「レインボーブリッジ(東京都港区)」 Map World Column #001
美しい風景や懐かしい街並み
地図を片手に歩いてみると
そこにある歴史や暮らし
それまで見えなかったものが見えてきます
4月19日は「地図の日」
地図柄グッズのクロスフィールドが今回から毎月お届けする新コラム
記念すべき第1回は東京港にかかる名橋「レインボーブリッジ」です。
記事の最後には期間限定地図の日記念クーポンを掲載していますのでお楽しみに!
かつて織田裕二扮する青島刑事が「封鎖できません!」と叫んだ東京のシンボル「レインボーブリッジ」。
正式名称を「東京港連絡橋」と呼び、首都高速、一般道、そしてゆりかもめの3路線が芝浦からお台場エリアに渡るこの橋を、実は徒歩でも渡れることを知っていますか?
レインボーブリッジの歴史
レインボーブリッジによって東京都心部から直接のアクセスが可能になったお台場はもともと、1853年の黒船来航をきっかけに、江戸の玄関口である東京湾の防衛のために砲台として築かれた土地でした。この土地は遠浅の干潟であったため、埋立地としての利用がしやすかったのです。
1980年代になると、東京都心部への人口集中や周辺道路の渋滞の緩和、そして東京臨海都心部の都市開発の必要性が高まり、その需要に応えるために1987年に着工、1993年に開通したのが、芝浦とお台場を繋ぐレインボーブリッジでした。
建設に向けた地理的課題
レインボーブリッジを建設する上では、いくつかの課題がありました。
まず第一に東京湾のメインストリートにかかる橋として、航路の幅と高さが求められること。そのため吊橋を採用して中央径間(橋脚の間隔)570mを確保。橋桁の高さは当時の豪華客船の象徴だった「クイーン・エリザベス2」の通過を想定し52mとなっています。(ちなみにクイーン・エリザベス2はレインボーブリッジをくぐる事なく2008年に引退しています。残念!)
その一方で、羽田空港が近くにあるため主塔の高さには150mの制限があり、高速道路とゆりかもめを緩やかな勾配で上り下りさせるためには両側にそれぞれ1kmを越えるアプローチが必要となりました。
特に芝浦側はすでに街が広がっていたため、海上にループ橋を建設することで距離を稼いでいます。夜のドライブでは遊園地のアトラクションのようにワクワク感を覚えるループ橋ですが、あの構造にはちゃんと地理的なわけがあるのですね。
レインボーブリッジを歩いて渡る
そんなレインボーブリッジを徒歩で渡るルートが、「レインボープロムナード」。かつては観光用の有料施設でしたが、お台場エリアに住宅地が形成されたことをきっかけとして無料で開放されるようになりました。
行程は一般道を挟んで北側はノースルート、南側はサウスルートの二手に分かれており、ノースルートからは浜松町や晴海、豊洲などの東京都心部の景色が広がります。時には日の出桟橋や隅田川へと向かって東京湾を運航する船舶の姿が見られたり、東京タワーと東京スカイツリーを一望できるスポットもあります。サウスルートからはフジテレビ本社ビルをはじめとしたお台場の景観が堪能できるほか、天気がいいと富士山が見える時もあります。
ノースルートを通る中で一際目を引くのが、手前にレインボーブリッジの雄大な姿が映り、その奥に都心のビル群が広がるこの光景。まさしく現代の建築技術が生み出した、ダイナミックかつ美しい都市景観だと言えるでしょう。
全長約1.7km、時間にしておよそ30分で渡り切れるレインボープロムナード。芝浦側から渡った先にはお台場海浜公園やアクアシティお台場、ダイバーシティ東京などお台場の観光名所が立ち並びます。かつては黒船来航に危機を感じ防衛のために築かれたこの地が、今や国内のみならず海外からも多数の観光客を集める場所になっていると考えると、感慨深いものがありますね。
普段は車やゆりかもめで颯爽と通り過ぎてしまいがちなレインボーブリッジを、地図を片手にじっくり歩いて渡ってみるのはいかがでしょうか。いつもと違った景色が見られて楽しいですよ。
レインボープロムナード
住所:東京都港区海岸3〜台場
電話番号:03-5463-0224
営業時間:4月〜10月 9:00~21:00、11月〜3月 10:00〜18:00に通行可能
休業日:第3月曜(祝日の場合は翌日)、12/29〜31
ホームページ:https://visit-minato-city.tokyo/ja-jp/places/701