【令和最新版】鶴が恩返しに来た際に注意する4ステップ‼︎ マルクスに学ぶ生産手段の所有
〈概要〉突然の訪問! 助けた鶴が自宅に恩返し。どうすればいい?
本コラムでは、現代でも稀に起こる鶴の恩返しについて、訪問を受けた場合の注意点を紹介します。
昔話の時代からかなり社会が変貌していますので、恩返しに来た鶴さんが困らないように、現代的な方法を一緒に考えていきましょう。
1 鶴を助ける際の注意点
1-1 鶴は特別天然記念物に指定されています
はじめに、鶴は現在特別天然記念物に指定されているケースが多いです。北海道のタンチョウヅル、山口県周南市の「八代のツルおよびその渡来地」は特別天然記念物です。また弱っている鶴さんを見つけた際には、怪我以外にも、鳥インフルエンザの可能性もあります。
こうした事情のため、自治体や環境省の出先機関に連絡し、しかるべき対応を取ってもらうことが第一です。
また昔話で鶴さんがよく引っ掛かってるトラバサミによる罠猟は現在は完全に違法です。この辺りも発見の際に担当者にしっかり伝えるようにしましょう。
鶴さんも自分が特別天然記念物だと何となくわかっているようですので、こうした現代的な対応を評価して、後ほど恩返しにくる可能性が出てきます。
2 なぜあなたの家には機織り道具がないのか? マルクスに学ぶ!
2-1 家に機織りがない件について
さて、本コラムで最も伝えたい点がここです。鶴の恩返しでは、おじいさんおばあさんの家であっても、若者の家であっても、鶴を助けた人物の家に機織り(はたおり)が置いてあります。
ところが、現代において皆さんの家に機織りはありますか? 趣味以外で置いている人はほとんどいないはずです。鶴さんきたら新しく買わないといけません。冷蔵庫や洗濯機、スマホなんかはあるのに、なぜ機織り道具はないのでしょうか。
その答えはマルクスの考究した理論のなかにあります。
2-2 マルクスの分析 生産手段の集約
マルクスは経済の発展を段階を区切って緻密に研究した人物です。細かいことは述べるとキリがありませんので、ここでは家に機織りがない問題に即して触れます。
マルクスは、モノをつくり出す道具や機械を「生産手段」と呼びました。布を作る機織りも「生産手段」です。マルクスはこの生産手段が、人々それぞれが持っていた時代から、一定のお金持ち(資本家)集中していくことを発見します。
すなわち、日本では江戸時代中期までは機織りは各家にあったのですが、次第に工場での分業が始まり、明治時代以降の工業化により資本家が経営する工場で機械駆動の大規模な機織りが行われるようになります。
これによりたくさんの衣服やテントなどがつくれるようになったのですが、家庭からは機織りは失われ、そして我々労働者は工場の所有者である資本家に隷属するようになってしまったのです。
鶴さんが来た場合、この辺りの歴史をまず一緒に勉強して、現代では昔ながらの恩返しが難しくなっていることを伝えてください。
3 現代の可能性 生産手段としてのインターネット
3-1 付加価値をつけるためのyoutube
それでは、こうした状況でありながら鶴さんに恩返ししてもらえる可能性を考えてみましょう。
まず、鶴さんは非常に品質の良い反物をつくることができます。ところがその量は多寡が知れていますし、普段私たちはユニクロやGUやユナイテッドアローズで買い物しますので、反物を買い求める人は多くありません。
そこで提案したいのが、鶴さんの機織りをYoutubeにアップして付加価値をつけるという方法です。
鶴さんはご存知の通り自分の機織りの様子を見られるのを嫌います。ここでは「顔出しなしでいきましょう!」と鶴さんを安心させてあげることが大切です。
3-2 機織り系youtuberとしての可能性
機織りの動画って皆さん見たことがありますか。全国では伝統的な機織りの伝承活動が行われています。木綿糸による機織りはもちろん、阿波の太布、遠江の葛布、沖縄の芭蕉布など木綿普及以前の衣服を伝承する人々もいらっしゃいます。女性を中心に昔からの人の営みである機織りはかなり関心の高い分野なのです。
鶴さんは機織りがびっくりするくらい異常に得意ですので、現代人が理解しにくい部分などをしっかり解説し、品質の良い反物を作ることができます。質の良い動画の制作を続けて、フォロワーを増やしていきましょう。人気が出た段階でbaseやebayで販売を考えます。
3-3 鶴さんの美貌でアピール(pan pianoメソッド)
また、鶴さんは色白美人です。鶴さんの顔は出せませんが、スタイルの良さなどで男性視聴者の心を掴むことも良い手段かも知れません。
たとえば、機織りをするさいには、ペダルや足縄という器具を足で踏み、綜絖という道具を動かし縦糸を上下させる作業があります。このように機織りは全身を使っておこなうものなのですが、足をリズムよく踏み踏みする工程があるのです。
そこで鶴さんにショートパンツややや短めのスカートを履いて作業してもらいましょう。詳しくはいいませんが……スタイルの良い鶴さん、きっと人気が出ると思います。かわいい靴下履くのもぶっちゃけアリです。
おっぱいは強調するべきでしょうか。ここは慎重になったほうがいいかも知れません。機織りは主に女性がよくみる動画ジャンルですので、生足についてもそうなのですが、あまり露骨すぎると、女性の視聴者が離れてしまうでしょう。視聴者がどう思うか、流行りのyoutuberはしっかりとコントロールしているのです。
4 鶴さんが帰りたくなったら
4-1 気分転換する 飛行機はJALがおすすめ!
鶴は種類にもよりますが、「渡り」をする鳥です。季節によって遠く旅する生き物なのです。鶴だって顔バレしてしまわなくとも、やがては恩返しを終え元の生活に戻りたくなるかも知れません。
ただし、ただ遠くに遊びにいきたいだけのケースもあります。今の暮らしは気に入っているが鶴の本能として遠くに飛んでいきたい、という状況です。
そんな際は、二人? で旅行に行くのが良いでしょう。鶴さんは空を飛ぶのがもちろんお気に入りですので、飛行機を使いましょう。JALとANAのどちらがいいかといいますと、JALを選んでください。JALのマークはご存知鶴丸。日本の精神の象徴として長年JALで用いられてきました。日本人が鶴を大切にしていることを伝えられたら、鶴さんのテンションも爆上がりまちがいないでしょう。
4-2 いつかは本当にお別れの時がきます
いつかはお別れの時がきます。鶴さんが恩を返したと感じ、新しいことをやりたいといったときは、黙って背中を押してあげましょう。また、鶴はとっても長生きです。定命の人間の方が先に力尽きることもあるでしょう。寂しいですが仕方ありません。
いにしえの物語でも、おじいさんおばあさん(あるいは若者)は、語られないですが、きっと、かけがえのない人生のひと時を鶴さんと共に過ごしたはずです。鶴さんもそのことを忘れないでしょう。
現代の私たちだって、きっと同じようなことができるはずです。
おわりに
マルクスさん、見ていますか。
私たちはスマホとインターネットで生産手段を個々人に取り戻しました。スマホ・インターネットの社会的共有を果たしたといってもいいかも知れません。
資本主義的格差は依然ありますが、日本では個人が世界につながるデバイスを多くの人が持てている社会が実現しています。
あなたの目指した社会主義は、こんなかたちですが、すこしだけ、本当に実現したのかもしれません。