今週の良かった新曲感想【2/5~2/12】
どうもです。
毎週恒例の新曲感想記事。2/5~2/12リリース分です。アルバム、EP、シングルを対象に自信をもってオススメできる曲を紹介していきます。読んでくださった方に1曲でも良き出逢いがあります様に。ではどうぞー。
#1『Endless∞Fanfare!』/ 箱乃なかみ
個人勢として活動している、見習いピエロVTuber箱乃なかみの新曲。作詞・作編曲:ればん。共同制作企画「第6回Vオリドラ」にて"ればん"さんと制作された楽曲で、2月5日に迎えた誕生日を記念してリリースされました。
ライブの光景が目に浮かぶ眩しいアイドルソング的1曲。タイトル通りと云うか、ライブのオープニングにもエンディングにも似合う、エモーショナルな高揚感に溢れたメロディに満ちてますね。低音から高音まで歌声は美しく響き渡り、ファンへ向けたメッセージも含まれた歌詞も感動を誘います。
#2『anthology』/ カシ・オトハ
ソニー・ミュージックレーベルズとHelixesが共同で手掛けるVTuberプロジェクト「VERSEⁿ」所属のVsingerカシ・オトハの待望の1stフルアルバム。「カーテン」「シグナル」「Flip Flap」などに、新規曲3曲を加えた全11曲を収録。楽曲提供には、北澤ゆうほ、PAS TASTA、Nor、gaburyu、雄之助など幅広い作家陣が参加。
表題曲「anthology」で開幕を告げる本作ですが、一貫して雰囲気が保たれており、カラっとした爽快感や綺麗で澄み切った空気感、歌声やサウンドから聞こえる温度感が作品全体にまで漂っている1枚でした。心地良いサウンドと中毒性高いメロディが繰り返されるTr.5「黎明サピエンス」や、身体が軽くなると云うか、ゆったりと時間が流れる感覚に陥るTr.9「ハルモニア」など、新規曲も既存曲では無かったアプローチが確かにあり、全11曲通して引き出しの多さに驚かされました。エモーショナルなメロディに乗った歌詞のメッセージ性が高いのも彼女の作品の特徴で、聴く者に寄り添い、共に歩みを進めようとする優しさを感じられるはずです。その優しさは柔らかく響くウィスパーボイスにもしっかり表れていますね。元々エンディング感の強い展開が美しい「シグナル」でアルバムを締めくくった構成も素晴らしかったと思います。いつか是非リアル会場での生歌を聴きたいです。
#3『幽』/ アルバ・セラ
同じくVTuberプロジェクト「VERSEⁿ」所属のVsingerアルバ・セラの1stフルアルバム。「Bloom」「God Willing」「メシア」など持ち曲全てに、新規曲3曲を加えた全11曲を収録。楽曲提供には、ゆよゆっぺ、鬱P、Rockwell、丸山漠(a crowd of rebellion)など最強メンバーが集結。
VTuber界隈からここまでメタル/ラウドロックで固めたアルバムが出た事に嬉しさと感謝で一杯です。先行リリースとなった、メタルコアナンバーTr.1「メシア」は開幕を告げる楽曲に相応しい破壊力抜群の1曲。中毒性あるサビメロを中心にした展開美が光るTr.4「指切り」、治安悪い重低音が鳴り響くヒップホップナンバーTr.8「Aphrodite」、煌めきと疾走感溢れるシンセが心地良いTr.10「フロンティア」と新規曲達も文句無しのカッコよさでした。再録となった前作EP『Ego』の楽曲達の配置も良く、特にラスト「エゴイスト」は「メシア」と対になる様な救済の形を示してくれたと思います。そんな楽曲達から幅広い表現力を求められる中でも、セラさんは見事に歌い上げており、弱さを包み隠さずに歌って魅せた力強さと美しさに満ちた歌声は心に刺さるモノがありました。現地ライブがあった際には必ず行きます。
#4『白光』/ 響かさね
元シンガーユニットCocoTsuki(ココツキ)で、2022年10月22日から現在はソロで個人勢として活動しているVsinger響かさねの3rdシングル。作詞:Len、作編曲:Powerless。
名曲です。絶望に寄り添った想いが込められた前作『永夜』から、その先へ歩みを進めるべく、”この曲が道しるべになる様に”、と願いを強く感じました。神々しさすら感じる壮大で力強いサウンドの中で、確かな存在感を魅せるアコースティックギターの音色から滲み出る優しさが好き。2サビが無かったり、ラスサビ後にDメロがあったりと、後半は彼女の美しいセルフコーラスを前面に押し出した展開美も素晴らしかったです。
#5『たいむすりーぷ!』/ 眠音むに
VTuber事務所「Live Duo」所属、ニート白狼系VTuber眠音むに、記念すべき初のオリジナル楽曲。作詞作曲:眠音むに、編曲:茶葉のぎか。活動半年を記念してリリースされました。
むっちゃ良い!!ゆるふわワールドが拡がるkawaii future bass的ナンバーで、キラキラサウンドが紡ぐラップ調のメロディの心地良さが異常で無限リピート必至。作曲センスと歌唱力ありすぎますね…。透明感のある甘めでカワイイ歌声が中毒性の高さを更に生んでいると思います。
#6『Satellite』/ Awairo
昨年10月にクリエイティブレーベル『KAMITSUBAKI STUDIO』のSINSEKAI RECORDからデビューした、サウンドプロデューサー/作編曲家の雄之助と、シンガー/作詞家のWaMiによるユニットAwairoの3rdシングル。
鮮やかにブレンドされた弾けるハウス的サウンドが持ち味の雄之助さんですが、今回はサイバー感もあって新鮮でした。ラスサビでグルーヴ感が強まっていく展開も好き。一方、WaMiさんも1サビ後にはラップパートが差し込まれ、よりクールな一面を魅せてくれました。2月22日は初のショウケースライブ映像が公開されるので楽しみです。
#7『Breath of Air』/ Sailing Before The Wind
東京を拠点に活動するDjent/メロディックメタルコアバンド。新体制になってからは3曲目、今年初となるシングル。ゲストとしてAcross The White Water TowerのVo. Matt Sosaをフィーチャー。
SBTW史上最も各楽器の存在感が伝わってくるパートと響きが実現されており、徐々に曲全体の輪郭が浮かび上がる様なコラージュ的世界観が最高でした。ライブの光景も容易に目に浮かぶと云うか。急加速するMattの胸熱スクリームパートは勿論、爽やかな風を感じるバックコーラス、ラスサビ転調など好きなポイントも多かったですね。
#8『Sun Eater』/ Prompts
昨年12月にオーストラリアのレーベルGreyscale Recordsと契約した東京発、韓国人メンバー2名を含む日韓メタルコアバンドの今年初となる新曲。
誰にも止められない重厚な勢いとグルーヴで駆け抜ける序盤、EDM的シンセも加わるダンサブルなビートが心地良い中盤、徐々にニューメタルコアへ傾倒していきながらのブレイクダウン、浮遊感溢れる叙情的なサウンドスケープが拡がる終盤と、ドラマティックで奥深い展開美が本当に素晴らしい。名実共に世界レベルとなった彼らの躍進が益々楽しみですね。
#9『幸福論』/ Azami
埼玉発のメロディックハードコアバンドの今年初となる新曲。昨年は新ボーカル石井純平加入後、初となるEP『FORWARD』をリリースしましたね。
この世を去る者とこの世に残される者、それぞれの耐え難い苦しみを悲痛なまでに叫び散らかす激情的ボーカルスタイルを主軸に、悲壮感が生み出すカタルシス強めな展開に只々感動。2:33~MVにしか出てこないメッセージも突き刺さりますね。しばらくライブを観に行けてないので行かねば。
#10『Beyond The Mortal Sight』/ The Wind Covenant
イタリア出身のプログレッシヴ・メタルコアバンドの新曲。昨年のデビューEP『Conjuration』リリース以来、コレで2曲目。
オリエンタルなサウンドが響く世界観で、テクニカルなフレーズを奏で続け、ボーカルも早口パートがあり、Djent特有のグルーヴ感が生まれていて良かったです。今回は割と煌びやかでクリーンパートは特に綺麗でしたね。丁度いい心地良さ。ブレイクダウンも独特なリズムが癖になる。
#11『Continuum』/ Imminence
スウェーデンはトレレボリ出身のメタルコアバンドの新曲。シングルがコレで5枚目と続いてるので、そろそろアルバムリリースな予感。
珍しくイントロからかなりヘヴィでDjentDjentしてるし、併せてローの効いたスクリームも響き渡って少し驚きましたね。暗い雰囲気を一変させるバイオリンのメロディを境に荘厳パートに移行するも、行く果てが無く彷徨う光景を想起させ、恐怖心を煽るドラマティックな仕上がりでした。次のアルバムはバンド史上最もヘヴィになりそう。
#12『Bunny Suit』/ Darko US
現Chelsea GrinのボーカリストTom Barberと現SPITEのドラマーJosh 'Baby J' Millerからなるニューメタルコア/デスコアデュオの新曲。今年初ですが、ペースを落す事のないコンスタントなリリースが続いてますね。
耳障り寸前の奇妙なシンセがずっと鳴り止まないブルータルパートから、中盤でひっくり返される予想不可能な展開がエグイ。Euphoric Hardstyleで使われてそうな声ネタが入ってくるのも意外で、後半はそれをベースにメタルコアを上乗せしていき、ブレイクダウンまで見事な繋ぎでした。
#13『VENGEANCE』/ coldrain
2007年名古屋で結成された国内ラウドロック界を代表し、世界中でも活躍を魅せるメタルコアハンドcoldrainの新曲。2月10日に開催された地元ガイシホールでのワンマンライブにて初披露されました。
スクリームは残ったもののブレイクダウンは無くなり、シンガロング必至のスタジアムロックな1曲となりました。Vo. Masatoの歌声も相まって色気を纏った美しいメロディは勿論、随所でどこか懐かしい00年代を感じさせるリフがあるのも重ねてきたキャリアの濃さを感じさせてくれて好き。2月下旬からのヨーロッパツアー成功を祈ってます。
―――以上、2/5~2/12はアルバム2枚、シングル11枚の新曲感想でした。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。その他何かオススメ曲や要望等あれば何でもお気軽にコメントください。また、少しでも良かったと感じていただけたら、スキ♡を押したり(noteアカウントなくても押せます)、シェアしたりしていただけると大変励みになります。フォローも大歓迎です。よろしくお願いします!
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#ライブレポート
【2/12 HEAVEN BURNS RED LIVE 2024@東京国際フォーラム ホールA】
WFS×Keyが贈るRPGスマートフォンゲーム「ヘブンバーンズレッド」の劇中バンドShe is Legendと、主題歌や劇中歌を務めるシンガーソングライターやなぎなぎが出演するライブに行ってきました。昨年3月にも同じく行われた「HEAVEN BURNS RED LIVE 2022」から約1年、今回は会場も大きくなり、生バンド演奏も付き、パワーアップした内容となりました。
会場入ると、ステージセットから既に作品の世界観、第4章の習志野ドームの舞台が再現されており、開演前の場内アナウンスでもルミちゃんが登場して、観客は"ライブ鑑賞屋"と名付けられました。
暗転すると、作中のイラストも使用されたオープニング映像が流れ緊張感あるスタートとなり、まずは、シーレジェからパフォーマンスでした。序盤向きの曲ではない「死にゆく季節でぼくは」で不意を突かれ、そのまま「ありふれたBattle Song~いつも戦闘は面倒だ~」「Heartbreak Syndrome」「さよならの速度」までほぼノンストップで披露。シーレジェは約3週間前にツアーファイナルで見たばかりですが、この日も熱く会場を盛り上げてくれました。観客の数が倍以上だったので、シンガロングパートは特に凄かったですし、無線制御ペンライトの景色も綺麗でしたね。
ツアーファイナルの時と同様、このみさんが一度ステージ裏に捌けると、XAIさんから、"ヘブンバーンズレッドにとっても、私にとっても大事な曲です”と、前振りから「贅沢な感情」のソロパフォーマンス。アコースティックギターの音色と共に、セット中央の階段に腰掛けながらスポットライトに照らされ、丁寧に歌い上げてくれました。
続いて、バトンタッチして、なぎさんがフリルの付いたドレス衣装で登場し、「Perfect Effect」「星の墓標」「きみの横顔」と3曲続けて披露。透明感ある美しい歌声で会場の空気をガラっと変えてくれつつも、アップテンポナンバーが揃ったので熱さはキープされたままでしたね。クラップやシンガロングできて良かったですし、「きみの横顔」の“頬伝う その涙”の箇所で頬に指を触れる細かい動きも綺麗で印象的でした。
再びシーレジェの登場すると、「War Alive~時にはやぶれかぶれに~」「Thank you for playing~あなたに出会えてよかった~」「起死廻生」と熱量の高い楽曲が続きました。2人の動きや振り付けは常にステージ目一杯に全力で大きく、それに応えるかの様に観客も特大のシンガロングが起きて最高でした。一旦MCに入ると、"シーレジェの練習とか収録とかしていると、私達青春してるね!って話をよくしています"、と云う小話から、"青春みたいで、放課後の部活みたいな、そんな楽曲をお届けします"と、「放課後のメロディ」を披露。この辺りからエモーショナルな雰囲気もより加速していき、やはり「Long Long Spell」が続きましたね。この2曲の流れと、アウトロ"LaLaLa…"シンガロングはやっぱり最高。
2度目となる、なぎさんパートはシーレジェのエモーショナルな雰囲気を引き継いで「銀河旅団」「幻想都市」「White Spell」が続きました。感情を丁寧に乗せて歌い上げる姿に、ずっと引き込まれたままでしたね。どれも壮大なのでライブ映えも凄かった。
実はこれまで出番が変わる度に流れていた幕間ムービーはここでエンディングを迎えました。フルボイスのオリジナルシナリオで、めぐみんが習志野ドームにいた頃の想い出(めぐみんがドーム住民達から認められるどうかの試練を乗り越える内容)をおタマさんに見せてあげる話だったんですが、丁度いい感動を味わった流れから、披露されたのが「死にゆく季節のきみへ」と「夏気球」でした。なぎさんの切なげな歌声は勿論、特に「夏気球」ではバックスクリーンに4章の映像がずっと流れていて、想い出し泣きと云うか号泣でした…。周りからもすすり泣く声が聞こえてくる程でしたから。
なぎさんのMCになり、"残すところあと2曲になってしまったんですが、皆さん第五章前編の映像は見ていただけたでしょうか"と云う前振りの元、5章のテーマソングである新曲「Bougainvillea」と、ヘブバンにとって忘れてはならないメインテーマソング「Before I Rise」で本編を締めくくりました。「Bougainvillea」は記憶が飛ぶ位に感動してたんですが、「Before I Rise」流石に断トツで聴き込んでいる曲なだけあって、しっかり堪能する事ができました。会場全体へ響き渡っていく壮大なサウンドと共に、なぎさんも最後まで力強い歌唱を魅せてくださり、至福の5分間でした。
観客からのアンコールに応えると、シーレジェとなぎさんの3人が登場し、「Burn My Universe」を披露。コラボが実現した喜びへの歓声と共に、イントロからシンガロングが巻き起こりました。3人の歌割りが絶妙で、1回じゃ物足りない位マジで良かったです。MCでも、お互いにやりたいね、と前回のライブから話をしていたらしく、"3人でのコラボが実現して嬉しかった"と語ってくれました。
そんな喜びを更に跳ね上がるかの様に、現在ゲーム内でコラボ実施中の『Angel Beats!』からGirls Dead Monsterの楽曲カバー「Alchemy (SiL Ver.)」を披露。今日しか聴けないかもしれないんで、本当に嬉しかったですね。繰り返しになりますが、この日は生バンド演奏だったから余計に。続けて、シーレジェでは欠かせないと思っている代表曲「Goodbye Innocence」がやはり披露され、阿吽の呼吸で掛け合いながら歌うツインボーカルならではのカッコイイ姿を最後の最後まで魅せてくれました。
これで終わりかと思いきや、シーレジェのお二人が"まだ歌い足りないね!"と云う事で4章後編劇中歌である「シヴァ」を披露。しかも、なぎさんも再登場。スクリーンには歌詞とヘブバンのキャラクターシーンが終始大きく映し出され、ファンもサビのバックコーラスで参加。会場が一丸となって共に創り上げる時間がこんなにも続くとは思わなくて、楽しすぎました。
ここまでほぼノンストップで駆け抜けてきたので、ラストは少し長めのMC。このみさんからは、"ライブ直前のルーティンで背中に手形が付くぐらい叩いて貰ってるんですけど、今回は本当に多くの方の想いとファンの皆さんの想いも背負って歌う事ができました"と、感謝を述べてくださり、
なぎさんからは、"ヘブバンとはもう2年と長い付き合いですが、まだまだ終わらないし、これからもっと盛り上がっていくと思います!"と、非常に心強いお言葉をいただき、
XAIさんは、"こんな大きい会場で歌うのは初めてだったので嬉しいです。この前母校の文化祭があって、後輩にヘブバンやってます!ライブも行きました!って言って貰えて。あの頃自分が好きだったアニメやゲームの様な存在に今なれているんだなって…。これからもそんな作品であり続けられる様に歌を届けていきたいです"と、こちらも嬉しくなる言葉を聞くことができました。最後は集合写真を撮って、別れを惜しみながらも終幕となりました。
改めて、素晴らしいライブでした。2周年が詰まったストーリー準拠のステージセットや映像演出は、没入感があり良かったですね。あとはもう大好きな麻枝さんの楽曲をこんな大きい会場で、生バンドで、3人の圧倒的歌唱力で聴けて…。そして何より大勢のファンが付いて一丸となった盛り上がりにも感動しました。大人気コンテンツになって、一ファンとして嬉しいなと。これからもゲームだけじゃなく、イベントやライブも併せて大きくなっていって欲しいです。来年もライブあると思うので、楽しみにしてます。
では今回はこの辺で。また来週お逢いしましょう!