニングトラックを皮切りに、前半4曲はゆったりと浮遊感溢れる幻想的サウンドスケープが広がっていく印象が強く、後半4曲は分厚くパワフルなサウンドに彩られながら華麗に駆け抜けていく印象です。Tr.7「21g」とTr.9「たべちゃう」が特に気に入って、滲み出し爆発するエモーションに打ち震えましたね…。Tr.10「苦しめてしまうよ」もアルバムを締め括るに当たり、何とも言えない淡い余韻を残してくれました。
#15『Two♡Hearts』/ Tatsunoshin × 藍良あれれ
UKハードコアメーカーTatsunoshinと、PASTEL RADIOのメンバーでもある"藍良あれれ"による1stアルバム。全曲新曲に加え、コラボレーターにはpicco、リミキサーにKOTONOHOUSEを迎えています。
ハッピーハードコアならぬ、Kawaii UK Hardcoreすぎて最高!ジャケットイラストきあとさんだし。合計約20分間、即効性高く爽快で気持ちよくなれる楽曲が揃っていました。キラキラ空間と美メロが広がっていく表題曲Tr.1「Two♡Hearts」、今作屈指の極太ハードコアキックを打つTr.2「Invader」、フロアライクなメロディで天まで昇るTr.3「Shining Sky」、電波ソングを通過した中毒性抜群のTr.4「爆喰気絶」、宇宙空間的な浮遊感が漂いつつも刺激的なTr.5「Zero Gravity」、地球を外側から眺める様な美しいサウンドスケープのTr.6「Indigo Blue Sky」、オシャレなキメポイントが増設されたTr.7「Two♡Hearts-KOTONOHOUSE Remix」、全部大好きです。藍良さんの歌声もキュートかつスタイリッシュな歌声で耳馴染みが非常に良かったです。Tatsunoshinさんのパフォーマンス電音部イベント以来見ていないので逢いに行きたいですね。
#16『Return To One』/ Invent Animate, Silent Planet
コラボシングル。とんでもない両バンドの個性が巧みに融合された1曲。前半はSilent Planetらしい不気味で躍動感あるセクションが展開し、後半でInvent Animateのアンビエントで幻想的なサウンドスケープが水面下から現れる様な印象。非常にテクニカルで美しい構成ですね。ボーカル同士の叙情的な相性も抜群で、そのシナジーが心に響いてきました。
#17『A Line In The Dust』/ LANDMVRKS
4月25日にリリースされる4thアルバム『The Darkest Place I've Ever Been』からシングルカット。While She SleepsのGt/Vo. Mat Welshをフィーチャリングゲストに迎え、静と動を叙情的に描き出した1曲になりました。スケールが拡大していく展開や2人の美しいクリーンはいわずもがな、ブレイクダウンへ突入時のシャウト瞬間火力が高すぎてガチでカッコイイ…。
#18『Elevator Operator』/ Electric Callboy
今年初シングル。これまで通りEDMとメタルコアを融合させつつ、両ジャンルを激しくも心地良く行き来する様な展開が魅力的。新しいサウンドを試している感じもあり、グルーヴを維持する様な音のまとまりも良いですね。結局楽しく乗れてしまうので好きですが、典型化してしまわないか…そろそろ分水嶺かなとも思います。
#19『Impulse』/ Set For Tomorrow
ニューシングル。前作に引き続き良すぎて?!EDMのバイブスも閉じ込めた非常にグルーヴィーな仕上がりにしつつも、色気あるボーカルワークを中心にニューメタルコアやデスコアに傾倒していくポイントが随所に見られて面白いなと。ペース的に今年中にアルバム来そうだし、期待大。
#20『Lilium』/ Onsight
通算4枚目、今年初シングル。最高すぎ!!!!!! 好みドンピシャ。Novelistsの正統継承者かもしれん。アトモスフェリックな空間で揺蕩う様な心地良さ、沁み込んでくるセンチメンタルなメロディと、美的感覚に優れたプログレリフ、背後から聞こえてくるオシャレなサックス系サウンド。ボーカルの情感ある緩急も素晴らしい。圧倒的ネクストホープ、アルバム待ってるぞ!
#21『Parasite』/ Blame
デビューシングル。スクリーモ/ポストハードコア/メタルコア系のあらゆる要素を貪欲に接続させた1曲。神秘的なクリーンパートからニューメタルコア特有の不協和音ブレイクダウンもあるし、詰め込み具合が尋常じゃない。ボーカルの色気ある歌声も相まって世界観が出来上がりつつあるので、今後も期待できそうです。最初、どこか同郷のHopes Die Lastみを感じて懐かしくなりました(伝われ)。
#22『Plan Z』/ Headwreck
ニューシングル。昨年のシングル以降レトロチックな路線を歩み続けている彼等。今作も独特のリズム感から繰り出されるグルーヴと、多彩なアプローチが光ってますね。スクラッチ音に近い不協和音の散りばめも相変わらず、途中のテンポアップやエフェクト達も好きすぎる。あとクリーンボーカルの明瞭感が上がっている気がして良い。今年こそ人気になって欲しい…。
#23『Pretty Face』/ Maybsomeday
今年初シングル。令和とは思えない、10年代ポストハードコアが台頭した"あの頃"を彷彿させる1曲。切なげな旋律を紡ぎながら輝きを放つシンセも、エモ直系ハイトーンボーカルも、スクリームが交錯するブレイクダウンも、隅から隅まで懐かしいですね。ここまで全面的ではななくとも、この先もずっと継承され変化し続けていって欲しい音楽性。
以上、1/20~1/26はアルバム4枚、EP1枚、シングル18枚の新曲感想でした。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。その他何かオススメ曲や要望等あれば何でもお気軽にコメントください。また、少しでも良かったと感じていただけたら、スキ♡を押したり(noteアカウントなくても押せます)、シェアしたりしていただけると大変励みになります。フォローも大歓迎です。よろしくお願いします!
※先週の新曲感想はこちらから。
#ライブレポート
【1/24, 25 プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 4th - Unison -@幕張メッセ9・10ホール】
※記事が完成次第、更新します