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このタイプのトイレウォシュレットの表示に全然納得がいかないのだが!!
はじめに おしり・やわらか・ビデ
まずは某所トイレのこの画像をご覧いただきたい。
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一般的なウォシュレット機能のインターフェイスのように見えるが、大問題が内在している。
よーく目を凝らすと以下のような機能があることがわかる。
おしり ー やわらか ー ビデ
おおい、やわらか! 何だぁやわらかって!!
今日はこの問題について諸賢と一緒に考えてみたい。
1 おしりとビデはよーくわかる
まずウォシュレットとは、お尻やあるいは女性器をあらう現代的でSFチックなシステムだ。昭和30年代を生きた人々にはにこんなもの想像し得なかっただろう。水洗トイレが一気に普及し、その後お尻を洗う、あるいは女性器を洗うシステムがやってきた。俺はあんまり使わないけど。
それでだ。俺も現代人の端くれだからな、「おしり」ってのはわかる。お尻を洗うためのシステムだ。「ビデ」ってのもわかる。俺はおちんちん派なので使わないけど、女性器を洗うためのもの。どちらも衛生をもたらすシステム。
ちょっと脱線するが「ビデ」は言語としてとても優れていると思う。フランス語由来で、極端かつ卑猥な名称ではないもので、端的に洗う箇所を示している。とても優れた言葉だと思う。
まとめると、「おしり」と「ビデ」は洗う場所を指しているわけだ。
その前提を踏まえて、あらためて写真をご覧いただきたい。
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や、やわらか・・・?
2 皆さんの股間に「やわらか」ってあります?
表題の通りだ。もう一度復習するぞ。「おしり」や「ビデ」ではウォシュレットで洗う身体的部位を指し示したボタンだ。
その間に「やわらか」がある。
絶対おかしいだろこれ。
皆さんの股間に「やわらか」ってあります? 俺だけかなぁ!? ないのは!!
もしみんなの股間に「おしり」や「ビデ」と同じように「やわらか」がやわらか戦車やソフトバンクみたいにあるんだったら、俺は手を引く。ところがだ、かなりの自信を持って、俺たちの身体の股間のお尻や女性器の近くに「やわらか」はない。
しかもよーく考えたら、お尻って柔らかくありませんか!? そして女性器も・・・あまり詳述するとnoteの持つ瀟洒で洒脱な印象を毀損してしまうのであれだが、とにかく、身体の柔らかい部分ってのが実際にある。
いよいよ意味が分からなくなってくる。「おしり」や「ビデ」も「やわらか」なのである。
3 やわらかなものはトイレ以外にもある
冷静に考えてジャンル「やわらか」をここに設定するのは剛気な印象がある。なぜなら「やわらか」はトイレの個室以外にもふんだんにある概念だからだ。
パン屋さんに行ったらふっくらした柔らかいパンがある。デパートの寝具売り場に行ったら、高級な柔らかいバスローブやバスタオルがある。街の総合体育館に行ったら、スポーツをする人々が準備運動をしており柔軟体操をしている。orange pekoeは名曲「やわらかな夜」をつくった。
ウォシュレットの「やわらか」はこれら全てへの挑戦状を叩きつけた。
「この俺が「やわらか」だ!」
そうやってボタンがやわらかの事例や概念を規定し統合し、トイレの中にしか「やわらか」が存在しないかのように立ち居振る舞う。
4 水圧の概念はもっと頑張って欲しい
いや俺だって、ウォシュレット使わないんだけどこれの意味は実際わかるよ。「お尻」はお尻を洗う。「やわらか」はより柔らかくお尻を洗うって意味なんだってのは。
細かい話だがじゃあなんで「ビデ」には「やわらか」がないのか? などはあるけどさ、実際にはより繊細にお尻を洗う機能ってのが「やわらか」なんでしょ? 一応現代社会を生きているからな、それに大学の二次試験で現代文で点数とりまくったからな、これくらいはわかるってもんさね。
ところがなぁ! そんなボタンを設置するんだったら、全部「水圧」「水勢」で処理しろって話だ!!
わかりますかね。ボタンで「やわらか」をいちいち別の場所に設置するから変な話になるのであって、「やわらか」ってのは水圧を調整するボタンで実現できるでしょう。
そして三度画像をご覧いただきたい。
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あるだろ〜〜〜〜「水勢」ボタンが!! これで水の勢いを調整できるだろ〜〜〜。「やわらか」ボタンいらんだろ〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!
水圧概念はもっとがんばれ!! 変なやつにボタンの役割が奪われとるぞ!!
まとめ 「やわらか」をめぐる日本語のセンス
もしかしたら、水の当て方の質が「おしり」と「やわらか」とで異なっているのかもしれない。すなわち、「水勢」は水の勢いだけを調整でき、「おしり」と「やわらか」とで水の当て方の繊細さに差異がある可能性だ。
そうならば、そうしたボタンを作っても理屈は通る。ただ、それに「やわらか」という謎表現をするのはいよいよもって日本語のセンスがおかしい。
これを「やわらか」とだけ表記して身近なトイレに掲げるってのは、日本語の繊細さや多様性を毀損している。
「やわらか」のウォシュレット機能に独自性があるって可能性ならば理屈ではわかるが、それに「やわらか」の日本語を当てるなということだ。
なにか「ふんわりあらい」「やわらかあらい」とか、より独自性がある言葉にするべきだ。「やわらか」は概念として広すぎる。洗う場所を具体的に指し示していないし、お尻やビデで洗う箇所も柔らかいし、トイレの外にはパンとかバスタオルとか柔らかいものたくさんある。そんな状態なのに「やわらか」をそこで使わない方がいい。