15年間使ったギターのリフィニッシュ
東京 池尻大橋のギター工房yellowgemさんで、Ibanez RGのリフィニッシュとPU交換、コントロール増設を実施してもらった。
15年前に購入し、自分でPU交換や回路変更などの改造をしたりしながらかなり長い時間弾いてきたギターだったが、フロイドローズブリッジ故の弦交換/チューニングの面倒臭さであったり、音楽の趣味の変化などによって近年は弾く機会が減少していた。
最近は出力の弱いピックアップ、シングルコイルピックアップの音を求めていたこともあり、そういったギターを新しく買うことも考えたが、所有するギターの本数が増えることは避けたかったため、最終的に弾く頻度が低くなっていたこのギターのピックアップ変更をすることにした。そしてそのタイミングで、ボディのリフィニッシュも試してみることにした。
当初はチェリーサンバーストでのリフィニッシュを考えていたのだが、このギターは黒のメタリックで塗り潰されていたため、塗装を剥がしてみないとどのような杢目になるかわからないという問題があった。塗り潰しのボディに、あえて良質な杢目の材を使う可能性はあまり高くはないと思われた。
実際に塗装を剥がしてもらった際に現れた杢目。これはこれで嫌いではないが、若干地味である。
過去に、YouTubeでギターに突き板を貼ってリフィニッシュをしている動画をみたことがあったので、そのようなことが可能かどうか、工房のマスターの共田さんに相談してみると、「出来る」との回答をいただき、今回はトップに突き板を追加してリフィニッシュしてもらえることになった。
ありがたいことに、様々な種類の突き板を取り寄せていただき、そこからどれを使うか選ぶことができた。元々、いつか一本欲しいなと思っていたキルテッドメイプルの突き板も手配していただき、最終的にはこちらのキルテッドメイプルで作業を進めてもらうことになった。リフィニッシュで木材の選定まで出来るとは、予想していなかった。
突き板を使えることになったことで、デザインの自由度も大きく広がった。せっかくなので、計画を変更してチェリーサンバーストではなく、最近流行のグラデーションフィニッシュを目指すことにした。
カラーサンプルを作っていただき、その後色味を若干調整して最終的に完成したのがこちら。
写真では伝わりにくいが、近くで見るとキルテッドメイプルの揺れて非常に美しい。外枠部分にナチュラルバインディングのような細いラインも入れていただいた。今回はピックアップ交換とそれに伴うコントロール増設も行い、それに合わせてコントロールのノブもゴールドのものに変更してもらった。
ピックアップ変更で好みのサウンドに近づいたこともあり、総じて非常に満足のいくモディフィケーションとなった。プレイアビリティはすでに15年使用してきたことで手に馴染んでいるし、懸念されたリフィニッシュによる鳴りの変化は感じられなかった。
木材の選定とカラー/デザインをここまで自由に選べるとは予想していなかったため、見た目の仕上がりに関しては当初の期待を大きく上回った。新しくゼロからギターをカスタムオーダーするよりも、少なくともサウンド面と引きやすさという点でリスクが小さく、自由度は十分に高く、そしてなんといっても安い。不安はあったが、良い結果が待っていてよかった。
yellowgemの共田さんに感謝しつつ、またこれから長くこのギターを弾いていこうと思う。